~歪んだ青春 ~

バナナキング

第1話:少女マリア

 ある都市の高校に通うマリアと言う少女がいた。

その少女は、周りと干渉する事を嫌い、いつも学校の教室で窓を眺めて


「ウサギになりたいなー」


と、毎日呟いていた。


 そんな少し変わった少女も、学校の桜の木に桜が咲き誇る頃、高校卒業を向かえた。


しかし、その卒業は少女にとって季節感と正反対のものであった。誰とも笑い合うことも涙を流し合うことも無かった。そもそも彼女にとって卒業は、特別の日ではなかった。


 卒業式が終わり学校から家に帰っている途中、突然、地盤沈下が起こりマリアは穴に落ちて行った。


 気が付くと、とても心地よい白い空間に居た。


「ここは何処?」


疑問に思っていた。気配を感じ、振り向くと背後に一人微笑んだ姿の男性が立っていた。

マリアは、反射的に男から少し距離を置いて警戒した。


「お嬢さん怖がらないで、私は神様です。あなたを導きに来たのです」


意味不明なことに警戒したままマリアは答える。


「ここは何処であなたは何者?私をどうするつもり、まさか!?」


神は依然変わらず優しい顔の口調で答えた。


「大丈夫だよ。落ち着いて、私は神だよ。そしてここは天国との狭間だよ、そしてあなたは先ほど不運で有り得ない死に方をしました。そしてあまりに現実的な死に方ではないので今から復活させるとこだよ」


マリアは首を少し傾げて考えた。


「うん?だから、ここは何処であなたは何者?そしてあたしになにするつもり!?」


神らしき人物は、ハンカチで自分の額を拭いて答えた。


「もう一度言うよ?よく聞いてね。まずアナタは亡くなった。そしてここは天国との狭間の所で、私は神だからあなたを生き返らすことが出来るの。

お分かり?」


するとまたもや首を少し傾げて考えていった。


「は?‥‥、 だからさっきから聞いてるでしょうが! あなた誰!! そしてここは何処なの! もっと分かりやすく答えて!!」


とうとう神らしき男も驚き飽きれて、つっこんだ。


「いや何でやねん! よく聞いてね簡単に説明するから。まずアナタ死んだ。dead!分かる?そしてここは天空The Sky!分かる? で、ワタシ神!GOD!ワタシアナタを地上に還せれる!そしてアナタバイバイ!」


神らしき男性は必死にジェスチャーも交えて伝えようとした。


「うーん大体わかったわ」


神らしき男性もようやく落ち着いてひと安心した。そしてマリアはドヤ顔で男性に人差し指を向け答えた。


「つまり、 ここは何処か高い所で、あなたは、自称神様と呼ぶ感じ?そして私を拉致ってあなた私を売買するつもり!?」


「どゆこと!? なんでそ言う解釈をしちゃうの!?」


「残念ね、貴方には捕まらないわ絶対に!」


そう吐き捨てるように言い、振り返り反対方向に走って行く。みるみる遠くに離れて行く。焦って、男性は必死に止めようと説得する。


「待ってくれ! べ、別に元の姿だけに戻らなくても良いんだよ!何でも成りたいのになれるんだよ!」


そう言った瞬間、マリアは突然ピタリと止まって言った。


「何でも‥‥?」


「えっ?」


するとマリアは弾丸のように男性の元へとUターンした。

マリアは目を輝かせて言った。


「何でもって言ったわよね!」


「ああ、確かに言ったけど‥‥」


以外なことが起き男性もビックリしていた。男性は気を取り戻してマリアに尋ねた。


「では改めまして、ゴホ、 あなたは、次の人生で何に生まれ変わりたいですか?」


即答で、


「ウサギになりたいです!」


そう言った次の瞬間、男性は内心で驚いてつっこんだ。


(ウサギ!?てか今までの時間返せや! あっ、そういえばここ時間の概念無かったわ。)


「えっ? まあ、良いでしょう。しかし!人生はいくつもの道があります。その人生を変えるのは、あなた自身の選択です。後悔の無いように選んで行動してください。神はあなたを見ています。」



神らしき男性が微笑んだその時、意識がぼんやりと霞んで次第に辺りが暗くなった…、


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