2話 にゅうがくしき(前編)

「1目見て好きになってしまいました……私と付き合ってください!」

学園生活1日目から張り切っている女子がいる。

唐突に告白を受けた僕…の親友、深海 誠二は目を丸くしてこちらにSOSを要求してきた。

もちろん軽くあしらってやった。

「女の子傷つけんなよ?イケメン」

最後の助け船は泥船と化し深海を文字通り深い海に沈めた。が、口が滑り深海を引き上げてしまった。

「ごめんね、こいつ中一からずっと一緒の彼女がいるから付き合えないんだ。そんでもこいつも悪いやつじゃないし良かったら友達になってあげてよ」


深海が仔犬のような眼差しで僕をみつめてきたため、良心が痛んだ

女子生徒は落ち込んでいたがリボンの色からして同学年であるのは確定している。きっとまたすぐ会えるだろう。

「灯夜、まじありがとう…こんどちぃ連れて飯行こうな。」

「そこ、なんで私までメンバー入りしてんのさ!」


ちぃこと、浅川 千恵がサラっとメンバー入りしていたことを不服に思ってる、のではなく自分の彼氏がほかの女子から告白されていたのが気に食わない様子だった。

「真白くんが居なければ私があの女をグーでやってたかもしれない。」

「浅川のグーが出なくて良かった」

入学式当日に問題を起こされてはこちらもたまらない。


「ところでクラス見た?私まだだから一緒にいこー?」

「俺の予想だと…ちぃと俺は2組で灯夜は5組だな」

「もう二度とお前を助けない。」

「いや、はい、あの…すいませんでした」

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