透視点〜泉ちゃん★

「あ、泉ちゃんこんばんわ。悪いんだけど今晩泊めてねっ。」


 …お風呂上がりなのか肌が薄ピンク色になっている泉ちゃんに声を掛ける。


 Tシャツにハーフパンツ姿の泉ちゃん。


 すらりと伸びた綺麗な腕や足に思わず目が行くがやっぱり胸元が気になってしまう。


 …あれ以来泉ちゃんのおっぱいが忘れられなかった。


 何度も思い出しながら自己処理をしていたせいで…。


 っていうか泉ちゃんお風呂上がりブラしないのね…。


 うっすらわかる泉ちゃんの乳首…。


 


 何とか微笑んで目を逸らす。


 

 「行こうぜ。」


 真実に声を掛けられて我に帰る。


 「うん。じゃあね。」


 



 また真実と呑みに行ってといつもの流れで真実の家に来ていた。


 何度か泉ちゃんと顔を合わせる機会はあったがなかなか話せないでいた。


 この日何故か真実は少し強めのお酒を買っていた。


 いつものように真実の部屋で呑み始める。



 「なあ透…お前泉の事どう思ってるんだよ?」


 「?!…どうって…。」


 思わず真実の顔を見つめる。


 「…いや…やっぱりなんでもない。」


 ため息を吐き首を振る真実。


 「何でもないって…。なんだよ…。」


 そう言いながら身体がふらつく。


 いつもより強いお酒を呑んでいるせいでだいぶ酔いが回ってきているようだ。


 「んん…酔ってるなあ…。真実…ちょっとトイレ行ってくる…。」


 「…ああ。ごゆっくり。あとお前今日はベッドで寝て良いぞ。」


 真実が意味深に笑う。


 「…何だよ…。でもありがとう。」


 

 フラついてしまう身体を何とか動かす。


 階下にあるトイレを借りて用を済ませて…。


 ゆっくり階段を登る。


 …動いたせいで酔いが回る…。


 …マズイな…。




 真実の部屋のドアプレートを確認して部屋に入る。


 …部屋の電気…消えてる?


 …ベッドに寝て良いって言ってたよ…な。


 


 限界だった。


 ベッドに倒れ込み目を閉じる。


 すごい良い匂いがして…。



 …真実がベッドに寝ている。


 …真実…こんな匂いだったっけ…。


 そう思いながら真実の肩に額を押し付ける。


 「ん…真実…寒いっ…。」


 用を足したら急に寒くなってきた。


 真実が毛布を掛けてくれる…。


 意識を保てずにそのまま眠った。


 



 ★




 くすぐったいような気がして意識が戻る。


 …真実…。


 何してるんだろう…。


 瞼が重くそのまま目を閉じている。


 唇に何かが触れてふっと吐息のようなものが掛かる。


 「…透さん…。」


 

 …!?


 泉ちゃんの声…。


 びっくりして目を開ける。


 


 思った以上に至近距離にいる泉ちゃんと目があった。

 

 驚いて飛び起きる。


 …この部屋…真実の部屋じゃない…!!


 


 「ごめんねっ!!真実の部屋と間違えたっ!」


 女の子の部屋に入った挙句にベッドに押し入るなんてありえない!


 …ベッドの上で泉ちゃんに土下座しようと思った。


 …何度も親切にしてくれた子にこんな迷惑な事して…。


 …情けなさすぎる。




 「透さんっ!」


 泉ちゃんが覆い被さってくる。


 …殴られても文句は言えない…。


 そっと身体を硬くする。


 …泉ちゃんの気が済むなら…受け入れよう。


 そう思った瞬間そっと顔を触られて再び唇に何か触れた。


 


 柔らかくて…。


 …目を開けると泉ちゃんに…キスされていた。


 何が起きたのか理解できずに思考が停止する。


 「…透さんっ…。」


 泉ちゃんは真っ赤な顔で何度もキスしてくる。

 

 …。


 何コレ…。


 幸せ過ぎるんだけど…。


 …夢でも見てるんだろうか…。



 

 夢なら…。


 泉ちゃんの背中を抱きしめる。


 赤くなった泉ちゃんと目があった。


 泉ちゃんはそっと目を閉じる。


 …かわいいな…。


 我慢できずに泉ちゃんにキスをする。


 泉ちゃんの柔らかい唇…。


 泉ちゃんの舌が口の中に入ってくる。


 泉ちゃんの舌に自分の舌を絡ませて泉ちゃん舌を吸う。





 「んっ…。」


 泉ちゃんの身体をなんとか離す。


 真っ赤になりながら俯いている泉ちゃん…。


 …すごい…気持ち良かった…。


 誰かとキスするのがこんなにドキドキして気持ちいいなんて思わなかった…。


 


 俯く泉ちゃんを見つめる。


 …かわいい…。





 「…ごめんなさい…。」


 小さな声で泣き出してしまいそうな泉ちゃん…。


 …ごめんって…謝らないといけないのは自分の方だ。

 

 …そしてすっかり下半身が熱くなってしまって、ズボンの上からでもわかるほど勃ちあがってしまっている。


 …こんな時に…。


 そっと泉ちゃんの毛布を借りて隠す。


 



 深呼吸する。


 …泉ちゃん…キスしてくれてたよね…。


 これって…期待しても良いのだろうか?





 「泉ちゃんって…ひょっとして俺のこと…好きでいてくれてるの?」


 思い切って聞いた。


 …期待は軽いうちに消したほうがいいことは痛いほど思い知らされていた。


 …これ以上、泉ちゃんへの想い…大きくする前に…。


 


 「初めて会った時からずっと好きで…。」


 俯く泉ちゃんがそう言ってくれた…。


 なぜか泣き出してしまった泉ちゃんを抱きしめる。


 「泉ちゃん…俺も泉ちゃんのことずっと…。」


 





 やっと自分にも大切な子ができた。


 腕の中にいる泉ちゃん…。


 離したくないと思った…。


 

 

 

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