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そんなわけで高校生になり、今に至る。
振り返ったら、本当に色んなことを経験していた。
私は今、恋はしていない。ママと友だちと芸術を愛している。
あの頃と比べて私は、少しでも大人になれたのだろうか。なんとなく、自分がどんどん凶暴になっている気がする。
とにかく死にたいという思いが、脳内に溢れかえっている。死ぬことばかり、人生を終わらせることばかり、考えている。
死にたかったら死ねばいい。
私たちがよく聞く、または言う、「無理をするな」とは、無理に生きる必要はない、という意味ではないのか。
"生きてるのがつらいなら、死ねばいいよ。
無理して生きることないから。
あたしがあんたを、寝てる間に銃で撃ち殺してあげる。
あんたの好きなようにすればいい。
苦しいのは生きてるからだ。
じゃあなぜ、人間は生きるのか。
その理由が知りたいなら、生きればいい。
疲れたなら、もう耐えられないなら、死ねばいい。
あんたの命はあんたのもの。ご自由にどうぞ。"
あんたの命はあんたのもの。ご自由にどうぞ。
そんな風に言ってもらえたらな。
無理をするなの意味が、死んでもいいよ、だったらどんなに楽だったかな。
命を投げ出すのは悪いこと?
じゃあどうして、生きていたいと思える世界じゃないんだろう。
この世の全てを知りたい。
嘘で溢れているようにも思えるこの世界を、いつになったら私は、愛することができるのだろう。
生まれてくる前にさ、ほんとに生きる覚悟ができてるかみたいなテストすればいいのにね。
答える能力がないか。
でも人生って過酷すぎるよ。
自分で選んで生まれてきたわけじゃないのに、なんでこんなにつらいんだろうね。
不思議だね。ずるいよね。
でも、どうしようもないね。
せめて、自分がこの世界を愛せないって気づいた時、簡単に死を選べたらよかった。
だって私、死にたいの。
誰かに愛されたって、私の過去を知って泣いてくれる人がそばにいたって、それでも私の壊れた心は治らないんだよ。
私を甘く見ないでね。
その人たちのために生きよう、なんて思えない。
私っておかしい?かわいそう?
死にたい。
死ねないのはわかってるけど、言わせて。
凶暴になった私は、高校生になってから2度、警察に捕まった。
誰かに危害を加えたり犯罪を犯したわけではないけれど、明らかに自暴自棄になる瞬間が増えた。
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