第5話 怪
瞬く間に土地に広がった
眉間にしわを寄せる民
母の前に現れた
「
あの時にと後悔を含んだ
強制の言葉であった
だがしかし
母は一言
「選ばぬ」
伝統と土地の者を守らねばならぬと
今にも血管が切れそうなほど
長は
さすれども
母はこの上なく涼しい顔をして
「選ばぬ
そう言うと
外の風は止んでいた
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