・
〈アキラ視点〉
しばらくすると小走りで陽兎が入り口から
入ってきて小声で「煌!」と呼ぶから
「あるよ」と笑いながら箱をレジに並べてみせた
ハルト「この派手なパッケージなんだよ!?」
アキラ「色々あんだよ!ジェル付きにするか?笑」
ハルト「ジェル??普通のでいいんだよ!!」
アキラ「薄々は…一発目はやめとこ…」
ハルト「煌!ヒナが外にいるから早く!!」
入り口をチラチラ見ながら「早く」と言う
陽兎が可笑しくなり
よく売れるオーソドックスなのをすすめた
アキラ「お姉さんと上手くいったんだな?笑」
ハルト「あー…うん…」
アキラ「年明けに焼き鳥屋で話聞くからな?笑」
ハルト「あぁ…笑」
陽兎の笑顔を見ると自分と重なり余計に
嬉しく思い「コレ開けとくぞ」と
パッケージに付いているビニールを剥がして
開封してやっていると…
入り口のドアが開く音が聞こえ顔を向けると
お姉さんがコッチを…俺の手元を見て
気まずそうに「外にいるね…」と出て行った…
アキラ「・・・・・」
ハルト「・・・・・」
お互い何も発さずに店内に流れる呑気な
有線音楽だけが耳に入ってくる…
アキラ「お前のお姉さんは…待てができないね…」
ハルト「・・・・犬っていうか猫だからね…」
陽兎は顔に手を当てて「もうッ!」と
言っていて少し気の毒にも感じたが
好きな相手とそうなれるなんて俺からしたら
羨ましい限りで笑いが出た
アキラ「まー…これでお姉さんも今日そうなるのは
分かっただろうから…いいんじゃね?笑」
ハルト「・・・・ただでさえ童貞なのに
こんな所まで見られたらいいとこないよ…」
アキラ「童貞にしかない良さもあると思うけど?
あっ!!コレ一応書いててやったから
浴室かどっかでコッソリ読めよ?笑」
そう言ってお姉さんが置いたままの
ビールとカップ麺の袋を渡してから
メモ紙とゴムは陽兎のポケットに突っ込んだ
ハルト「あっ!いくらだ?」
アキラ「コレは、遅くなったけど
俺からのクリスマスプレゼントだよ!笑」
ハルト「すげープレゼントだな…煌、また来年な!笑」
陽兎に今年の別れを告げてから
出て行く背中を見届けて
今度こそ上手くいくであろう
二人に「いいじゃん」と一人で笑った…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます