私のラビット君…

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〈陽菜乃視点〉

仕事が終わりいつもより早足で帰宅して

バタバタとエプロンをつけてから夕飯作りを始めた

時計に目を向けると１８時４０分で

ウサギが来るまで少しあるなと思い

この前食べたいとリクエストをされた

ハンバーグを作りだした…

( ・・・・この前の雑炊のお礼よ… )

誰への言い訳なのかは分からないが

何度もそう胸の中で唱えながら作り終え

もうそろそろ来るであろうウサギを待っていると

壁にかかっているカレンダーが１０月のままに

なっている事に気づいて近づいた

「・・・・２ヶ月…あっという間ね… 」

長いと思っていた３ヶ月はもう半分以上が

過ぎて最後の１ヶ月になってしまったんだと

思いながら１０月のカレンダーをめくり１１月の面にした…

次の月の１２月の面を覗くと９月１日に私が

赤ペンで書き込んだ花丸のマークが１２月１日に

書かれていた…

「・・・・・・」

しばらくカレンダーを眺めていて

中々来ないウサギの事を思い出し

スマホで何か連絡が来てないか確認をするけど

メッセージは何も届いてなく

遅れるなんて珍しいなと思いながら

テレビの電源を入れてバラエティー番組を

見ながら待つ事にしたが…

８時を過ぎても現れないウサギが心配になり

何かあったのかと考えた

( ８時半と勘違いしてるのかな？ )

８時半まで待って見て来なければ連絡を

してみようと思い待っていたけれど

やはりウサギが現れなくて…

スマホを手に取りウサギにメッセージを

送ろうとした時にウサギからのカトクが届いた

【ごめんね、じーちゃんが体調悪いから今日は行けそうにない】

「事故とかじゃないならよかった…」

気にしなくていいよと返信を送ると

立ち上がってキッチンの方へと歩いて行った

連絡も遅かったし、お爺さん倒れたりでも

したのかなと思いながら作り過ぎた夕食を

タッパに詰めながら「ふぅー」と

安堵と少し残念な気持ちが混ざったタメ息を吐いた…