第134話 第1回戦:炎とバレンタインの吸血鬼(4)
「----【召喚士】へのレッスン、その2です」
パチリっ、指を鳴らす。
日野シティーミティー、またの名をニチアサちゃんが指を鳴らすと、フサッグアの持っている泡立て器型の武器が変化していく。
「【召喚士】がはずれ職業だと思われているのは、召喚獣を召喚した後に使いこなす術がないから。
しかしながら、【召喚士】にしか出来ない、戦い方があります」
「【召喚士】にしか出来ない戦い方……?」
そうこうしている間に、フサッグアの持っていた泡立て器型の武器は変化を終えており、剣の形に変わっていたからである。
剣に変化した武器は、すぐにフサッグアの手を離れて、マルガリータの身体を真っ二つに斬りつけていた。
「「ぐぶっ……!!」」
真っ二つに斬りつけられ、【二人三脚】のスキルによって体力を共有していた2人は、同じタイミングで傷を受けていた。
「召喚獣を使いこなす術はないが、【イメージ召喚】で与えた素敵な物達は自分の魔力で作ってるから、変化させられるんだ----これこそ【召喚士】だけが使える戦術、召喚獣の武器や装飾を操る能力、名付けて【サモナーズウォー】ってね」
変化はそれだけではない、消えかけていたフサッグアの身体の傷が治っていく。
あそこまで消えかけていたのに、今では体力が全て回復していると言って良いくらいだ。
どうやら先程の剣、体力を回復させる効果があったみたいだな。
「フサッグア、体力も回復出来て良かったですね。
----さて、止めを刺すよ。フサッグア」
「了解しましたですよ、シティーミティー様!」
シティーミティーの命令を受けて、フサッグアはチョコレートの腕で何度も、そう何度も、しつこすぎるくらいに自分の身体を
擦りまくることで、フサッグアの身体から大量の炎の精霊達が生み出されていく。
大量に呼び出された炎の精霊達が空を覆い尽くし、精霊達は全員短刀を構えていた。
「この光景こそ、フサッグアに与えた【アラジン】の
【アラジン】の職業の力を得た者の身体は魔法のランプのようになり、擦ることで精霊を呼び出せる。そして、体力が続く限り、その数に際限はない」
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【アラジン】 スピリット系統職業
魔法のランプを手にして、盗賊から王様になった男の力を模した
身体を擦る事によって、自分の身体と同じ性質の精霊を無限に呼び出すことが出来る。ただし呼び出された精霊は1つしか命令を受ける事が出来ない。また元々が盗賊からの成り上がりであった経緯から、武器で相手の体力を盗み取ることが出来る
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天を覆い尽くすほどの、大量の炎の精霊達。
精霊達はフサッグアの号令の元、ココアとマルガリータの2人へと落とされる。
「「きゃああああああ!!」」
炎の精霊達は2人にぶつかると共に爆散し、2人の身体を吹っ飛ばす。
爆発の威力は凄まじく、ココアとマルガリータの体力はゼロとなって、【送還】されるのであった----。
「はいっ、こちらの1勝ですね」
ココアとマルガリータが【送還】されて、召喚獣対決3回戦の初戦は、日野シティーミティー陣営の勝利となり。
「----あと1勝すれば、どうなるかお分かりで?」
俺達は危機を迎えていた。
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召喚獣対決3回戦 初戦
勝者;日野シティーミティー陣営 【フサッグア(バレンタイン)】
敗者;冴島渉陣営 【吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世】【悪癖龍マルガリータ】
冴島渉 1敗
四大力【オーバーロード】 未取得
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