第205話 【海の美声】
~~前回までの あらすじ!!!~~
【召喚士】のレベルをⅤにするための、【召喚士】レベルアップ大会試験に参加する事とした、冴島渉。
試験官は、【三大堕落】の【どん底】担当である、ビーワンちゃん。
彼女は卑怯な手段で、いきなり雪ん子をぬいぐるみ化されてしまう。
そして、ココアとマルガリータの2人と共に、反撃を開始する。
一方で、実はダンジョンの外に逃げていたビーワンちゃんは、とある人物と邂逅していた。
その人物の名は、冴島・D・エリカ。
【三大堕落】の中で唯一、冴島渉を幸せにするために呼び出された幹部であった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
バンッ!!
「やらせは、せんのじゃよ!!」
またしても放たれたおもちゃ化の弾丸を、ココアが魔法によって壁を作って止める。
あらゆる物をぬいぐるみに変えてしまう弾丸は、ココアの魔法も例外なくぬいぐるみに変えてしまう。
「もっとも、この魔法をぬいぐるみに変えても、妾達には"のうぷろぐれむ"じゃがのう!」
ふんわり、ぬいぐるみと変えられた魔法は風に揺られて飛んでいく。
ココアが生み出したのは、【妖狐】の力によって、風属性へと変えられた土属性の魔法、【アースウォール】。
魔法の効果はずばり、相手の攻撃を防ぐ土壁を生み出すことなのだが、風属性へと変えた事により、ぬいぐるみになってもふわふわ浮かぶ無害な物となっていた。
その上、ある程度の高さ以上は浮かばないため、ぬいぐるみ状態でなお、壁として機能していた。
現に、ぬいぐるみとなった後も、その土壁の魔法は数発のぬいぐるみ弾を受け止めていた。
「よしっ! マルガリータ、方向はあちらじゃ!」
「分かったよ、妾の姉御! あっちだねっ!」
銃弾がどこから撃ち込まれたのかを、土壁で確認したココアは、妹に方向を指示する。
そしてマルガリータはその方向に向けて、すーっと大きく息を吸う。
「(分かってるさ、ビーワンちゃん。あんたがすぐさま色々な場所に行けるって言う能力を持ってるのは)」
マルガリータがその方向に向けて、息を大きく吸って溜め攻撃しているのを見れば、すぐさま別方向に逃げるというのは予想できる。
その方向は俺達には分からんが、
「(このマルガリータの溜めが、遠距離攻撃だと勘違いさせられたのなら、成功だぜ!)」
すーっと、十分な息を吸ったマルガリータは、そのまま大きな音として吐き出す。
「~~~♪」
言葉ではなく、ただのメロディー。
マルガリータが口にしたのは、ただ綺麗な音。
「なっ……?!」
その声に引きずられるようにして、俺達の前に、"ビーワンちゃんが現れた"。
「妾の妹の声は、綺麗じゃろう? そりゃあもう、隠れる事も出来んじゃろうな?」
「いきなり引きずり出されたちゃん、には驚きましたが、また逃げれば……って、逃げられない?!」
ビーワンちゃんは再び、俺達と距離を取ろうとしたようだが、そういう訳には行かなかった。
そりゃあ、そうだ。逃げられるわけがない。
なにせ、それこそ【
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【
ギリシャ神話に登場する、美しい人魚セイレーンを模したスキル。歌声が綺麗な、女性のみが使用することが出来る
息を吸った時間と量に応じて、対象を自らのコンサート会場、自身の声が聴ける場所に招待する。招待された者達はスキル発動中、コンサート会場から出る事が出来ない
===== ===== =====
このスキルは、マルガリータが新たに手に入れたスキル。
今回のように隠れた相手や、距離を取る相手に対して効果を発揮するスキルだ。
逃げる事も、隠れる事もさせないというこのスキルで、対象は直接の戦闘を強いられる。
弱点があるとしたら、マルガリータが声を出し続けてないとスキルが終了してしまうため、マルガリータはこのスキルに集中するために攻撃出来ないというところか。
「じゃから、妾が代わりに攻撃するんじゃよ!
----属性変更! 風属性版の【フレイムアロー・乱れ打ち】じゃ!!」
そう言って、ココアは素早さ自慢の風属性と化した、フレイムアローを何発もビーワンちゃんに目掛けて放つ。
ビーワンちゃんはそれを防ごうとするも、もう遅い。
----パリンッ!!
ビーワンちゃんの頭のお皿は、魔法によって砕かれた。
そして----試験は終了したのであった。
===== ===== =====
緊急大会 【召喚士】レベルアップ大会試験
勝者 【召喚士】冴島渉
勝利したことにより、勝利者報酬が支払われます
勝利報酬①により 冴島渉のレベルをⅢからⅤへ変更
レベルⅣになったことにより スキル【合一召喚】を 取得します
レベルⅤになったことにより スキル【主従同等】を 取得します
勝利報酬②により 召喚獣1体を 贈呈します
召喚獣 【上級悪魔=冴島・D・エリカ=】を 取得します
勝利報酬③により スキル【
【合一召喚】;【召喚士】のみ発動可能なスキルの1つ。2体以上の召喚獣を1体の、合一召喚獣として召喚します
【主従同等】;【召喚士】のみ発動可能なスキルの1つ。召喚獣のレベルが自身のレベルよりも低い場合、召喚獣のレベルを自身のレベルと同一にします。ただし、召喚獣のレベルが自分よりも高い場合、このスキルは発動しません
【
===== ===== =====
そして、俺達は無事、試験を乗り切ったのであった---。
『くるっくぅ~』
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