71日目

〈陽菜乃視点〉





15時前には「お邪魔します」と言いながら

ウサギは現れてきた…





( お邪魔します…かぁ… )





部屋に入るとウサギはリュックから何かを

取り出してからゲーム機に挿れていた





コーヒーを二人分煎れて「ゲーム?」と

ウサギに問いかけながら近づくと






ハルト「そっ!!ヒナでも出来るやつ!笑」





「でもって何よ…でもって…」





ハルト「いいから早く座ってよ!笑」






ウサギが持ってきたゲームは

数人で遊ぶようの桃鉄のようなゲームで

「簡単だから!」と言ってゲーム内容を説明する

ウサギの手を見ると手の甲に擦り傷が何箇所が

あるのを見つけた






ハルト「ん?あー畑してる時かな?笑」





「・・・・・・」





私は立ち上がって薬箱を持ってきて

消毒をした後に液体絆創膏を傷口につけた









「酒屋??なんで酒屋??」





ユウキ「アイツが探してたバイトは週払いのバイトで

  居酒屋とかだとあるはあるんですけど

  土曜日も出なきゃだめだし…

 

  土日は用事あるからバイトは無理みたいで

  結局平日限定で居酒屋とか飲み屋におろす

  酒屋でバイトしだしたんですよ!」






「週払い・・・」

 

 




ユウキ「なんか月末までにお金欲しいみたいで?」







ウサギの手を見ながら酒屋のバイトで

瓶ケースを持ち上げたりした時にぶつけたり

擦れたりしたのかなと思った…






( ・・・・月末って事は多分… )






ハルト「ありがとう……ヒナ??」






ウサギは少しだけ変わった…

私をヒナと呼ぶし朝の「おはよう」から

夜の「おやすみ」のメッセージも変わらず届くけど

私にキスをしてくる事はなくなった…





あの抱きしめて寝た夜も…

いつもなら帰る前にキスをしてきていたけど

先週は何もしないで「また来週ね」と

笑って帰って行ったし…





「ただいま」と言わなくなったウサギに

少し寂しく感じていた…





近づき過ぎていた距離を少しずつ

ウサギが戻していっているのだろうと思い

私もそうしようと思った







「このゲーム私が買ったら食器洗いしてもらうわよ?笑」






ハルト「絶対無理でしょ?笑」







少し前の口煩い

年上のお姉さんに戻ろうと思った…




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る