73日目

〈陽菜乃視点〉








週初めは朝起きるのも面倒くさく感じるけど

社会人である以上仕方のない事で…

ヘアセットも一つに束ねて飾り付きのヘアゴムで

簡単に終わらせて歯磨きをしながら

週末につけたピアスの事を思い出し

慌てて右耳から取り外した






桜に無くしたと言ってしまったし

何よりもつけていて健司からまた

ウサギとの事を問い詰められたり

別れろと言われるのが嫌だった…






ウサギとの関係もあと少しで終わってしまうし

出来れば楽しく過ごしたい…






「・・・・側にいさせて…」






日曜日の朝抱きしめられた

息苦しさから目を覚ました私は

ウサギが呟いた言葉を聞いてしまっていた…





外したピアスを眺めながら

友樹君から聞いたウサギのバイトについて

少し考えてカレンダーに目を向けた…





( ・・・・・・ )





スマホを取り出してある予約を入れると

LINEの通知が届きひらくとウサギからだった





【おはよう、早起きでしょ?笑】





まだ7時過ぎの今メッセージがくるのは

珍しく、本当に早起きねと思っていると

ウサギからの着信画面に切り替わり

時計に目を向けながら通話ボタンを押した





ハルト「おはよう…褒めて?笑」





ウサギの声は寝起きの少し掠れた声で

本当に今起きましたという感じだった






「偉い、偉い!!

 今日2限目からなんでしょ?

 早く行って予習・復習しなさいよね!」






ハルト「予習・復習って小学生じゃないんだから!笑」






「大学生もするのよ!!テストで泣くわよ?」






ハルト「朝からヒナのお説教聞いたら

  やる気なくなっちゃうから…

  可愛く「行ってらっしゃい」って言ってよ?笑」





「言ってほしいのはコッチよ!

 もう出ないと間に合わないからきるわよ?」






ハルト「相変わらず甘くないなぁ…笑

  しょうがないから俺が言うよ

  行ってらっしゃい」






「・・・・ちゃんと勉強しなさいよ?」






朝から電話なんて驚いたけど

夜に連絡ができない分、かけてきたんだと分かり

昨日のウサギの言葉が余計に頭から離れなくなった…






〝側にいさせて…〟






それは私も思っていた事だった…


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