第2話 そろそろ友達も登場させないとね
「え、いや、何言ってんの。」
さっきから頭おかしい転校生に対して普段からコミュ障の俺が、転校生勢いに押されさらにたどたどしく返答をした。
しかしコイツときたら、気持ちが折れることもなく、俺のパーソナルスペースに土足でどんどん上がって来やがった。
「あれ、聞こえなかったか?我に人間というものを教えろと言っているのだ。そして拒否権は無いと。」
「お前は今日から私の教育者になれ。」
もう今すぐこの場から消え去りたい。いやもうお前が消えてくれ。
しかしこの後予想外な展開に、いや、ラノベ的には予想通りなん(ry
「もう何でもいいから、
と、もうさっさとこの面倒くさいやつを何とかしたいのと、誰かにコイツをなすり付けたいのと、作者がはやく次の展開に進めたいことから俺がコイツの面倒見をすることになった。
「は、はい。」スクールカースト最底辺の陰キャでコミュ障の俺に拒否権なんて元からなかった。
あ、そういえば俺の名前は
そんなに俺って倫理感に溢れているだろうか?
そして俺が神を目指すようになった理由の一つ、苗字に神が付いてることだ。
それだとなんか俺も中二病くさいな。いや、どっかの転校生に比べたらまだマシでしょ!? マシだよねっ? ねっ?
てか2話にしてやっと主人公の名前が登場っていったいどんな下手糞な小説書いてんだよ...。
「お前イヌガミっていうのか?じゃあお前は我の犬だな!はははっ!」
ほんとお気楽な奴だな...
「今から小テストみたいなのがあるから、とりあえず静かにしろ。」
とにかく周りの視線が痛いので黙るように諭した。
「小テストというものが何かは知らんが、とりあえず黙ればいいんだな!」
なんだよ意外と物分かりがいいじゃないか。まあいくら中二病とは言え、初日から大目玉食らうのは嫌なのか。
そしてテスト用紙が配られ、テスト開始の合図とともに、一斉にシャーペンを紙に打ち付ける音が教室中に響き渡る。
例のアイツはと言うと、ただただ紙を眺めているだけだった。
なんだよ、筆箱忘れてきたのかよ。転校初日から、本当にこいつは破天荒すぎるな。
いや、別に狙って言ったたわけじゃないんだからねっ!
「ほらシャーペン貸してやるよ、忘れたんだろ?」
筆箱から一本取り出して転校生の机の上においてやった。
ご生憎、消しゴムは一個しか持ってないので貸してやれないがな。
「こいつなら持ってるぞ。」
「はひっ?」
予想外の返答に思わずヘタレ主人公みたいな返事をしてしまった。
「パパがこっちの世界では必要不可欠なものだって言ってたからな。
え~と、確かこのへんに、、」
そう言うとコイツはカバンの中をゴソゴソと探し始めた。
そして筆箱が見つかったようだ。デザインはもうこの際気にしない。
だってシナリオが進まないか(ry
まあそんなこんなで俺の優しさは無念にも打ち砕かれ、むしろ何出しゃばってんだ俺という後悔と羞恥心が俺を襲った。
「どれどれ、英語の問題か。くっくっく。人間はこんな低俗な問題を解いているのか。まあ、流石劣等種と言うことか。」と隣の席の奴が何かのたまっておりますが、無視して自分のテストに集中した。
※二人とも不合格でした。 でもあいつは0点だけど、俺は2点あったぞ!
小テストが終わり、朝礼のあいさつも終わった。
そしてマジでヤバい転校生略してMYTのお世話役を任された俺を憐れんでくれる友人はこのクラスには居ない。
ある意味そっちの方がかえって都合がいい。元から誰にも見向きされない俺は誰からもからかわれる心配もないからな。
当の転校生もこんなんじゃこのクラスの誰も近寄っては来ないだろう。
他のクラスの一人を除いてな。
「おはよ~綸己、ってその横にいる女の子は誰?」
噂をすればなんとやら、こいつは俺の唯一の友達の
でも実は俺と同じコミュ障で、しかもかなりの寂しがり屋で、超絶アニメオタクだ。
去年の恋愛経験で何かあったのか、「もう現実の女なんて信じない、俺には二次元さえあればいい。」と突然何かに取り憑かれたかのように、恋愛系の話になるとそれしか言わなくなる。だから決して女たらしなんかではない。
「こいつは今日このクラスに転校してきたリリス...なんだっけ?」
本当にこいつはたったの二話で大量の呼び名がついてしまったから、肝心の本名を忘れてしまった。
「我の名前はリリス・シューベルだ。人間界で救世主を見つけるために別世界からこの学校に転校してきた。そしてまずは人間の習慣や生態を学ぶために、犬に人間について教えてもらっている。」
いろいろとツッコミたいところがあるがまあいい。それよりお前誰にでもキャラブれないな、そこだけは尊敬するよ、コミュ力モンスター。はい、またあだ名が増えたよ。
「へえー救世主を探しにわざわざこっちの世界まで来たんだね。はやくみつかるといいね!」
こいつはこいつで何簡単に受け入れちゃってるの!?さすがアニメオタクこういう話になると汎用性が高いな。
「そうだな。一刻も早く見つけてあっちに帰らないとな。」
さっきとは打って変わって急に真面目な顔になる。
やめろよ、ちょっと信じちゃうだろ。中二病って時々設定のはずなのに演技に張り込みすぎてマジになる奴いるよね。
「それよりお前は、名前なんて言うんだ?」
「僕は猫羽蓮太郎だよ。リリスさんの犬のお友達。」
おいお前俺のことこいつのペット呼ばわりするのやめろよ。友達とか言われても傷つくわ。
「犬の次は猫か!お前は我の話が分かるみたいだし、特別に我に近づいてよいことにする!」
なんだこいつ意外とチョロいのか?いやアニメオタクと中二病の心の奥の魂が共鳴したんだな。まあでも猫呼ばわりだけど。
「ありがとう!リリスさん可愛いし、これからもっと仲良くできたらいいな!」
そういって猫野郎はリリスの手を握って笑顔で喜んでいる。
前言撤回だ、こいつはとんだ女垂らし野郎だ。
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