第11話 美少女の涙への耐性を求めて

 朝一から病院に早出していた私は、報告書類レポートのまとめは部屋に帰ってからすることにして、早めに病院を出た。冬至の頃の短い夕陽が目に入る。

 

 先程の面談でコウが流した涙に凍りつきズキューンと心をたれてしまった私は、あろうことかまたもお漏らしをしてしまっていたのだった。

 さすがにまたも病院の売店でこっそりとおパンティを買いに行くわけにはいかない。今日は早めに帰宅である。

 

 今後は予防のために、おパンティの下に介護用オムツを履くことは可能ではあろうが、蒸れてしまうだろう。 

 かくして、明日からの勤務にあたりを円滑に進めるためにも、今宵は乙女ゲームや美少女ゲームに取り組んで、美少女の涙への耐性を強めようとの選択肢を私は採用した。


 (やっべー。レポート書いたら、まずは久しぶりに乙女ゲーだな~)


 そう、夜の私は美男子同士がイチャイチャするゲームや漫画の鑑賞を本業とする傍ら、乙女ゲームや美少女ゲームだってしてきたのである。悲愛ものや秘愛ものから、時としては社会常識的にはどうなのよ、と思うエログロちゃんなものまで。

 美少女同士の絡みから美男子同士の絡みをも脳内で展開することも可能な私のイマジネーション力は、腐女子仲間の間では少しばかり有名だ。

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