64日目

〈陽菜乃視点〉





木曜日のキャンセルの連絡依頼ウサギからの

連絡が全くこないまま金曜日が終わり

泊まりに来る約束の土曜日になったけれど…





一日に一回も連絡がないのは

付き合い出して直ぐに返事を返さない

私に怒って押しかけて来た日依頼初めてだった…






( お爺さんの体調そんなに悪いのかな? )






来るかどうか分からなかったけれど

一応泊まりに来た時ようにと昨日のうちに

買い出しとかは済ませていたから

布団を干したり部屋の掃除をしながら

外出せずに家の中で待っていた





今日は土曜日でいつもならお爺さんと

畑に行ってから来ていて15時から17時の

間位に来ていた…





夕飯は急に来ても直ぐに作れる様に

お鍋にしていたから早めに準備する必要もなく

ゆっくりしながら待っていると

いつの間にか眠ってしまっていた…





少し肌寒く感じて目を開けると

部屋の中はすっかり薄暗くなっていて

日が沈んだんだと分かりボーっとしていると





呼び鈴が鳴っている事に気づいてガバッと

起き上がり小走りで玄関に向かい扉を開けた






ハルト「あれ、もしかして寝てた?笑」





「・・・・うん、ごめんね…今起きた… 」






一週間ぶりに会ったはずのウサギは

何だかずっと会っていなかったような…

そんな風に感じる位に

彼が来るのを待っていたんだと分かった…





「お邪魔します」と部屋に上がって行く

ウサギの後を追って「お爺さん大丈夫?」と

おずおずと尋ねると…






ハルト「うん、ギックリ腰だから元気だよ!笑

  木曜日は急にごめんね…」





「命に別状がないなら良かったよ

  直ぐに夕飯の準備するね?」






そう言ってキッチンへ行くとウサギが

後ろからついて来て、また引っ付くのかと

思っていると、まさかの「手伝うよ」と言ってきた…






「えっ!?手伝う??ウサギが?」

 





ハルト「そんなに驚く?しかもウサギ呼びだし!笑」






「だっていつも見てるだけじゃない…」






ハルト「ん?そうだっけ?笑」







ウサギは隣に並んで

「何したらいい?」と手伝ってくれて…

彼氏と並んで何かをするなんて初めてで

最初こそ自分でした方が早いんじゃないかな

なんて思っていたけど…





楽しそうにしているウサギの顔を見たら

水が飛び散る床や、歪な形の野菜も

全く気にならなくなっていた…




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