第3話
〈ヒナノ視点〉
彼の手に握られているグラスに目をやり
未成年の飲酒に関わりたくないと思い顔を背けると
ハルト「ただのウーロン茶だよ!笑」
チラッと顔を向き直せば「飲んでみる?」と
自分のグラスを傾けてきた…
「いや…いい… 」とだけ答えバックを手に取り
帰ろうとすると手を掴まれて「ダーメ!」と
可愛く笑う彼を見てフルフルと首を横に振った…
「・・・明日仕事だから帰る…」
ハルト「あと、少しなんだからまだ居てよ!」
「少し??」
彼の言葉の意味が分からないでいると
後ろから「陽兎!」と呼ばれて立ち上がり
ハルト「まだいてよ!!約束したからね?」
ウーロン茶と言い張るグラスを持って
後ろの席に戻って行った…
私は(約束なんてしてないわよ!)と思いながら
「マスター」と小声で呼ぶと…
マ「陽菜乃ちゃん、ちょっと待っててね」
と言ってるマスターの手にはケーキが見えた…
(誕生日?)と思っていると店内が薄暗くなり
後ろから「フゥー」と煽りの声が聞こえた後に
バースデーソングが聞こえ出した…
【happy birthday dear ハルト!!】
さっき彼が言っていた「もうすぐ」の意味が分かり
(そーゆう事ね)と思いながらも
この後もバカ騒ぎが続くのが予想できマスターに
チェックの合図を手で送りそっと会計を終わらせて
後ろの席を見向きもしないでパパッと外に出た
「ゆっくり飲めなかったしなぁ…」
別のお店に行って飲み直そうかと思ったが
さっきみたいな若者がいそうな気がして
コンビニの缶酎ハイで我慢するかと思い歩きだし
アパート近くのコンビニに寄りカゴを手に取って
飲料コーナーに向かった…
ハルト「ちょっと!!」
どれにしようかと眺めているとお菓子の通路から
突然現れた彼に驚いてカゴを落とした
「えっ!? なに…なんでいるの??」
ハルト「なにやってんの!
約束したのに何帰ってるわけ!?」
呆れたように落ちたカゴを拾って
私に差し出しながら文句を言っている少年が
何故ここにいるのか分からず
(さっきの仲間は?)と通路の間を覗くが
暇そうにスマホを触っているアルバイト君しか
目に入らなかった…
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