第6話 意
それと比例するかのように
それぞれの右腕の
母は大切な話があると
大広間に座った
お前達と父の話である と
舞う女にとって
舞う事 産む事
毎年必ず
ただ一生のうち一度 舞えない年がある
それは産む支度の年である
その年に舞ってはいけない
舞えば女児を授かる事ができない
古来より受け継がれた約束は
守り抜かなければならない
そして舞えずの年に起こるであろう
一切の病を引き受けて
舞う女の夫は1年を経たず
我が子を見た日に死ぬのである
伏せた目に
母の背中をさするような
亡き父のぬくもりを探すかのような
そのような舞をするのであった
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