第2話:偶然の出会い

 気が付くと、地面に倒れていた。立ち上がると、辺りのガードレールやコンクリートの塀が高い、いや高すぎた。


 廻りを見渡した時、ミラーに気がついた。そのミラーには、白くて小さいウサギの姿が写っていた。

姿を見た時は驚いたが、しばらくすると嬉しさが混み上がった。


「やったー!ウサギに生まれ変わったんだー。これで自由だ!」


叫んで跳び跳ねていたら、巨大な影が現れた。恐る恐る振り返るとそこには、図体が大きな男が二人立っていた。その男の手には虫取あみに似たような大きなあみを持っていた。


 ウサギはヤバイと感じて逃げたが二人組の男は、大きななあみでウサギを捕えた。


ウサギは必死に抵抗するが、抜け出せない。しかし、とっさの判断であみを前歯で噛み切った。すると、あみが破れそこから逃げ出すことが出来た。

 

着地した瞬間急いで目の前にあった路地に走り込む。


(ヤバイヤバイ早く逃げないと!)


路地を抜けると道が拓けた住宅街に着いて辺りを見回したら同じクラスメイトのミッチーが歩いていた。


(ミッチー!ミッチー!)


叫びながらミッチーの元に走って行った時、ミッチーと目が合った。ミッチーはウサギの元に駆け寄った瞬間、ウサギを背負っていたリュックの中にぶちこんだ。

 すると、ミッチーの元に二人の肌黒い男達が近づいて来て、一人の男が低い声で尋ねくる。



「ここの近くで小さな白ウサギを見ナカッタカ?」


「い、いえ、見てないです。何かあったんですか?」


「見てないナラ別に良い、お前もし見かケタラ、俺タチニ知らセロ!」


すると男達は、ミッチーの質問を無視して来た道を戻って行った。


「何だったんだ?ってか誰?」


 ミッチーは、男達を見届けると背中に背負ったリュックのチャックを開き、中にいたウサギに話しかけた。


「キミ大丈夫かい? っん?アザが結構あるね、僕の家で手当てしてあげるよ!」


ウサギを入れたリュックを背負ってミッチーは自宅に向かった。


 自宅に着くと、部屋の中にウサギをリュックから出して言った。


「今からご飯を作ってあげるね。外は危ないからここに居た方がいいよ。ご飯は毎日作ってあげるからここで暮らすといいよ‥‥」

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