第4バトル 恐怖の怒り! 伝説のサイバー革命軍!
「どうしたジャンゴ。ガソリンを手に入れなくていいのか? 手に入れろ……ガソリンを!」
夢の中で聞こえた声によって目を覚まして飛び起きる俺、ジャンゴ。
「グアーッ! なんだ夢か」
汗がびっしょり出ていて、最悪の目覚めだ。ホテルの部屋がアハハハーッと鳴る。
「そうよ。夢なんか見て何様のつもり?」
「ちぇっ、夢を見ただけでこんなに嫌なことを言われるんだ!」
僕は口をとがらせる。
「フフフ……うふふあは!」
お腹を抱えて転げまわりながら僕をあざ笑うギャルギャモの姿を見ていると僕の口はどんどん尖っていく。
僕とギャルギャモはガソリンスタンドへの遥かな旅路に備え、コーヒー屋さんの隣のホテルの部屋を借りてそこで野宿をしていた。一か月ぶりのふかふかベッドで眠ることができて僕はとてもすっきりしていた。
「もう行きましょう。ガソリンスタンドへ行くのよ! そのためにはホテルの外に行かなくちゃ。あれ? ドアが開かないわ! キーッ」
ギャルギャモはドアを開けようと必死にドアノブを引っ張るがドアが開かない。
「どけよ。そのボロボロの体じゃドアが開かなくてもしかたがないぜ。俺に代われ!」
僕はドアを開けようとドアノブを引っ張る。
「あれ? ドアが開かないぞ! キーッ」
なんと俺がやってもドアが開かなかったので僕は非常に驚いた。
「そんなことよりジャンゴ、上を見て!」
「なに? あっゲーッ」
なんと! 天井が吊り天井になっていたのだ。しかも天井にトゲトゲのトゲがついている。もしあの吊り天井が下りてきたら僕たちは二人ともお陀仏になって死んでしまう!
「見てジャンゴ! 吊り天井が下りてくるわ!」
吊り天井が下りてきた!
「くっそーッ止まれーッ」
僕は吊り天井にリンゴを投げつける。バチバチバチッと音が鳴って林檎が燃えてケシズミになる。
「げっ、トゲに十万ボルトが!」
トゲの電気をくらったら俺たちは二人ともオシャカになる!
「ジャンゴどうする? あの吊り天井が下りてくるまでにあの吊り天井をなんとかしなくちゃ!」
「黙れーッ! 今それについて考えてるんだ! そうだ!」
僕は頭を抱えて困ってしまう。
「ふふふ、悩め悩めジャンゴ。お前が悩んでいる間にも吊り天井はどんどん下りていくぞ」
「何者だ!」
突如現れた声の主を探して部屋中をきょろきょろ見回す。
「あそこをみてジャンゴ!」
ギャルギャモの声が聞こえ、僕は驚いた。さらに彼女の指が指し示す先を見てもっと驚いた。鬼のような形相のバビブベ・ブーがツボのふりをしている。
「何者だ!」
「俺は毒サイ軍団のリーダー、バビブベ・ブーだ! お前が吊り天井に潰されて死ぬのが見たいと思っていたら、ちょうどよく俺の経営するホテルにお前がやってきたのだ。しかもおあつらえ向きに吊り天井部屋に泊まりやがったので、笑いがとまらなかったぜ」
「クソ、昨日の夜からずっと聞こえていたのはその音だったのか。ツボのふりをしていたので俺たちは気づかなかったってわけだ」
「その通りよ! それにしてもどうやったら吊り天井が止まるのかしら。あっジャボ、あいつを殺せば吊り天井は止まるはずだわ!」
「確かに! ぬかったな! 謀ったな! ジャンゴパンチ!」
僕はパンチの準備を始める。
「馬鹿め! そんなことはない! 俺と吊り天井の動きとは無関係だ!」
「エーッ!」
僕は驚いてパンチの準備をやめてしまう。その間に吊り天井はますます下りてきた。
「グハーハ! 吊り天井が下りてきてお前を串刺しにするのは時間の問題のようだぜ、ジャンゴ!」
「グアーッ! トゲがーッ」
「もう刺さったみたいだな!」
僕の体にトゲ天井が突き刺さる!
「くそがーッいったん横になろう」
僕はトゲを回避するためいったん横になった。しかしその時! 吊り天井がまた下りてくるのだ!
「グアーッ! トゲがーッ」
「ジャンゴ大丈夫?」
ギャルギャモが尋ねてくるが僕はそれどころじゃないので無視する。しかし、僕は大丈夫な理由に気付いたので返事をする!
「大丈夫そうだ!」
「なんで大丈夫なのジャンゴ?」
「あれを見な!」
「あっベッドが引っかかってこれ以上トゲ天井が下りてこれないわ!」
「馬鹿めベッドを片付けてやる!」
バビブベ・ブーがベッドを片付ける。
「グアーッ」
ベッドがなくなったのでますます僕の体にドゲが突き刺さる!
「ジャンゴ! 今度こそ駄目そうね!」
「そうだぜジャンゴ! お前はもうだめだ! ハハーハ!」
ギャルギャモはへなへなと僕の体の上に崩れ落ち奇麗な涙を流す。バビブベ・ブーはその隣で奇麗な涙を流す。
「ジャンゴ! 大丈夫?」
そしてギャルギャモはそのまま僕のからだをゆさゆさする。
「揺すらせないぞ!」
バビブベ・ブーが僕の体を押さえつけてギャルギャモのゆさゆさを止める。
「ケッ、僕の体は揺すりボールじゃないぜ」
僕は小粋なジョークをいうと、バビブベブーがお腹を抱えてけらけらと笑う。
「隙あり!」
僕はその隙にバブビベブーの膝にキックを繰り出す!
「ギァーッ! やめろ! キックするな」
「キックと言われてやめるバカがいるか! ドガ! ドガ!」
僕はキックを繰り出す! バビブベブーの膝にキック痕がついていく!
「そうだわジャンゴ! バビブベブーにキックをして時間を稼いで、吊り天井をどうすればいいのか考えればいいのよ!」
「名案だぜギャルギャモ。ドガ! ドガ!」
「グーエ!」
しばらくどうしようかなと考えているうちに僕はポケットに素敵なものが入っていたのを思い出す。
「そうだ! ギャルギャモ! 僕のポケットをまさぐってくれ!」
「わかったわ!」
「まさぐらせないぞ!」
バイッブベ・ブーがギャルギャモのまさぐりを阻止しようとする。
「おっ、そうは問屋が卸さねぇーッ! ドガ!」
僕はバビブベブーの膝をキックする!
「ギャーッ膝が!」
「これで大丈夫」
「行くわよ! ウォー! まさぐるわね」
ごそごそポケットをまさぐり、お目当てのものを見つけて、引っ張り出すギャルギャモ。
「あっこれはつっぱり棒ね!」
「その通り! ギャルギャモ! つっぱり棒を吊り天井と床の間につっぱらせるんだ!」
「おっけー」
「ゲッゲーッ!」
つっぱり棒によって助かった僕は立ち上がってからバビブベブーをすくすくにらむ。バビブベ・ブーはにらまれるのがいやで視線をそらしていたが、そのうち狂って笑いだす。
「アーハッハ! ジャンゴはつっぱり棒によって助けられるとはまさにこのことだな」
「ジョークが好きなようだな。」
僕は冷静沈着なのでパビブベ・ブーがジョークが好きなことを瞬時に見抜く。
「べ、別に」
「だがこのジョークはどうかな!」
ギューンとデビルブレードをギラギラひけらかす俺、ジャンゴ。バビブベブーは冷や汗をドバドバ噴き出す。
「ゲッどんなジョークなんだックソが」
地団太を踏むデビル・ジョー。
「これはジャンゴ一族が持つ伝説の妖刀ゴリ谷……早く100人目の血を吸いてぇと騒いでいるぜ!」
俺は刀を舐めながら言う。舌が切れないように、持ち手の部分を!
「ゲーッ、あの妖刀で切られないためには逃げるしかない! とげババア」
偶然近くにいたおばあちゃんを突き飛ばしてバビブベブーが逃げていく。
「何よこのサイ!」
「まてゴリ谷が騒いでいるぜ血が吸いたい100人目のなってッー」
僕は素早く走り出してバビブベブーに追いつく。
「げっどうして追いつかれたんだ!」
「周りをよく見てみな!」
「アッ! ホテルの部屋は狭いので遠くまで逃げられないのか!」
バビブベ・ブーはびっくりして腰を抜かす。
「さっ。お前ほど占い師なら、これから自分がどうなるのかわかるだろ?」
心を鬼にして残酷な笑みを浮かべながら俺が不敵に笑う。
「ググ……」
「これさ!」
僕は自分のブレーキランプを5回点滅させる。
「ぶ・っ・と・ば・す」のサインだ!
「か、金なら出す! 命乞いもする! だから助けてくれ!」
バビブベブーが情けなく命乞いポーチを取り出す。僕は自分のブレーキランプを5回点滅させる。
「ゴリ谷が早く100人目の血を吸わせろといっている」のサインだ!
「ゲーッそれはうわーっやめろーッ」
「だめだぜ!」
ドガッガーン! 突如響き渡る爆音!
「何の音だ? まぁいい! 死ね!」
「まて! 今改心した! 弱いものいじめやホテル経営は悪い事なんだ! すぐにやめる! ばかめ! 隙あり油断したな! 誰が改心するか! キエーッ! 不意打ちしてやる! グオーッ!」
「死ねーッ」
ゴリ谷の一閃。静まり返る病室。魅力的な俺。
「エャース!」
ぶっ飛ぶバビブベブーの首。それでもまだ妖刀・ゴリ谷はまだ叫んでいる!
「今ので4人目……残り96人……!」
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