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どうして私は、あの時思いとどまったのか。
どうして私は、この世界に残ることを選んだのか。
私、夢を思い出したんだよね。
みんなの前で踊って、演じて、歌って、書いて、
誰かの希望になりたい。誰かの心を動かしたいって。
まだ、大好きな仲間たちと一緒にいたいって。
大人になった自分を見てみたいって。
それを思い出したら、死ぬってどういうことかわかったんだ。
今じゃない。死ぬのは今じゃないって思った。
こんなに苦しいのに、あの時確かに、私は「生きたい」って思ったんだ。
私は自分の意思で、生きるって決めたんだ。
“死ねば全部忘れるからどうでもいい”って思ってたけど、そんなの間違ってる。
あと一歩踏み出せば死ねるって状況になったら、このまま電車に跳ねられても私は死ねないって、感覚的にわかった。きっと私の夢と温かい記憶が、私を死なせない。
軽く聞こえるかもしれないけど、愛と夢には人を生かすものすごい力があるんだと思う。
クラスや部活の仲間がいるから、一番の理解者であるママがいるから、芸術で自分と誰かを救いたいという夢があるから、私はあの時、生きることを選んだのだ。
私はまだ16歳。
死のうと思って、でも線路の前で思いとどまって、壊れた心のまま今も必死に生きている私が言えること。
苦しい気持ちを隠さないで。弱くていいから。
弱くても愛してくれる人はきっといるから。
みんなと比べてどうとか、ふつうじゃないとか、もうそんなのどうでもいいじゃん。
人生に意味があるのかは私にもまだわからない。
でも神様に創られちゃったんだから、とりあえず生きてみようよ。
生きるって本当につらいし、簡単じゃないし、現実もすぐには変わらない。
でももし、あなたに本当の家族や友だちがいて、心から好きだと思えるものや夢があるのなら、またはほしいと思っているのなら、まだ人生を捨てないで。
あなたの死を悲しむ人が、今この瞬間か、未来に必ずいるから。
未来に期待したくても、今がつらすぎるよね。
わかるよ、その気持ち。痛いほどよくわかる。
でも、本気で「生きたい」と思える出来事に出会う日まで、一緒に無理をして生きよう。
私たちは弱い。でも生きてる。
それだけできっと美しい。
私たちは美しい。ずっとずっと。
だからどうか、生きて。一緒に大人になろう。
大人は笑うかもしれない。
あんなに死にたいと言っていたのに、結局
エンディングはこれか、と。
よくあるやつじゃないか、何をそんな全てを悟った気でいるのか、と。
でもこれが、私の本当のメッセージだから。
“死にたい”って言うのも思うのも、全然悪いことじゃない。
でも本当には死なないで。
私は生きる。
苦しい日々と壊れた心に変わりはないけれど。
どうせまた死にたいと思うんだろうけど。
でもきっと、壊れた心は過去になるから。
いつか、「壊れた心で生きていた」って、
大人になった私が言う日が来るから。
また学校を休んだり、手首を切ったり、自分の見た目が嫌になったとしても、私は絶対に自分を殺さない。
私は誰かを救いたい。それと同時に、自分のことも引っ張り上げたい。
真っ暗な所から、人がいる明るい所に。
思春期の正体は、誰にも暴くことはできない。
一瞬で過ぎ去るであろうこの青い春を、私たちは懸命に生きる。
伝われ、この想い。
あなたの苦痛が、少しでも和らぎますように。
私たちは生きる。大人になれるかもしれないから。
いつか神様がくれたこの命に、感謝できる日が来ると信じて。
壊れた心で生きていた RIRI @ToteTote115
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