第298話 もう1人の重要人物(+9章予告)
----幻の大陸、レムリア大陸。
そこでダブルエムと戦っていた、空海大地。
彼はもう1人の自分、天地海里と向き合い、自身と共に
はじめは融合したのを見て、的が1つになってやりやすくなったと軽く見ていた、ダブルエム。
しかし彼女が【絆の世界】の効果----周囲に居る者達に自らとの絆を上げ続ける。簡単に言えば、近くに居れば居るほど、マイマインの事を仲間として好きになっていくパッシブスキル----である事に気付いた時には、時すでに遅し。
「なんて恐ろしい#スキル なんですか、#【絆の世界】」
「「俺/私のことがようやく分かってくれたようで、何よりだ! ダブルエム!」」
「えぇ、#びっくり するほどに」
【絆の世界】、それは
いまマイマインの頭の中には、彼と共に親交を深めた嘘偽りでしかない記憶が、嘘偽りない真実の記憶として脳裏に刻み込まれていた。
ともに、悲しみ。
ともに、怒り。
ともに、喧嘩し。
そして----ダブルエムの頭には、そこで得た感情がしっかり刻み込まれていた。
「「凄いだろう! 俺達/私達は、もう友達だよな!!」」
「……あの、ですね。なんか#お腹 が#動いている 気がするんですが。実質、#想像妊娠」
なんか小刻みに動いている感じがして、ダブルエムはもう
----というか、攻撃しようとすると、(想像上だが)お腹の子に止められてる気がして、ダブルエムは攻撃できない気がするのだ。
「「赤子?! 俺/私の子なのか、その子は?!」」
「#想像妊娠だ、と言っているんですが……。まさか、【絆の世界】は#精神と共に、#肉体にも変化を 与えるスキルなのですか?」
「「そっ、そんな事はないぞ! 多分……」
「多分」という言葉に、若干ながら不安を覚えつつ、その不安が【絆の世界】による好意に上書きされるダブルエム。
「これが、#感情 ですか……」
「「なにその、初めて感情を知ったロボットのような感想」」
「元々、私は#
そんな感情未発達なダブルエムにとって、マイマインの【絆の世界】は天敵だと言える。
なにせ、もう彼女の中でマイマインは敵ではなく、味方……それを越えた家族とも呼べる存在なのだから。
「「不老不死なんかより、ずっと良い物だろう! 感情は!」」
「……昔の私なら、絶対に#"
そんな成長を、少しながら微笑ましく感じるダブルエム。
「はぁ……私の敗北ですね。まさか、精神で絆しにくるとは」
「「この調子で、絶望スカレットなるお前の
マイマインの頭には、絶望スカレットとの戦いにも勝利する未来が見えていた。
元々、空海大地と天地海里の2人は、レベルⅩの【勇者】という最高峰に位置する。
そんな2人が融合した結果として生まれたいまの姿は、恐らくながら最強といっても過言ではない。
「「あいつの能力、【無限の距離】。"相手と自分との間に、無限の距離世界を生成することが出来る"によって、攻撃が永遠に辿り着かない、でしたっけ?
あれですら、この俺/私でなら、対処可能だ。あいつを倒せば、この【街】の計画は止まるんだろう?」」
魔王を倒せば、世界が救われる。
まるで今回の出来事をそれと同じように考えているマイマインに対し、
「……いえ、今回の【街】の計画を止めるには"それじゃ足りない"。
"もう1人"、この計画の重要人物が居るのですから」
マイマインはそう告げる。
「【街】所属の冒険者、
----"サエジマ・ワタル"。それが、もう1人の重要人物の名前です」
(※)失楽園サエジマ・ワタル
【街】所属にして、レベルⅦの【召喚士】
かつては平凡な学生であった彼は、ある日、親友の網走海渡と下校途中に、空海大地の帰還によって生まれた次元断裂により、死亡。のちの再構成により、冴島渉は2人に分かれてしまう。いわば、赤坂帆波と同じく、空海大地による被害者の1人
【街】では重要な立ち位置を占めており、ダブルエム曰く「絶望スカレットと同じく、止めなければならない相手」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【第9章 予告】
※この予告はあくまでもプロット段階でありまして、ご意見要望、あと作者の気分次第で変わる可能性があります。むしろ変わって欲しい!!
冴島渉は、冒険者である。
雪ん子と共に、【召喚 レベルアップ可能】を得て、彼は強くなるための力を得た。
サエジマ・ワタルは、被害者である。
絶望スカレットの手を取り、今までの生活に戻れない覚悟をして、彼はおぞましい力を得た。
2人が交わる時、それはまた1つの物語が動き出す時----。
次回----第9章。
『失楽園のツクり方』、または『冒険者サエジマ・ワタルの章』。
「----召喚」
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