43日目
猫と子ドラゴンの疑似親子を見送って、生き物は散乱した家の片づけに取り掛かった。
割れた瓶から溢れたものをいったん隅に追いやって、新しいガラス瓶をパントリーから取り出した。
ガチャガチャと瓶を数個腕に乗せて、よっこらしょと机に乗せた生き物は、床に散らばった鉱石を摘まんでは埃を払って瓶に放り込んでいった。
カランカランと小粋の良い音を立てて、色とりどりの鉱石が瓶の中に詰められ、光を受けて輝いている。
窓際に置くと部屋が虹色に輝いた。
満足げに生き物は鼻を鳴らすと、次の物を詰める作業に取り掛かった。
ゆったりとした時間が流れる。
途中、何度かお茶を口に含みながら作業をした生き物は、太陽が真上に上ったのを見て、体を伸ばした。
部屋はまだ散らかっているが、作業の終わりは見えてきた。
思ったより復旧は早そうだと喜ぶ生き物は、転がった角砂糖に息を吹きかけた。
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