70日目

〈陽菜乃視点〉






( ・・・・・・ )






ここ数日ウサギからの夜の連絡が減った気がする…

私と距離をおこうとしだしたのかとも思ったけど

朝から夕方にかけて届くLINEの量は

逆に増えているし…





友達の事だったり授業の事だったり

お爺さんと畑の写真を送ってきたりしている

平日の日中は仕事だし休憩時間とかにしか

返事ができないけれど開くと必ず3通位は

メッセージや写真が届いていた






( 夜何かしてるのかな? )







あの夜ウサギは残りの週末を

全部頂戴と言っていたけど

彼の言う週末は土曜日から日曜日にかけてらしく

土曜日にお爺さんの畑を手伝ってから

泊まりに行くと連絡がきていた





少し前なら、ラッキーと思い金曜日の夜を

一人で満喫していただろうけど

ウサギと一緒に過ごせるのもあと3週間で…






「・・・・まさか会いたいなんてね…」






週末でいつもより人通りの多い道を

トボトボと歩いていると「ネーさん!」と

声をかけられ振り返ると3週間ほど前に

バーで会ったウサギの友達の姿がある







「あー!・・・友樹君だ!!」






ユウキ「正解っす!笑 ブルー君とか言われたら

  どうしようかと思いましたよ」






「あれは酔ってたからね?笑 今日は一人なの?」






いつも週末は皆んなでいると話を聞いていたから

周りを見てもあのメンバーはいなく不思議に

思い尋ねると、友樹君は私の顔を何故だか

ジッと見ていて「ん?」と顔を傾けると

「あぁ!」と笑い出した





ユウキ「皆んなバイト始めたんですよ!笑」






「えっ!?バイト??」






ユウキ「俊は間違いなくネーさんの影響ですね?笑」






「俊君?・・草食男子の??」






ユウキ「ですです!!笑

  あのバーで飲む大人な自分が気に入って

  焼き肉屋でバイトしだしたんですよ!


  洸と悟も今日から居酒屋で

  初出勤してますよ!笑」






「焼き肉屋!?大丈夫かな?笑

 洸君達は一緒なんだね…仲良いねぇ…」






ユウキ「陽兎も水曜日から酒屋で働き出したし」






「さっ酒屋!?」

 





ウサギがバイトを始めたなんて聞いてなく

驚いたけれど、バイト先がまさかの酒屋で

さらに驚いた…





大学生と言えば俊君達みたいに

飲食店で同年代の子達と楽しく

バイトするイメージだし…

ウサギのあの顔で酒屋は意外だった…





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