第11話 後々

3つみつの姫の右腕にあった岩・すすき・水は

いつの間にか無くなっていたと言う

3つみつの姫に子が授かったのちにとか


1姫いちひめには1姫

2姫にひめには1殿との

3姫さんひめには1姫1殿との

かたわらには愛する夫が微笑んでいる


姫達は

産む支度の年を別ける選択をした

支度の無い者が

その年の大雷おおなりの日に舞をした


夫が死す事はなくなった

1姫いちひめ2姫にひめ共に

2人目を授かる

母は喜んで6人の祖母となった


舞は母から姫へ殿とのへ受け継がれた

大雷おおなりの日は 御殿ごてんまわりに民が集まった

酒が振る舞われ

太鼓の音がした


後に

大雷おおなりの日も舞も音も無くなった

時間と季節と人が残った


そして

いつの間にやら

あなたに届いた物語となった

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3つの姫と黒い石 @hasegawatomo

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