29日目
昨日助けることを決めたドラゴンの翼の傷に、特製の傷薬を塗りこむと生き物は、慣れた手つきで端切れを裂いて作った包帯を巻いた。
塗り薬を塗りこまれると「ギャァ」と奇声を上げるが、それ以外は大人しい子ドラゴンに、敵対の意思がないことを確認して、生き物は小屋に戻る。
いくら子供でもドラゴンサイズは小屋に入れられない為、玄関先に藁をひいて寝かせることにした。
藁の上でくるんと丸くなる様はドラゴンでありながら猫のようだ。
小屋に戻った生き物は、大きな手で小さな小瓶を手際よく集めていく。
この地に生まれ育った生き物だからこそ知っている薬草の数々を集めて詰めた物だ。
それらを鍋にぶち込んで、水を入れてゆっくりと煮詰めていく。
特製の薬膳スープを作ろうというわけだ。
途中強烈な匂いが漂い始めたが、目を瞑り生き物は真剣な顔でヘラで鍋をかき回していく。
その様子を窓から覗いていた子ドラゴンは、窓の隙間から漏れる強烈な匂いに「ギャァ」と奇声を上げた。
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