突然




2018年 9月



親友一家を見送った後、実咲は弦を連れてとある場所でアメリーと会っていた。今回は公務ではなく、アメリーも実咲も私服姿である。



「アメリー、本当に大丈夫なの?」



「何がよ」



「だってこんな・・・・・・」



「?」



「あんた今日本にいるのよ!なんでこうなった!」



話はこれより2日程前に遡る。沙羅達が日本からのお土産を置いて、再び出かけていってすぐ、アメリーが実咲達の邸宅に訪れた。



「アメリー、来るなら電話かチャットしてよ」



「いやあなんとなーく暇だったから・・・・・・ってあれ?それニッポンのオミヤゲ?」



「うん、さっきまでいた私達の親友家族が置いていってくれたやつ、てかなんでカタコトになるのよ」



「お菓子に調味料にふりかけに海苔に野球グッズも?いっぱい置いてったんだね」



「俊くん・・・・・・その親友家族のパパは日本のプロ野球選手だからね」



「へー、あ、三藤俊弥選手?ライオンズの!私知ってる!凄い、三藤選手は実咲の親友なんだ!ね、ねえこれ食べよ」



「あんたは遠慮ってもんをね・・・・・・まあいいか、弦さんと2人じゃ持て余すし」



「そうだね、アメリーが来てくれてよかったかも、ってか海苔って欧州の人は消化出来ないって聞いたけど」



「ほら私一応日系の血入ってるし、小さい頃から海藻食べても大丈夫だったよ」



「なら大丈夫か」



というわけでアメリーと3人で沙羅達がお土産に持ってきてくれた日本の食べ物を食べながら話す。




「私さ、日本語はママから教えられたり独学で色々調べたりして覚えたけど、肝心の日本には行った事ないんだよね」



「そっか、アメリーのママからしても日本人ではあるけど、実家は満州だもんね」



「うん、満州も日本と似てるって言うけど、日本に行った事ないから分かんないんだ」



これに弦もウンウンと頷く。



「それ俺も分かる気がするなあ、台湾は一応内地だけど、やっぱり本土の雰囲気とかと違うもん」



「一回でいいから日本本土行ってみたい・・・・・・いや待てよ、今から行こう!」



「「は?」」



「いいでしょ、どうせ私も実咲も今仕事落ち着いてるし」



「え、私達も?」



「いや、1人で見知らぬ海外の土地は流石にね」



「ってかそんな突然・・・・・・あ、なんかどっか電話してる」



数分後



「なんかよく分かんないけど私の上官と実咲達の方の許可も取れたわ」



「なんで?!」



「じゃあ後はネットで東京行きのエアチケット取って・・・・・・よし、行こう」




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「すぐ飛行機のチケット取れたのも疑問だけど、こんなあれよあれよと・・・・・・てか本当に許可取ったんよね?」



「うん、なんか深山大使と実咲の親友って人?が協力してくれたみたい」



「親友?あ、そういう事か・・・・・・沙羅のやつやっぱすげえ」



というわけで突然、日本に帰ってきてしまった実咲と弦、そして思い付きでここまで来たアメリーの3人はこれからどうするというのか・・・・・・































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