第4話 走行会での出会い
私は愛車に乗って愛好会の走行会に参加した。
いつものお気に入りキャップをかぶり、後ろからポニーテールを出してポロシャツにジーンズとスニーカー。服装と気分は大学生といったところだろうか。いつものメンバーの所へ車を寄せて駐車すると挨拶におりる。
「今日はよろしくお願いします」
みんな思い思いに車をドレスアップさせているのでお互いの車を見て回ると私の車で足が止まった。
「美彩ちゃん、これはどういう趣向?」
そうだ、下ろすつもりが無かったから載せていたけど、確かに変だよね!
「えっと、なんだろな」
「誰か乗せるの?」
「あっ、そうなんです。まだ百センチしか無くて、それで用意しました」
「なんだー、実は子持ちなのかと思ったよー」
「そうですよね、えへへへへっ」
まったく後ろめたい所は無いのに慌てて変な空気になってしまった。そのうちに全員が集合場所に集まったところでゴールの高原に向けて出発した。
私も中ほどの走りやすい位置で一緒に走った。
いつもよりも走りやすいし気分良くゆったりとした気持ちで走れる。たぶん、前後を走る人たちのアクセル操作やハンドル操作が上手なんだと思った。
高原の広い駐車場に到着すると皆で写真を撮った。今回は三つのグループの合同開催なので総勢は七十名はいるだろう。
集合写真の次は数台ずつ車の写真を撮り、そのうちの何台かは取材もしていた。これらの写真は後日、冊子化されて一部はネットにもアップされるんだそうだ。
今回の参加者の中には姉妹で参加している一台があった。姉が私と同い年ぐらい、妹は二十代後半だろうか。お揃いの薄いブルー地に紺のストライプが入ったツナギを来て、頭にはキャップをかぶっていて二人ともカッコいい。もちろん取材者の目も惹いて車のこだわりポイントなどを聞かれていた。
それからひと通りの団体行動が終わると昼食の時間となり、各自解散となった。私は一人で後から帰ろうと思い、駐車場で待っていた。他の人達は次々と離れていく。その中にさっきの姉妹がいた。
何だか助手席に誰かが乗っているのが羨ましくて見ていると、信号待ちの時に妹が姉にキスをした。私には見間違えようが無かった。なぜなら唇が重なった時、妹と私はしっかりと目が合ってしまったから。
二人の車は走り去ったが、私は身体が熱くなり立ちすくんでしまった。
帰り道は危なかった。信号で止まるたびに妹の熱っぽい目付きが目の前に浮かんで身体が熱くなる。
あんな顔するんだ……
私にもして欲しいな……
いつものコンビニに立ち寄るとまだ夕方だった。翌朝の食事を買うとガレージを目指した。部屋まで戻ると結構疲れていた。早朝にガレージを出発して走行会に参加して、そのゴール場所からガレージまで帰ってきたのだ。随分運転した。
服を部屋着に着替えて、クッションを枕にしてに寝転がると、すぐに眠ってしまった。そして夢の中で再び昼間の二人組の妹に会った。
彼女はいたずらっぽい微笑みを浮かべながら唇を寄せてくる。そして唇が合わさるところで消えていなくなる。私はそんな彼女を探し回る。でも見つからなくて自分の指を咥えて悶える。
私が眠りから目覚めると、片手が口に入っていた。夢の中で指を咥えたように束ねた指先が全部入っている。そしてもう一方の手はショーツの中へ入っていた。
そんな所に触れるのは久しぶりだった。でも今日は夢に見るぐらい欲求が高まったのだろう。まだ誰にも触らせた事が無いそこを思うままに触り、口に差し込んだ指で妹さんを思い出しながら欲求を満たした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます