第135話 【イメージ召喚】
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召喚獣対決3回戦 初戦
勝者;日野シティーミティー陣営 【フサッグア(バレンタイン)】
敗者;冴島渉陣営 【吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世】【悪癖龍マルガリータ】
冴島渉 1敗
四大力【オーバーロード】 未取得
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「負けましたので、ペナルティーを与えましょう」
ニチアサちゃんはうねうねと髪を動かして、そのうちの1房を俺の頭にチョコンッとつける。
「----?」
「【
ニチアサちゃんがスキルを唱えると、俺の頭に激痛が襲い掛かる。
その痛みは身体全体を這うように駆け巡りつつ、ギシギシッと俺の頭に痛みがどんどん強くなってくる。
あまりの痛みに立ってられないほどで、視界がグラグラ歪んで俺のステータス画面がおかしくなったのかと思うくらいに揺れ、その痛みは数秒の事のはずなのに数時間規模の出来事に感じられた。
「~~~っ!!」
「まぁ、こんなモノでしょうか」
ニチアサちゃんは髪の毛を引っ込めると、あっさりと痛みは消え失せた。
「クトゥルフ神話に登場する蛇の神、イグ。覚醒と睡眠を勝手に決定するイグは、裏切り者は決して許さない。死んだ方がマシかってぐらいの、大いなる苦しみを与える。
この【
その笑みに、俺は恐怖すら覚えた。
先程の痛みが消えたのは、彼女が止めてくれたからだ。
もし仮に、止めてくれなかったら、俺は今頃----
「うぷっ……」
考えるのは、止めだ。
余計なことしか、思いつけないだろうし。
「さぁ、第2回戦を始めましょう。
冴島渉くん、次の召喚獣を出したまえ」
俺がまだ【執念蛇】のスキル効果によって苦しんでいる中、ニチアサちゃんは次の召喚獣の召喚準備を始めていた。
召喚陣の上に現れたのは、マイクやお菓子、そしてマラカスとタンバリン……だろうか?
先程現れたチョコやリボンなどといった【バレンタインデー】とはまたしても、違う要素みたいだ。
「(さて、この戦いは絶対に勝っておかなければならないな)」
このクエストは、先に2勝した方が負けのクエスト。
すでに1敗している以上、俺は次の戦いには絶対に勝って、最終決戦の第3回戦に繋げなければならない。
「(だったら、次は雪ん子で勝負だ)」
なので俺は、続いて雪ん子を召喚することにした。
ここで負けたら後がない以上、今の俺が召喚できる最大戦力をここに集結すべきだろう。
それに、何故だろう。
----ここでファイントを出したら、
俺自身、なにを言っているか分からないのだが、以前にファイントがこの戦いで負けたような気がするのだ。
勘というか、まるでそんな経験があったかのような気がするのである。
そして、俺の中にもう1つ、やるべきことがあった。
「確か、こうだったよな。----行くぜ、【イメージ召喚】」
俺は雪ん子に、【イメージ召喚】を試みていた。
先程、ご丁寧にもニチアサちゃんが教えてくれたので、俺は出来る気がしたのだ。
【イメージ召喚】というスキル名を唱えたら、俺の中に何かが生まれた気がした。
いや、何かが見えた気がした。
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召喚獣 雪ん子を対象に イメージ召喚を 実行します
与える物を 思い浮かべてください
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知ったからこそ、出てきたスキルと言うべきだろうか。
俺の魂……みたいな所と、召喚獣の雪ん子との間に、なにか縁のような物が結びついた、と言う感じ?
試しに、ニチアサちゃんがやっていたように【バレンタインデー】を思い浮かべてみる。
あまり【バレンタインデー】に思い入れとかはないけれども、物は試し、という感じで。
すると雪ん子の周りに、いびつな形の小さなチョコみたいなのが、1つ現れただけである。
どうやら、俺の実力じゃあ、複数のモノを与えることは出来ず、なおかつ俺と縁遠い物だと無理みたいだな。
「(----じゃあ、これで、っと)」
俺はそう思って、雪ん子の手袋に星の模様を入れておいた。
ほんのちょっとの違いだが、それでも雪ん子のステータスが上がっていた。
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【《悪童ポリアフ》雪ん子】 レベル;Ⅲ+15
個体レベル;15
種族名;雪の女神ポリアフ(←雪ん子)
装備職業;悪の剣士
攻撃力;C+47
属性攻撃力;C+57
防御力;C+47→C+50
素早さ;C+48
賢さ;B+78
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確かに、この【イメージ召喚】って便利だ。
これを上手く使いこなせば、もっと強くなれるに違いない。
「(まぁ、そのためにも----まずはこの勝負に勝たなくてはな)」
そして、俺の召喚獣の準備も終わり、俺とニチアサちゃんは揃って、2回戦用の召喚獣を召喚したのであった。
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