第32話 ラーニング天国(2)
機械型の魔物----パトロール・ゴーレムを初めとした、巡回警備兵の魔物達を倒して、数十分後。
俺は、《第七アルクエイド廃棄予定地区》の最奥、つまりはボスフロアの前まで辿り着けていた。
ファイントの強化計画も、このダンジョンで覚えるべきスキルはあらかた取ったので、満足である。
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【スキャン】;対象を鑑定し、ステータスを覗き見るスキル
【レーザービーム】;光を集束させ、ビームのようにして放つスキル
【マルチアーム】;自動的に対処する腕を、何本も生み出すスキル
【ハリケーンプロペラ】;プロペラを回し、竜巻を生み出すスキル
【自爆】;体力を0にする代わりに、最大体力の3倍の爆発を起こすスキル
【フロートシューズ】;地面から少し浮くことにより、床の効果を失くすスキル
【スタンブレード】;武器に気絶効果を付与し、相手を殴るスキル
【自動修復】;修理用機械を出し、武器を修復するスキル
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なんともまぁ、便利なスキルのオンパレードである。
特に【スキャン】、【フロートシューズ】、【自動修復】などはダンジョン探索に非常に役立つスキルなので、覚えておいて本当に良かった。
【スキャン】さえあれば、相手のステータスを覗き見るだけで、ある程度のスキルを覚えられるからね。
とまぁ、順調に進んできたので、体力も全然問題ないのだが----
「この奥は、行くべきではないね。Dランクダンジョンのボスは、まだ俺には重すぎる」
ここのボスは、第七アルクエイド----一般的には、
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【第七アルクエイド 聖なる舞踏】 レベル;Ⅳ 《第七アルクエイド廃棄予定地区》ボス魔物
全部で9体あるとされる、最強アルクエイドの1体。
あまりにも強すぎたため、史上最強の錬金術師に廃棄処分されてしまった。その経緯から人間を強く恨み続けている
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この先に居るのは、今の俺の戦力では絶対に対処できないほどの強敵だ。
このダンジョンはここのボス----強すぎて廃棄できなかった
そんな相手に、体力が有り余っているからという理由だけで、特攻するのはヤバすぎる。
そもそも今日の目的は、聖霊型召喚獣を呼び出し、ここの魔物達からスキルを青魔法でコピーする事。
その目的とやらは、既に達成されている。
「目的は達成した、帰るぞ」
「《了解、デス》」
「えぇ~!!?? ここで?! こーんな、ボス前でセーブせずに帰還するだなんて、ゲーマーだったら許さんでプンプンですよ? でーんもまぁ、ご主人のそーいう、真っすぐ道を進まない所は、ファイントは好きですよー!」
俺の号令と共に、雪ん子とファイントは即座に撤退を始める。
うむ、ちゃーんと話を聞いてくれる子は好きだぞ?
でもまぁ、「試しにちょっと攻撃して良いかなぁ?」的に、扉を開けようとしていた雪ん子には、後でお仕置きをしておこう。
俺がボスフロアに入らないのは、俺では絶対勝てないからだ。
絶対勝てない、死ぬ可能性があるから、扉を開けようとしないのだ。
指示を越えて利益を出してくれるなら良いが、逆に損としかならないような行動をするのには罰を与えないとな。
「----俺の次の目的は、レベルⅡになること。
そのために達成すべき目標は、これだ」
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召喚士 レベルⅡになるための条件
・Eランクダンジョン以上のボス 3種類以上撃破 《達成》
・100体以上の魔物撃破 《達成》
・召喚士ダンジョン大会 ランクⅠ 優勝 《未達成》
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この3つは、俺がレベルⅡの召喚士になるための条件であり、この3つを達成することで、俺はレベルⅡの召喚士になることができる。
レベルⅡの召喚士になればレベルⅡの召喚獣を召喚できるようになるだけではなく、今やレベルⅡとなった雪ん子にも絶対的な支配力が発揮される。
つまりは、もう雪ん子を完全に支配できて、安定した冒険者生活を送れるようになれるのだ。
出来れば、レベルⅡになった後に、聖霊型召喚獣を召喚したかったのもある。
だが、制御できない雪ん子の状態を鑑みるに、大会で「いうことを聞きません」状態があると困るため、今のタイミングで召喚したのだ。
兎にも角にも、目指すはレベルⅡの召喚士。
そのためにも、ランクⅠの召喚士大会、優勝だ!
(※1)
錬金術師が作り出す人造の人間。生まれながらにして、あらゆる知識を身に着けているとされる
その能力の本質は、因果律の操作。世界の根幹部分を揺るがす、神にも等しいこの力は、多くの魔術師の犠牲が必要であり、そのため危険視されている
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