第22話 いちごのおパンツ♡
「……おい、起きろ」
…………。
「起きろと言っておる」
……………………。
「えーい、起きろったら起きるのじゃあ!」
――ドカッ。
「ってぇ……」
思いっきり蹴り飛ばされた衝撃で目を覚ますと、仰向けになっている俺に跨るようにして女の子が立っていた。
膝下まで伸びるふわっとしたピンク色の髪が特徴の、どう見ても小学○年生くらいの幼女が、両手を腰に当てて俺を見下ろしている。
いやその、ピンク色の髪って初めて見たわ。さすが異世界ならではだな。
そして、幼くも傲岸不遜なその面構えはどこか見覚えがあるのだが、今はまだ思い出せない。
「お主ら、ここで何をしておる? 一体誰の許しを得てここで寝泊まりなどしておるのじゃ!」
「へ? 誰の許しって、ここは街外れのただの野原じゃないのか?」
ドスッ!
「ごふっ!」
幼女の踵が俺のみぞおちに入った。
「たわけ、ここら一帯は我の土地じゃ! あそこに立ち入り禁止の看板が立っておろう!」
幼女が遠くに立つ看板を指差す。ここに来た時には、そんなものがあるなんて全然気が付かなかった。
「お主ら、まさかパイタケ泥棒ではあるまいな?」
「パイタケ?」
「そうじゃ。あそこの森にはパイタケというとても貴重なキノコが生えておるのじゃが、それを盗みにくる輩が後を絶たぬのじゃ」
やっべ。それってもしかして、ゆうべカレーヌードルに入れたあのキノコなんじゃ……。
「ん? どうしたのじゃ、大量に汗をかきおって」
「あの~……。ゆうべあそこの森で、松の木の根元に生えているキノコを採って、それを晩メシの食材にして食べちゃったんですけど……」
「何じゃと!? やはりお主らはパイタケ泥棒じゃったか! 許さん!」
幼女が再び蹴りを入れようと勢いよく足を持ち上げた。
「だあああ! ご、ごご、ごめんなさぁい! そんな貴重なキノコだったとは全然知らなかったんです! 本当です、本当なんです!」
幼女の足が、俺のみぞおちに決まるギリギリのところで止まった。
――ふぅ、助かった。
「あっ、いちご……」
フリルのついたワンピースの裾の中、持ち上げた足のその奥にいちご柄のおパンツが見えた。
幼女は見る見る顔を赤らめ、寸止めした足を再び大きく上げると、今度は容赦なく俺の顔面に蹴りを入れた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【あとがき】
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