第10話
通勤快速アクアライン85号、東鷹米行き。
行きとは逆なので、5号車1番ドアの進行方向と逆側、3人掛けシートの1番ドア側の座席の前。ここにいることが、彼女に会うための絶対条件。
『まもなくー、星川西ー、星川西ー、降り口はー、右側です』
帰りは俺が先だ。
星川西で開いたドアの向こうには、涼花さんが宝物を見つけた時のように輝いた笑みを浮かべていた。
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