第1話 宿命の右腕

1姫いちひめには岩

2姫にひめにはすすき

3姫さんひめには水

その右腕に生える


姫達はよわい18

次の世代のを産む為

深く交わる者を選ぶ


舞う女はこの地を守ってきた

毎年やってくる大雷おおなりの日に

御殿ごてん中央で舞う


その舞は

華麗かれい

怒涛どとう

狂気きょうきに満ちていた


そのような土地であった

いにしえより

その舞を絶やす事はなかった


ただ、ひとつ


いにしえより伝わる中に

3姫さんひめが同時に生を受ける

伝承無し


大昔

流行り病を治すべく

目の見えない姫が3日3晩舞い

土地神とちがみいかりしずめたと言う


3つみつの姫は

各々おのおの目の前に座った者を

まなこに映すのであった

その眼に一片の曇り無し


これは ある人々のほんのひと時の出来事を、語り継いだものである。

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