親友2




平成15年 4月 熊本県西久保町 西久保小学校



新入生の林実咲は晴れて1年生になって最初の授業と言うのに、少し浮かない顔である。

その原因を作ったのは、他でもない担任の教師であった。



「皆さん、林さんは軍人の娘ですので気を付けて接してください」



教師にあるまじき発言、実咲は何も言い返さなかった。父親の林駿地大尉の教えである「戦わない強さ」というのを守りたくて、だから彼女はあえて何を言われようとも腹を立てないようにしようと決めていた。

が、その発言に誰よりも腹を立てたのは、入学式で実咲と知り合ったばかりの、井浦沙羅という1人の少女であった。



「先生!いや、先生と呼ぶ価値もありませんね、今の発言は完全にみーちゃんだけでなく、みーちゃんのパパも侮辱するものです、撤回してください!」



「さらちゃん、よかよ」



「は?なんいいよっとやあんたは、完全に教育者としてしちゃいかんこっば先生しとっとよ!気を付けろってなんね?先生が軍人ばなんか勘違いしとるなら、あんたがよっと教えてやらんね!あんたのパパは誇れる海軍軍人だろたい?!」



「っ!・・・・・・うん、先生!今の発言は・・・・・・わ、私に関してとやかく言うのは勝手ですが、パパの事を変な風に言われるのは私、絶対に許しません!」



事ここに来て他のクラスメイト達からも担任に対し非難の声が上がっていき、遂に先生は深々と頭を垂れ謝罪したのであった。




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「そんな事もあったね」



「あれがあって私、本当に強くなろうと思ったんよね」



「私もさ、前世で自衛官の子が色々言われてるの見てきて、何も出来なかった負い目があったからあの時は何とかしなきゃって・・・・・・」



「本当、あの時の沙羅はむしゃんよかった・・・・・・その後も同じような事あってさ、沙羅だけじゃなくて俊くんも皆も助けてくれたりして・・・・・・」



と、その俊弥が弦と共に料理を持ってきて、4人の親友達は更に話に花を咲かせるのであった。















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