第2話 流
姫達の母は
たいそう
あの見えずの姫の生まれ変わり
なのではないかと
思わせるほどであった
姫達の父は
たいへん優しき人であった
妻の全てと
3つの命を同じように見つめ
言葉は少なかった
母は
18だった彼女は言った
「扇が示すのです」と
彼女が
横たわる母は
誇らしげに右を見る
同じように
横たわる父は
愛おしげに左を見る
父 絶命の日であった
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