第74話焼肉GOD 前話 深淵に佇む竜

知なき巨蛇ー


アーガスはそうカンザキに説明する

本能のままに生きる巨蛇


腹が減った時に視界に入れば餌とみられ、襲われる

さらには猛毒を吐くゆえに恐ろしい牙があると




だがカンザキはまた何時もの事だと、砂浜に魔法陣を描き始める


かつて「エリシュラルド」と言われたその星で、世界で手に入れた技術だ

似たような技術体系を取っているこの世界でも同じように使えた事もありあの時の冒険は無駄では無かったと思える


いかんな、なんか感傷に浸りすぎる


「アーガス、その巨蛇には名前とかあるのか?」


「言いたくない。声に出したくない」


「なんだよ、えらく弱腰だな。それでも竜か」


「それは関係ない。それにアレは竜だろうが我々を餌にしか見ていない」


体長十数メートルはある竜が餌か

よほど大きいらしいな


「まあ、なんだ。名前が分かればなんかしらの対策が出来るかも知れないだろ」


むぅ、っとアーガスは腕を組み考えてから


「わかったよ・・・・・ヤツの名はミドガルズオルムという。聞いたことがあるか?って何だその嫌そうな顔は」


「いや、予想外に大物だったんでな」


「予想外にってなんだ予想外にって。まあそういう訳で何か良い案はあるか?」


うーん。


「ないな!とりあえず見に行って見るか」


「ないのか!?」


完成した魔法陣が淡く輝く


カンザキの描いた魔法陣により転送される


そこは深海・・・


光が届かない程に深い場所だが、カンザキの生み出した光源によりあたりが照らされる


足元に広がる海底の大地


そこに横たわるは巨大な蛇だった


白く、そして巨大な蛇の全長はまったく分からないほどに長い


「何だここは?カンザキ、お前さん何処に連れてきた」


「足元をよく見ろよ、多分コイツだろ?」


アーガスは足元をよく見るとそこには巨大な蛇が寝転がる


アーガスは威圧感で心臓が押しつぶされそうな感じがして、思わず心臓に手を当てる


「まさか、くっ、流石にデカイな。どうするんだカンザキ」


「まあ、本命はコイツじゃない。こっちだ」


海底まで100m程の地点地上からはどのくらいの深さなのか想像もつかない


そこを、カンザキは普通に歩きだす


「なっ!」


「ここは海底だが、どうも空間そのものがネジ曲がってるみたいでな。反応はこっちだ」


アーガスはカンザキに言われるまま付いていく。足元はしっかりと、見えない床があるようなそんな感じだ

わずかに進むとそこには1枚のドアがあった


「この扉はなんだ!?なぜこんな所に!?」


「さ、さあ?俺にもわからんが・・」


海底の異空間に漂う扉は異様な雰囲気だった

だが、カンザキの感じるミドガルズオルムはこの扉の向こうに居ると、確信していた


「とりあえず、行くか」


ガチャリとドアノブを回すカンザキ


ギィっと錆びた様な音を出して開けた先には


さわやかで、ほのかに甘い香りがする玄関だった


脱ぎ捨てられた不揃いなスニーカーやハイヒールが、家主の性格を表しているようだ。


その先はすぐに台所とテーブルが置いてあり、その台所は洗いもので溢れテーブルの上は隙間なく調味料や日本語が印刷されたカップ麺などが置かれている


見ればすぐに日本の誰かの家だとわかるだろう

だがカンザキが居たのは異世界であり、そこで生活していたはずだ


「なんだこの臭いは・・カンザキ、本当にここに奴は居るのか?」


カンザキは、はっと我に返る

一瞬異世界に迷い込んだ気がしたがそもそも日本産まれのカンザキは今いた場所こそ異世界だと思って少し笑ってしまう


「とりあえず入ってみるか」


カンザキは脱ぎ散らかされた靴を揃え、自分も靴を脱ぎ上がり込む

アーガスもそれを倣い、サンダルを脱ぎ上がった


台所の向こう側にある引戸をすっと開ける

そこは八畳ほどの広さの部屋で、こちらも床は脱いだ服などで足の置き場は少ない


より分けて進み、電気をつける

するとベットの上に1人、タンクトップしか着ていない髪の短い女性がだらしなく、ヨダレを垂らしながら寝ていたのだった


「っしゃあ!SSRゲットぉ!・・・むにゃ」


なんだかあまり良くない寝言だな


そしてカンザキは、「見覚えのある」女性を叩き起した


「え、あ!?すみません店長!?寝てました!」


寝ぼけて吐いたセリフは仕事中でも良く怒られているのか


「ヒドイセリフだな」


カンザキはため息をつく

しかし懐かしい顔に、頬が緩んだ


「てか、お前こんな所でなにやってんだよ?」


「へ?店長じゃない?」


女性は目を擦りながら、何かを探している

カンザキは足元に落ちたメガネを拾い上げて渡してやると、ゆっくりとメガネをかけた


「ああ、すみません。…って!え?嘘!カンザキ?」


「その前になんか着ろ、目のやり場に困る」


そう言って足元の服を投げつけてやる


「え?あ?きゃあああ!」


「出ておくから用意が出来たら呼べ、レーナ」


カンザキはそう言って一旦部屋から出て台所に待機する


「何だカンザキ、アレは!知り合いか?」


「いや、なんて説明したら。まあアイツから話を聞かないと確かな事は分からないが、アレが多分、ミドガルズオルムだろ」


「は?」


そう言う反応になるよなあ・・・


「か、カンザキ良いよ。入っても」


許可が出たので入る

幾つか、いや、幾つも聞かねばならない事がある


「まず幾つか、質問するぞ」


「うん、何カンザキどうしたの?あ、もしかして私と子作りする気になったとか?」


「こっちが質問するのが先だ!聞け!」


「うわっ、分かったわよ。睨まないでよ」


「まったく。レーナ、お前はミドガルズオルムなのか?」


その質問に、びっくりとした表情を見せて

唾を飲み込んだ


「ええええ!?な、何で分かったの?確かに私はミドガルズオルムだったけど」


やはりか、なら話は簡単だな。


ヨッシャア!


「実はな、お前の眷属の蛇、幼生を、このおっさんの街の子供が殺してしまったみたいで困ってる」


「ははあ、それは不味いね。でも本能は…身体(ミドガルズオルム)は報復しないとってなるわ」


ヨッシャア!


「でだ、報復をやめてもらえないか?」


「私からも、頼む!」


アーガスが頭を下げている


「いいよ別に」


ヨッシャア!


「軽いな!」


「いやだって、カンザキの今いる世界のミドガルズオルムは私の身体だもんね、止めさせられるよ?というか、報復っていつの時代のセットだっけ…まぁ今後眷属になんかあっても問題ないようにしとくよ」


ヨッシャア!


「よし、次の質問だ。ミドガルズオルムのお前は何故人間なんだ?」


「ああ、蛇に飽きちゃったからさーなんかないかなって思って精神体でうろうろしてたんだけど受肉しちゃってさー。それにしても…ふふ、レーナか、懐かしいねカンザキ」


「今のお前の名前はちがうのか?で、此処はどこだ?予測は付くけど…」


「今は水戸 玲奈(みと れな)って名前。あとここは日本だよ?あ、何県とか何市って事?」


ヨッシャア!


やはり日本か。

あれ程帰りたかった故郷だが、今はもうあまり固執していない自分に内心驚きながら。


ヨッシャア!


「さっきからヨッシャア!ヨッシャア!五月蝿いんだが、なんだそれ?」


「あ、ごめんスマホ!マナーにしとくね」


そう言ってレーナはスマホを操作して音を消した


「まあいいや、なんで日本にいるんだよ」


「カンザキの生まれた所に行ってみたくてさーあの後来ちゃった」


来ちゃったで来れるのかよ・・

早く教えて欲しかった


ヴーンッヴーンッ


「よし、今度は私から質問ね!」


「あ、ああ」


「カンザキか私の産まれた国にいるのも、ここに来た理由も分かったんだけど、なんであの世界に居るのよ?魔王を倒した後すぐ消えてたよね?私達かなり探したのよ?」


ヴーンッヴーンッ


「ソレは俺も分からんな。気がついたら俺はウルグインに居たんだ」


「ウルグイン?何それ?街の名前かな?まあいいわ、それで何やってんのよ。日本に帰って来ないの?私こっちでも探してたんだけど」


ヴーンッヴーンッ


「その割には優雅な生活してんじゃないか」


レーナは、うっと荒れた部屋を見る


ヴーンッヴーンッヴーンッヴーンッ


「これはまあ、日々の生活のですね、苦労の現れなのよ」


「さっきからヴーンッヴーンッうるさいんだが!?」


「あ、ごめん電話だったみたい。切れちゃったから大丈夫」


「なあカンザキ、本当にこれがミドガルズオルムなのか?」


「ああ、そいやそのおっさん誰?カンザキの新しい仲間?」


「私はアーガスと言う緑竜の長だ」


「緑竜の・・・って思い出せないなぁ・・・ちょっとまってね、今系譜を辿ってみるから」


そう言ってレーナは考え込む


「なあ、カンザキ、ほんとにこれがミドガルズオルムか?」


何度目だその質問、わかるけど


「魂は間違いないし、神気だって相当なもんだろ?」


「確かにそうなんだが、何かなあ・・」


まあアーガスも他の竜が見たら、本当にアーガスか?と言われるぞ絶対

色黒でアロハ着た竜なんていねぇ!


レーナが、うーんと腕を組み悩んでいると


ぴんぽーん!

玄関のチャイムが鳴り響く


「おい、誰か来たみたいだぞ」


ぴんぽーん!ぴんぽーん!


「ちょっとまって、今考えてるんだから」


ぴんぽーん!ぴぽぴぽぴんぽーん!


「ああもうピンポンうるせえな!もう出るぞ!」


カンザキは玄関へ向かい、ガチャリと開けるとそこに立って居たのは髪の長い女性だった

ダボついた服装だが、目が優しい感じでなんだかお姉さんって雰囲気だ

手には何故か肉じゃがを持っている


「えあ?あなた誰ですかー!?玲奈ちゃんは居ますかー?」


びっくりした顔をして、カンザキの後ろを覗き込む

そして部屋を見るなり


「あー!また玲奈ちゃん掃除してないよー」


そう言って上がり込むと、台所に向かい、食器を洗い始める


「もーちゃんとしてっていったのにー」


怒ってるのか怒ってないのか分からない程ほんわかしている


「あ、ごめん!真央!」


「玲奈ちゃんダメだよぉ。ゴキちゃん来ちゃう」


「やー、今日しようと思ってたんだよ。休みだし」


いや絶対嘘だろ。今の今さっきまで爆睡してただろ!


「ならいいんだけど、早くしないとダメだよー?ついでだから私片付けるねー」


いやまて信じた!?てゆうかアンタが片付けんのかよ結局!良い人すぎんだろ!


「ごめんねー真央、ちょっと立て込んでるけど気にしないで。さてっと、続き話しましょうか」


「ってできるかぁ!!!!」


「誰だよ真央って!ほんと何してんだよお前!!なんでこの娘は動揺すくないの!?」


普段まったく見せない顔をしているカンザキにアーガスが関心している

いつも落ち着いた雰囲気で、余裕がある男だった。

だがここにいるのただのつっこみだ


「あれぇー?そういえばどなた?なに今日コスプレなの?私用意してないよー」


「それはあれか、俺の格好見て言ってんの?」


「文明のにおいがしないよぉ。獣の臭いだよぉ。」


なんだよ文明のにおいって・・・獣って・・風呂は入ってるぞ・・・服だって洗ってるし


「ほらカンザキ、マジでヘコまない」


「え?カンザキ?」


「そうだよ。カンザキだよ。言ってなかったっけ?」


「聞ぃいてないぃぃー!」


なんなんだこれ一体・・・もしかしてコイツも俺の知り合いなのか?

恐る恐る、聞いてみる


「だ、誰なんだ?」


「え?カンザキわかんないの?ひどくない?」


レーナの視線が痛い・・・わからないんだが・・何か雰囲気というか、知っている気はする


「えー?カンザキわからないの?私だよ、黒井真央・・」


「いやわからんのだが。知っているような気はするな」


「ひどいねぇカンザキは」


お前が言うな


「私だよぉ、エルアドラ・ドゥ・ハザートだよぉ」


ぶはああああああっ


思い切り吹き出す


「え、エルアドラ!?」


「そうだよぉ。カンザキ追いかけてきたのにいないんだもん。だから玲奈ちゃんのとこきたの」


「いや、意味がわからんし!つうかエルアドラ!エルアドラ?」


「なぁにー?」


カンザキの中で色々なものが崩れていく音が・・聞こえた気がする

繰り返し呼ぶその名はエルアドラ・・


「黒井真央って・・そうか、そのまんまじゃねぇか・・・・漆黒の魔王エルアドラ・・・」


「元勇者パーティのひとりと元魔王がなにやってんだっつうか生きていたのかよエルアドラ!」


「なんか横から聞いているとカンザキはエルアドラという者が大好きのようだな・・」


「黙れアーガス。お前なんて足元にも及ばんぞこのエルアドラは・・なんせ世界の七割は軽く破壊してたんだからな」


「やだなぁ、ちゃんと、手加減してたよぉ?それに今は真央だから、真央って呼んでー」


「あれでかあああああああ!それに緩い!緩いわぁ!それに今の会話の最中に部屋が片付いてるしお茶まで入ってる!?なにそれ女子力たけぇな魔王!」


真央はお茶の入ったコップを4つ、片付けられた部屋に持ってくる


「はい、カンザキお茶だよぉー飲んでー。はい、あなたもどうぞ」


うまいと言いながらお茶を飲む緑竜の長

そして肉じゃがと箸を出してくる


「あーまぁいいや。なんかすげぇ疲れた・・・・」


「その割りに、なんで泣いてんのよカンザキ・・・」


カンザキはお茶を飲みながら涙をながしていた

それはかつて、疑念を抱きながらでも倒した魔王が生きていたことなのか、この日本の空気がそうさせるのか

涙をぬぐいながらカンザキは話を続ける


「ま、いいじゃないか。でもなんでエルアドラがレーナと一緒に居るんだよ」


「あー、この娘ね、日本に転生してきたのは良いんだけど迷子みたいになってたから保護したのよ」


「その割りに一緒に住んでないんだな?」


「ああ、うん、それはね、色々在るのよ。でまあ、今面倒みてあげてんの」


「お前が面倒みられているようにしかみえないけどな」


「おい、おい、カンザキ」


「なんだアーガス」


「これ、これ、美味いぞ?」


肉じゃがつつきながらお前も食べてみろと出してくる


すげぇ美味かった。

久々に日本の、肉じゃがが美味いと言うよりもエルアドラの料理が美味いのだ


「すげぇな、なんか」


ゆっくり食べていたら、後ろでアーガスとエルアドラがTVをつけて見始めている。アーガスが物凄く驚いてうるさいので殴って静かに見ろと言っておいた


「あー何はなしてたか忘れちゃったけどまぁいいわ。ええっと・・報復は止めさせれるとおもうけど、その眷属の死体ってどうなってるの?」


「ああ、それなら・・・・」


アーガスが蛇の死体を取り出す。それを見たエルアドラ・・真央がふにゃぁといって気絶する

本当にアレが・・魔王だったのか?


「ああ、これね・・・」


レーナが手をかざすと、その蛇はゆっくりと動き出す

生き返った!?

そしてそのままレーナと視線を交わして、なにやら交信しているようだった


「うーん。あのねカンザキ、今この子の記憶と話を聞いててさ、この子が噛んだ女の子が居たみたいで、その子に毒死の呪いがかかってるのがわかって解呪したんだけど・・・」


「うん?ありがとう、ってそれでまだなにかあるのか?」


「あるっていうか・・その子運が無いわね・・襲われてるわよ。今」


「は?毒で動けないとかじゃなくて襲われている?」


「ええ、ただ・・・緑竜に護られているみたいだけどあまり良くないわね」


レーナはそういって、テレビにその映像を映し出す


そこには華麗に空を飛んで火炎をかわす緑竜と、その背中に子供が居るのが見て取れる


「なに!あれはわが一族の娘ではないか!」


アーガスが立ち上がって震える

そして襲っているのは巨大なドラゴン・・竜だ


「まさか!奴のテリトリーに入ったのか!?」


「なんだ奴って?あのドラゴンか?」


「奴はニーズヘッグだ!まずいぞ、アイツは唯の竜じゃない!」


アーガスにしては珍しく、焦っているな・・


「ニーズヘッグって・・まさかアレか!?世界樹の!」


「そうだ、かつてウルグインのダンジョンで世界樹を貪っていたがそれに気づいた猫さんが追い出したんだ」


猫さん・・・

ってそれどころじゃない!


「くそ、レーナ、今すぐそこに行けないか?」


「帰るの?向こうに?カンザキ帰りたかったんでしょ、日本に・・だからこのまま居ても良いんじゃない?」


レーナは真剣な顔で、そう言った


一瞬、カンザキの心は揺れる

確かに、渇望した。望んで魔王まで倒した。だが帰れなかった


「でもアンタのその顔は、帰らないわね」


カンザキはこくり、と頷く


「俺の目の前で・・もう誰も・・・死なせたくない」


これはエゴだ。誰かを助ける代わりに、モンスターを殺すし、このドラゴンだってきっと殺してしまうだろう

だけれど、それでも、助けを望む者が居ればきっと。カンザキに声が届けばそれは


「「意地でも助けたい」」


カンザキとレーナの声が重なる


「まったく、変わってないねカンザキ。まぁいいわ、送ってあげるわよ、でもまぁ、あの頃と違って良い顔するじゃない。じゃあ、また・・」


「ああ、いつかはきっと帰ってくるさ」


そうカンザキは約束をする


「とりあえず私の眷属も一緒に連れ帰ってあげて、この子こっちじゃ生きられないと思うから。それと真央には私からまたいつか帰ってくるって言っとくわね」


気を失って倒れているエルアドラを、レーナは優しい目で見ている

昔の様に・・憎しみで、殺そうとしている目ではなく、優しい瞳だ。


「頼む」


キィン


カンザキとアーガスの足元が光る

うっすら魔法陣が浮かび上がる

レーナの眷属の蛇が、ぴょんっとカンザキの肩に乗った


「んじゃ、話し足りないけど、行ってらっしゃい」



そう言って・・・レーナは、水戸玲奈はカンザキを元来た世界へと送り返したのだった




「ってうあぁああああああああああああああ!」


カンザキとアーガスが送り出されたのは空の上

ちょっと遠くに街が見えるあれはウルグインの街だ


そしてその手前、ニーズヘッグに襲われている小さなドラゴンがいて、その背中には女の子が乗っている


くそ、どんぴしゃの場所に転送してくれよ!

だがそれは違った

レーナはちょうどの場所に転送したのだが

ニーズヘッグと、その小さなドラゴンが速いからだと気づくまで時間がかからなかった


「アーガス、行けるか!?」


「ああ、手助けだけしかできん!わしは今本体じゃないからな!」


そういうとアーガスは竜魔法を唱える

風の竜魔法だ


「ほら、一気に飛ばすから頼むぞ、助けてくれよ!シル・・を・たの・・・」


声が遠くなる


カンザキはそのまま一気に、ニーズヘッグの元へ飛ばされていった

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