第24話 その理不尽を
「アヴァロニカ帝国亜人殲滅部隊隊長。バルティナ・ディ・レイザーン。これより殲滅任務を開始する」
息絶えたエリオーンにドスンと片足を乗せ、高らかにそう宣言したバルティナ。
「やめて!!!」
リリアはエリオーンの亡骸を踏み台のように弄ぶバルティナを糾弾する。
しかしその声も、バルティナの虚ろな瞳には届かない。リリアを必死に抱擁するエーリカだけが、滝のように流れる涙をその身で受け止めていた。
「アヴァ……ロニカ!?」
「──っ!?」
アヴァロニカという名を聞いた途端に、ワナワナと小鹿のように震え出したアリッサ。
隣に立つレイズはすぐさまその異変に感づくも、アリッサはレイズがいることすら忘れ、カタカタと掠れ声でこう呟いた。
「なんで……アヴァロニカ帝国が……?」
「くっ!」
レイズはぐっと歯を噛み締めながら集会場の周りを囲む騎士たちを一瞥した。
騎士たちの鎧や武器には、所々紅色の何かが付着している。
注視するとその正体がはっきりと伺える──血だ。
「はっ、森の中にいた仲間たちは!?」
レイズと同じく、その血に気付いたリリアは、顔を蒼白にしながらバルティナに叫び散らす。
「っくく言ったろ殲滅って。亜人のミジンコ脳じゃ意味わかんねえか?」
バルティナはそう言うと、くくくと嘲笑する。周りにいる騎士たちからも、リリアを嘲笑うかのような声が聞こえてくる。
そして、バルティナの言葉が意味するものは──
「みんな……」
「リリアさん……?」
エーリカには分かった。リリアの魂の抜けたような顔。そして、その絶望を。
「エリオーン様……セルト……お母さん……お父さん……」
リリアの尻尾がピリッと逆立つ。内側からひしひしと怒りがこみあげてくる。
「みんな……こいつらに……」
幼少期のリリアに剣を突き立てた人間の笑い声。そして、バルティナの嘲笑。
酷似していたのだ。自分たちを見下すようなあの声音が。
「殺してやる……」
「リリアさん!!」
エーリカがリリアの気を取り戻そうと声をかけるも、既に遅かった。
リリアの魂は、再び真っ黒に染まっていたのだ。
「わっ!?」
次の瞬間、リリアは無言でエーリカを突き放す。
「リリアさんダメですよ!!!!!」
「うるさい。黙れ」
リリアはよろよろと虚ろな表情のままバルティナに向かっていく。
(せっかく、光を取り戻せたのに……またこんなにも……私は)
一方、バルティナはこちらにやって来るリリアに槍を構えて口を緩ませる。
周囲の騎士たちも各々に武器を構え始めた。
「リリアさん!!!!!!!!!」
エーリカは必死の形相でリリアの名を叫ぶが、その声が届くはずもなく。
そんなエーリカの肩を、レイズが無言で押さえる。
「レイズさん……?」
レイズの表情は、いつも以上に強張っていた。
「おい!お前らは手を出すなよ!この獣人は俺が片付ける!!!」
溢れ出るリリアの殺意をもろともせず、周りの騎士たちにそう言い放ったバルティナ。
リリアとバルティナは互いに一直線に対立する。
「さて、死ぬ前に一言。何か言いたいことでもあるか?」
「……」
バルティナの冷たく突き放したような発言に、リリアは口を閉じたまま。
「何黙ってんだてめえ。亜人のくせに俺の寛大な心遣いを踏みにじってんじゃねえよ」
「……」
「くはは!あーもういいわ。そんなに早く死にたいようなら俺が……」
グッ!!
「あっ!?」
「ふっ!!!!!!!」
バルティナが言葉を言い終える前に、憤慨したリリアから剣の一撃が放たれた。
硬魔剣アダマンテイン。リリアが持つ銀色の剣の名称。
自然界の術式が埋め込まれている幻の鉱石ハイアダマントから作られ、その一撃は並の鎧を容易に打ち砕く。
だが──
「なっ!?」
リリアが放った一撃は、鎧を砕くどころかバルティナの身体をすり抜けた。
「幻!?」
「おいおい、最後まで言わせろよ」
がら空きだったリリアの背後には、バルティナが立っており──
「あがっ!?」
バルディナが槍を薙ぎ払い、リリアの背中に線状の傷をつけた。
傷口から、ビシャッと血が飛び散る。
リリアは背中から走るジンジンとした痛みをなんとか抑え、バルディナの正面に向く。
「はっ!?」
だが、リリアの向いた先には、バルディナは気配すら消えており、
グサッ!!!
「リリアさん!!!!!」
切羽詰まったエーリカがリリアの名を呼ぶが、その時には既に、背中から槍が突き抜かれていた。
「ぐはっ!」
バルディナがリリアから槍を抜くと、そこからドクドクと血が噴出する。
リリアは傷口を片手で抑えるも、隙間から洪水のように血が溢れ出る。
「ぐっ」
「これでも死なねえか。獣人ってやっぱ頑丈なんだな!」
ドン!!!
「がぁっ!」
直後、バルディナがリリアを蹴り上げ、リリアは地面に投げ出される。
その様子をクククと嘲笑う周りの騎士たち。
リリアはなおも立ち上がろうとして地面に剣を突き立てるが、
ドッ!!
その必死の抗いを踏みにじるかのように、バルディナがリリアの背中に片足を叩き落とす。
「ぐあぁ!!!」
バルティナは鉄靴をグングンと動かし、リリアにギリリという激痛が走る。
「こうやって何もできねえ亜人を痛めつけるのが、俺の快感なんだよ、なぁ!!」
「ふ……ざけるな……そうやって……私たちの仲間を……ぐっ!」
「あ?なんか言ったかあ!?」
言葉を発するリリアを、思いっきり体重を乗せた足で踏みつける。
「もうやめて!リリアさんが!!!!!」
リリアがいたぶられる様子を見て、泣き叫ぶエーリカ。
だが、そんな悲痛な叫びもバルティナの耳に届くはずもなく、
「もうだめっす……なんでアヴァロニカが……」
未だにワナワナと体を震わせるアリッサ。
そして──
「お前らは!人類の!敵!なんだよ!」
言葉を発するごとに、リリアをドンドンと踏みつけるバルティナ。
そんなバルティナに、なす術もなく痛めつけられるリリア。
(もう、終わりなの……私は、何もできないで……憎き相手にこうやって死ぬまで痛めつけられて……)
「おらあ!!!」
「ぐっ……!!!」
バルティナはリリアを物のように蹴り上げ、リリアのボロボロの身体がボールのように地面に転がる。
「さて、十分に味わえた。お前が死んだあと、そこにいる仲間共も同じように逝かせてやるよ」
「やめ……て……」
そのままバルティナは、リリアに向けて槍を突き上げる。
「来世は人間に生まれ変われるといいな。馬鹿ども」
ビュン!!!
その槍を、リリアに向けて放った。
*
「もうやめて!リリアさんが!!!!!」
リリアが痛めつけられる様子を見て、泣き叫ぶエーリカ。
その隣で、沈黙を貫いていたレイズが、小さくエーリカの名を呼ぶ。
「なあ、エーリカ」
「レイズさん?」
エーリカは嗚咽した顔のまま、レイズの方を振り向く。
「俺には、あいつらのやってることが理解できなかった」
レイズの赤い瞳の先には、リリアを踏みつけているバルティナの姿。
「今までアヴァロニカの連中がレディニア王国を燃やしたり、ステラのおばちゃんを、そしてさっきのおっちゃんを殺す理由が、俺には全く分からなかった」
「レイズ……さん」
呆然としてレイズを見つめるエーリカ。
「なんとか理解しようとしたよ。あんなに罪のない人々を弄ぶあいつらにも、何か目的があんのかなって」
レディニア王国を滅亡させた鎧騎士。レマバーグの人々を嘲笑い、ステラを殺害した騎士団。
そして、目の前に映る光景にも──
「でもようやくわかった」
「……っ?」
レイズは息を置いて、紅蓮に燃え上がる瞳でこう呟いた。
「あいつらは、どうしようないクソだってことがな」
「……!!」
レイズは、拳を強く握り締める。
「だから俺が、奴らの腐った心をぶっ壊してやる」
「レイズ……さん……?」
そう告げると、レイズは地面を蹴り急加速する。向かう先は、リリアに槍を突き立てるバルティナ。
そして、バルティナの油断している間に──
「来世は人間に生まれ変われるといいな。馬鹿ども」
「……っ」
ガバッ!!!
「あ?」
「え……?」
バルティナの正面から──飛び蹴りを喰らわせた。
「なっ!?」
至近距離からレイズの蹴りを喰らったバルティナは、受け身も取れず地面に突き飛ばされる。
「ぐはぁ!!!」
その勢いのまま、バルティナは地面を転がり木にぶつかって倒れる。
「何で……私のことを……」
ボロボロのまま倒れているリリアが、掠れた声でレイズに尋ねた。
「エーリカを悲しませねえためだ」
「は……ぁ……?」
「お前が死ぬと、エーリカが悲しむ」
(ふっ……いつだってこいつは……あの女のことを……)
地面に身を投げ出したまま、リリアはレイズに口を緩ませる。
ズザァ!
だが、バルティナもすぐに立ち上がりレイズに槍を構える。
「何だてめえ?いいところだったのに邪魔しやがって」
槍を肩に担ぎあげたまま、バルティナはレイズの前に移動する。
「あー冷めたわ。お前もすぐにこの獣人と一緒に送ってやろうと思ったのに。邪魔すんだったら、コイツより先に消してやる」
しかし──
「殺す!!!!!」
レイズは瞬時に跳躍し、バルティナの上空へ──
「はっ?」
バルティナが唖然と見ている間にも、急激に落下してバルティナに足を突き落とす。その足はバルティナの後方で旋回し、速度をつけてバルティナを後ろ蹴りで吹き飛ばす。
「がばぁ!!!!!」
ズザザ!!!
間髪入れずに、レイズはバルティナに向けて突進。
「クソ!コイツ!!!」
バルティナはそう口ずさみ、槍を上下に振る。
そこへレイズの拳がバルティナに襲いかかる。しかし。
「──っ!?」
レイズが放った拳は、バルティナの胴体をすり抜け。
直後、レイズの背後から、バルティナが槍が奇襲する。
「くっ!?」
だが、レイズも凄まじい判断力で瞬時に振り返り、バルティナの槍を魔力で受け止める。
「てめえ、エルフのくせになかなかやる……っ!?」
バルティナとレイズが槍と拳を交えて互いに見合わせる。すると──
「耳が……尖ってない!?てめえ人間か!?」
「あぁ」
レイズは足蹴りでバルティナを後退させる。
「ははっ!人間が亜人を守るために戦うか!」
「違げえよ。俺が戦う理由はいつだってエーリカのためだ。お前らは、いつもエーリカを悲しませる。エーリカの心を、意志を、踏みにじろうとする!!!」
「エーリカ……?」
バルティナはその名を聞いて、遠方で不安げに此方を傍観している茶髪の少女を一瞥する。しかしそれが、バルティナの隙を生んだことを知る由もなく。
衝撃波を交えたレイズの拳が、バルティナを吹っ飛ばす。
「ぐはぁ!!!!!」
バルティナが吹っ飛ばされると同時に、レイズも急加速しバルティナに迫る。
だが、バルティナも地面に滑り込み、槍を上下に薙ぎ払い――
「なっ!?」
次の瞬間、レイズの周囲に五人のバルティナが姿を現す。
「くっ!」
バルティナたちは、各々違った動きでレイズを強襲する。
レイズもそれに対抗して拳を放つが、全ての攻撃がスカッと通り抜けて、
さらにその背後から、何人ものバルティナがレイズを襲う。
「ぐっ」
「おらおらあ!!!!!!」
レイズはそれに対応できず、その中の一人から、槍の一撃を喰らう。
レイズはズザザザと地面を滑り引き下がった。
両腕でガードしていたものの、魔力を張る隙がなく、腕からは血が流れ出ていた。
「くっ!」
バルティナの大群はなおもレイズに襲いかかる。
レイズはその一人一人を迎え撃つが、
前方、後方、真横。あらゆる角度から迫り来るバルティナの幻影。
「どれが本物かわからねえ……!」
その仕組みを知る暇もなく、レイズの体力は徐々に削られていく。
「このままじゃ……!」
だがそこに、一陣の風が吹いた。その時、幻影が一瞬ぶれる様子をレイズは見逃さない。
「はっ!!!」
レイズは直ぐに拳を地面に放ち──
「なっ!?」
同心円状に広がる衝撃波は、バルティナの幻影を次々に吹き飛ばしていく。
幻影は空気の振動によってその形態が僅かに揺らぐ。
レイズは衝撃波を放ったことで、空気を激しく振動させて幻影を消滅させたのだ。
しかし、上空から現れる幻影は消滅させられず、
「もっとだ、俺の衝撃波を拡大させろ!!!」
レイズの拳から放たれた衝撃波はあらゆる
そうして一人、バルティナ本体だけが衝撃波を躱してレイズの前に立つ。
「ちぃ!まあ対処法が分かったとて、その魔力が尽きる前に俺を倒せるかな」
そういうと、バルティナの幻影が再び姿を現す。
「くそ!このままじゃ埒が……」
「レイ……ズ……」
「!?」
突然、自分の名を呼ばれ、レイズは後方を振り返る。
そこにいたのは、リリアだった。
どうやらレイズは戦いのうちにリリアのいる場所まで戻って来てしまったらしい。
「お前……」
「
「っ!!」
レイズは先の戦いを思い返す。
リリアの言う通り、バルティナは幻影を出す前に槍を上下に薙ぎ払っていた。
「ありがとな」
「ふっ……教えたんだから……絶対……勝ちなさいよ……」
そう言って、ぶるぶると震わせながら拳をかざし、リリアは微笑む。
レイズは差し出された拳に、自分の拳をコテッと合わせた。
「応」
レイズは拳を構え、バルティナの幻影たちに──
地面から放たれ物体を反射した衝撃波は、バルティナの幻影を次々に消し去って行く。
「くっ!そうくるか!」
そうして単体になったバルティナに、レイズは一気に突っ込む。
バルティナは再び槍を振ろうとするが、そこへレイズの蹴りが炸裂。
「ぐっ!!!」
レイズはバルティナの顔面に足蹴りを放ち、後方に吹き飛ばした。
「ぐああ!!!」
バルティナは腫れあがった顔面のまま、次々と迫りくるレイズを迎え撃つが、
レイズはバルティナに槍を振るわせる隙がない程に、拳を放って打撃する。
「ぐっ、てめえに教えてやるよ!亜人を生かしておけば必ず俺たちの敵になるんだよ!!俺たちは亜人の脅威から力のないクズどもを護ってやってんだろ!!!」
バルティナは槍でレイズの拳を受け止めながら、声を荒げてレイズに言い放つ。
「お前たちのその腐った考えで、罪のない多くの人が命を落とすんだろうが」
「罪のない?お前、俺の話を聞いてなかったのか?亜人はレディニアの死霊術師同様生きてるだけで存在価値のない敵だって……ぐはぁ!?」
「待ってろ。そのクソみてえな口を今すぐ黙らせてやる」
すると、レイズは一度後退し、助走をつけてバルティナに急進。
「ふっ!」
バルティナはレイズの拳を直に喰らい、エーリカの近くにまで吹き飛ばされる。
「ぐうぅ!!!」
「レイズさん!!」
エーリカがすかさず、遠くにいるレイズの名を叫んだ。
自分のために体を張ってくれるのは嬉しい。
だが、エーリカは目の前の顔面が腫れあがったバルティナを見つめる。
──こんなになるまで、してほしくない
バルティナはレディニア王国を滅ぼした敵の一味にも関わらず、エーリカはバルティナに情けをかけていた。
だが、エーリカのその思いを裏切るかのように、バルティナはにやりと笑う。
レイズがバルティナに向けて超高速で移動し拳を放つ。
しかし、バルティナは直ぐに槍を上下に振り、幻影を作り出す。
レイズはその幻影に向けて拳を放つが、
(馬鹿が……!!)
バルティナは、エーリカがバルティナに見えるよう、幻影で細工していた。
「はっ……!!」
「っ!?」
だが、レイズは幻影がエーリカだと瞬時に察知し、跳躍してエーリカを飛び越える。
(こいつ、なんであの幻影が女だと!?)
そして、バルティナの姿を確認し、急接近。
「ぐっ早い!!」
レイズは足蹴りでバルティナに攻撃。
バルティナはすかさずレイズの足蹴りを槍で受け止める。
バルティナは槍に力を入れながら、レイズに向かって言い散らした。
「お前もそうだろ?気に入らねえ奴は突き放すのが生物の性だろうに!亜人もみんな敵は滅ぼすのが、俺たちのやり方なんだよおおおおおおお!!!!!」
「だったらこれが、俺のやり方だ」
「──っ!?」
「俺の拳でその理不尽をふっ飛ばす」
レイズはバルティナから放たれた槍の衝撃を跳ね返し、そして自身の魔力で四重に強化された衝撃波を纏った拳を放つ。
「ぐっぐああああああああ!!!!!」
その衝撃波はバルティナの鎧を粉々に破壊し吹っ飛ばす。
バルティナは血まみれのまま地面に突っ込んだ。
レイズは、戦いが終わると、所々傷ができた体を休ませるようにして地面に胡坐をかく。
「なんだあいつ!?」
「バルティナ様を倒した!?」
周囲の騎士からは、レイズがバルティナを倒したことに驚嘆の声が聞こえてくる。
「レイズさん」
座り込むレイズの元に、エーリカがやって来る。
「よおエーリカ。終わったぜ」
「そんなに……ボロボロになって……」
エーリカは座り込んでレイズを抱きしめた。
「どうしたあ……エーリカ」
「私のために、そんな無茶をしな……」
「まだ……終わってねえ……」
「「っ!?」」
レイズとエーリカが声がした方向を向く。
すると、押したらいまにも倒れそうなほどに弱ったバルティナが、槍を支えにして立ち上がっていた。
レイズは直ぐに立ち上がり、エーリカを守るようにして片手を広げる。
「俺が……やらないと……また……」
バルティナは槍を杖のようにしてよろよろとレイズの元に歩いていく。
その顔は、若干にやついていた。
その様子を、レイズとエーリカは厳格な表情のまま見つめる。
だが、バルティナがたどり着く前に──
緑色の魔法陣が、バルティナの立つ地面に現れる。
「っ!?」
緑色の光はバルティナをブワッと包み込む。
直後、地面から蔦のような植物が現れ、バルティナの四肢をガッシリと拘束した。
「なっ!?」
「なんだ!?」
周りの騎士たちも、同様に謎の植物で束縛されている。
「なんだこれ!?」
「──っ!?」
予期せぬ出来事に、困惑するレイズ。
その時、何かの気配に気付いたエーリカが仰ぎ見た先には、上空から蝶の羽を生やした老婆が、
「あれは……セレスさん……?」
しかし次の瞬間、羽が老婆を包み込むとともに、激しい光が放たれる。
そして、光が途切れた途端──
姿を現したのは、虹色に光る長い髪を風になびかせた、妖艶な女だった。
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