第五コスモ 怒りの炎! 伝説の怒りの炎が燃える! サイガー革命軍!
「ちっくしょうが! いくら倒してもきりがないったらありゃしないぜーッ」
俺は銀河を気ままに飛び回る賞金(バウンティ)首ハンター、ジャンゴ。
「ジャンゴ、でももうすぐでガンモガンモの銀河ガソリンスタードの入口よ。いったい何をしているの?」
この金髪でオッパイの巨大な女はギャルギャモ。ご覧の通り男勝りなおしゃまさんだ。
「俺は敵に囲まれたら敵を倒さずにはいられないタチなんだ」
「その元気は敵が現れたときのためにとっておきなさい。ホラ! もうすぐでガンモガンモ銀河のガソリンスタードにつくわよ」
「ちぇっ。現実もビデオ・ゲームみたいに簡単だったらいいのに」
俺が言うので、みんな大爆笑。
「子供なのに大人びたことを言うとは……」
ギャルギャモは自慢の黒髪をたなびかせながら色っぽくつぶやいた。
「見えてきたわよジャンゴ。ガンモガンモ銀河のガソリンスタンドの入口、ガソリンスタンド神殿が!」
「おーっついに」
宇宙戦艦ガルドナはガソリンスタンド神殿の駐車場に突撃する。
「お馬鹿さん!」
ギャルギャモがウィングしながら色っぽく言う。僕はドキッとする。ギャルギャモは華奢な体を屈強にしながらガルドナの宇宙ドアをこじ開けた。
そして俺たちはガソリンスタンド神殿にすすんだ。その前にギャルギャモが言う。
「ジャンゴ。ガソリンスタンド神殿で最も重んじられているものはなにかわかる? 違う違う、馬鹿! マナーよ! マナーが悪い客にはガソリンを入れてくれない」
「ゲッ 俺はマナーが苦手なんだよな。でも心配はいらないぜ。マナーは大得意だ」
「マナーをかじっていたことでもあるの?」
「何を隠そう、俺はマナー手術を受けたことがあるんだ。まぁ大丈夫だろ。まぁ昔取ったとりもちってやつだな」
「頼もしいジャンゴね」
そして俺たちはガソリンスタンド神殿にすすんだ。
「やぁいらっしゃいませ。私はガソリンスタンドのマナー長、ガッデム虫です。お二人をジャッジして、マナーが悪ければ追い払います」
「で、でかい!」
僕はびっくりするが、それを悟られないように静かに腕を組む。びっくりするのはマナー違反かもしれないからだ。
「こちらがお二人のマナーを試す部屋です」
案内された部屋は天井がトゲトゲ吊り天井になっているチンケな和室だ。
「へぇ、こんなチンケな部屋で俺たちを試そうっての?」
「これからご飯を食べていただきます。そのマナーが悪かったら出ていってもらいます」
「ご飯……?」
飛び上がるギャルギャモをひっとらえて地面に叩きつけ、僕はガッデム虫に尋ねる。
「ご飯って何だい?」
「それは出てきたあとのお楽しみさ……ハハーハ! 今更気づいても遅い! 俺はサタン直属邪悪四天王のガッデム虫! ククククク……ご飯をおもちします」
ガッデム虫は部屋の外へ走っていった。
「楽しみだねジャンゴ」
「そうね、ジャンゴはご飯では何が好き?」
「う、うるせぇやい!」
僕とギャルギャモは和気藹々とおしゃべりしながらチリドッグの到着を待つ。
「ご飯をおもちしましたけど……? ククク……アハーハ!」
扉を開いてギャルギャモが現れる。その手に食べ物を隠し持ちながら……!
「ウワーッテーブルの上においてくれーッ」
「フフフ……一品目はチリドッグです」
僕の目の前に出されたご飯はなんとチリドック!
「ゲッチリドックの食べ方にもマナーがあるのか!」
僕はびっくりする。
「チリドックはナイフで切り刻んでからフォークで食べるのがマナーです……あっ、しまったうっかりしゃべっちまった! クソ!」
ガッデム虫はペラペラしゃべった。
「ふふ、私の巧みな話術にのせられたわね。おとなしくマナーとフォークを出してもらいましょうか」
ギャルギャムは勝ち誇ったかのようにナイフとフォークを要求する。ガッデム虫はわなわなと震えながらも静かにナイフとフォークを取り出す。
「クソがーっ騙しやがって! ナイフとフォークって」
ギャルギャモはナイフとフォークを受け取り、それでチリドッグを破壊する。
「さて、いただくわね」
フフーフと笑いながらギャルギャモがフォークをチリドッグに突き刺し持ち上げて口に入れて食べたその時! ガッデム虫、大笑い!
「フハーハー!」
笑いをこらえて食って掛かる僕!
「何がおかしい!」
「よくみな! ギャルギャモを!」
僕はガッデム虫に言われた通りギャルギャモを見る!
「ジャン、ジャンゴ……私のマナーは間違いだったみたいよ!」
「ゲーッ!」
ギャルギャモの体に浮かび上がるマナー痕!
「馬鹿め! 俺が嘘をついたのに気付かずにナイフとフォークを使ってチリドッグを食べたのでマナーが失敗しマナーダメージをくらったのか!」
「なに! じゃあ本当はチリドッグを食べるときどうすればいいんだ?」
「立て続けに二品目ーッケケーッ食べろーッこのチャーハンをなーッ!」
突如現れるチャーハン! しかし僕はこのチャーハンの食べ方のマナーを知っている!
「なに!」
「チャーハンを食べるとき……普通の人間は一度にたくさんの粒を食べたいのでスプーンを使う! そこが落とし穴さ……チャーハンは食べないぞ!」
僕の答えはチャーハンは食べないこと。チャーハンは下劣な食べ物なので食べることは最低のマナー違反なのだ!
「グアーッマッ、マナー!」
僕のマナーが良かったのでガッデム虫にマナーダメージが跳ね返る!
「無理やりにでも食べさせてやる!」
ガッデム虫が飛び上がって僕の後頭部を鷲掴み、チャーハン皿に押さえつけようとする。
「グアーッやめろ!」
「ゲーヘヘジャンゴーマナーを軽んじた罰だーッ! チャーハンを喰え」
グイグイ僕を押さえつけるガッデム虫! チャーハンの臭さが僕の鼻を貫く!
「グググ……!」
「うん? ガガーハ! チャーハンを喰えーッジャンゴーッ」
「だ、だめだ……このままではだめだ!」
すると、どこからくまなく声が聞こえてきた!
「大丈夫? ジャンゴ」
「ジャンゴ大丈夫か?」
「大丈夫? ジャンゴ」
「この耳障りな声……駄目だ思い出せない!」
「ジャンゴ頑張れ」
「大丈夫か? ジャンゴ」
「ジャンボ頑張れ」
「あっこの声は今までの旅で出会ってきたたくさんの仲間たちだ! その声が俺にパワーをくれるんだな!」
「なにっこのパワーッ! 何このパワー?」
僕は僕をチャーハンに押し付けようとするガッデム虫の手を押し返す!
「ゲッなんだこのパワーッ」
ガッ虫はびっくりし、ますます押し力が弱まる。僕はどんどんその手を押し返す。
「これは仲間たちとの絆により生まれる仲間パワー! つまりお前への憎しみのパワーだ!」
「パ、パワワーッ」
「いでよ! 友情ジャベリン!」
突如叫びだす僕の手に都合よくジャベリンが出てくる。
「げっ友情シャベリン! なんて怖い」
ガッデム虫がおびえてすくみ上る! その様子を見てほくそ笑むジャンゴ!
「お前の最大の弱点が友情ジャベリンだったとは……くらえ!」
しかしガッデム虫が突然狂ったように笑いだす!
「ハーハ! クソ、友情ジャベリンか……怖い!」
僕は友情ジャベリンを使ってパンチを百発お見舞いする!
「マナーの果てまでぶっ飛んでいけ!」
最後の百発目のパンチでガッデム虫がぶっ飛んでいく!
「いつの時代もマナーを強要してくるクズはジャベリンで腹を貫かれてパンチを百発食らう運命にあるのね!」
僕はこくこくウナづく。
「マナー守り いい気分 マナー守らないジャンゴ現れ台無し」
ガッデム虫の辞世の句が響き渡る!
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