第11話

〈ハルト視点〉








ハルト「まだいてよ!!約束したからね?」





仲間達から呼ばれてソロソロ日付が変わる頃だと

分かり陽菜乃とお酒を飲みたくなった俺は

帰らないよう伝えて後ろの席に戻り

20歳の瞬間を迎えてお祝いしてもらった





「サンキュ」と仲間に言いながらカウンターを見ると

立ち上がって店を出て行く陽菜乃の姿が見えて

慌てて追いかけようとすると友樹から呼び止められた






ユウキ「主役がどこに行くんだよ!?」


 




ハルト「悪い、でも追いかけなきゃ

    二度と会えなくなから

     せめて連絡先だけでも交換してくる!」







そう言うと「はっ?」と驚いた顔をした後直ぐに

ニッと笑い「コッチは俺に任せろ」と言って

財布を取り出し金でもくれるのかと見ていると

小さな正四角形の小袋を俺の手に握らせてきた…







ユウキ「20代へようこそ…

  ついでに童貞も卒業してこい!笑」






ハルト「バカかお前は!?笑」







手の中にある物を突き返そうとするが

「お守りに持ってろ」と押し返すユウキに負けて

ズボンのポケットに入れて「頼むな」と言ってから

お姉さんの後を追った…

 





彼女はもう見えなくなるギリギリの距離を

歩いていて走って追いかけていくと

途中で急に見失い「あれ?」と周りを見渡していると

コンビニの中にいる姿を見つけてホッとしながら

お姉さんに近づいて行き声をかけた







「・・・・戻れば…?」






ハルト「ちょっ! カッコつけて出てきたのに

     今更戻れるわけないでしょ??」






陽菜乃がお酒を買おうとしていたのが分かり

念願の20歳を迎えてお酒を飲める事を思い出し

一緒に飲もうと思った俺がお詫びに買ってと言うと

なんともまた素っ気ない返事が返ってきた…






なかば強引に押し切りお酒とおつまみを持って

陽菜乃の部屋へ上がり込むと、部屋の中は

シンプルで綺麗で……イイ匂いがする






女の子の家に上がるのは初めてではなかった…

高校の時に付き合っていた彼女の部屋に

何度かあがった事はあるし、大学の皆んなで

女子の部屋で騒いだりもした事はあったけど…






( ・・・・女の人の部屋だ… )


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