政治に興味のなさすぎる夫の足利義政と金で人を操る妻の日野富子

 室町幕府の8代将軍足利義政(あしかがよしまさ)は、応仁の乱と銀閣寺(東山文化)で有名だ。


室町幕府 8代将軍足利義政

1467年 応仁(おうにん)の乱

銀閣寺 書院造の建築 東山文化


 足利義政は仕事嫌いで趣味に没頭するボンクラ将軍。


 そのおかげで書院造の慈照寺銀閣は建設され、東山文化が生まれた。


 金閣寺が金色のように、銀閣寺も銀色にしたかったが、戦乱の世でお金が足りなくて銀箔を貼れなかったというエピソードがある。


 しかし、最近の研究では、銀閣寺と呼ばれるようになったのは江戸時代で、もともと禅宗の影響を受けた簡素さがコンセプトで、銀を貼るつもりはなかったのでは? という説もある。


 そもそも応仁の乱はなぜ起こったのか?


 それは後継者問題にある。


 足利義政は政治に興味がないのと、息子がすぐに生まれなかったので(正確に言うと正妻の日野富子が産んだ子が夭折していた)、弟の義視(よしみ)に「次はおまえに将軍職を譲る」と言っていたのだが、そう約束したあとで、妻の日野富子(ひのとみこ)が跡継ぎである息子(義尚よしひさ)を出産しちまったから、さあ、たいへん!


 日野富子は当然、息子を将軍にしたい、弟は「俺が次の将軍って言ったじゃねーか!」で大喧嘩。


 周囲の権力争いも加わって、11年も続く応仁の乱になり、京都は火の海に。


「1467(ひとよむな)しい応仁の乱」と覚える。


 本当にむなしくて、これ以降、足利氏の力は停滞。


 足利義政の息子の義尚が9代将軍に。


 この背景には、母である日野富子の力がある。


 日野富子は実家が有力な公家で、街道の各所に関所を設置して通行料を徴収、高利貸しや米相場、大名達の賄賂などで金儲け。


 財力で天皇を味方につけた。


 同時代人からは「守銭奴」と言われた人物である。


 また、夫の義政は年上好きで(日野富子は年下ですが)今参局(いままいりのつぼね)という、もともとは自分の乳母だった熟女を側室にしている、けっこう変態。


 これが気に入らなかった日野富子はいちゃもんをつけて彼女を死に追いやっている(自殺したと言われているが、富子が暗殺したと考える学者も)。


 ついでに他の側室4名も関係ないのに追放。


 味方にすると心強いが、敵に回すと恐ろしい女である。


【コメント】


 以前読んだ本には「経理担当にするなら日野富子のような女性にすべき」と書かれていた。


 ヒトラーも、心理学を巧みに用いた演説を行っていたりと、歴史上の悪人であっても、学べる点は多い。


(落木奥弘様)


「経理担当にするなら日野富子~」笑いました。


 1円の誤魔化しも見逃さず、きっちり徴収してくれそうなイメージです(笑)


 コメントありがとうございます♡

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る