第2話 流

姫達の母は

たいそう崇高すうこうな舞をした

の生まれ変わり

なのではないかと

思わせるほどであった


姫達の父は

たいへん優しき人であった

妻の全てと

3つの命を同じように見つめ

言葉は少なかった


母はよわい18の日に夫を選んだ

理由わけをと聞かれた

18だった彼女は言った

「扇が示すのです」と


彼女がよわい22のある日

3つみつの産声が上がった

横たわる母は

誇らしげに右を見る

同じように

横たわる父は

愛おしげに左を見る


3つみつの産声の聞いた

父 絶命の日であった

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