ひとりエッチと

 「あ、泉ちゃんこんばんは!これお土産。アイスだから溶けないうちにどうぞっ!」


 真実が透さんを連れて帰ってくる。


 「透さんっ…ありがとうございますっ。」

 

 10日ぶりの透さんの笑顔に見惚れながらお礼を言う。



 「母さん今日も透泊めるから。メシ?外で済ませたから。ああ…。」


 真実がキッチンで母と話をしている。


 「…今日も泊まらせてね★」


 透さんに優しく頭を撫でられた。


 …今日もイケメンだな…。


 透さんを見つめる。



 「さ、行こうぜ?」


 真実が戻ってくる。


 「じゃあ、またね。」


 透さんが笑う。




 今日も来てくれないかな…。


 少し期待してしまう。


 前回は結局真実が起きる前に透さんは部屋に戻ってしまって…。


 連絡先…交換できなかった…。




 遊ばれちゃっただけかも…。と思いながら悶々として…。でもそれでも良かった。


 透さんは優しかったし、透さんとエッチできただけでも…そう思って諦めかけていた。



 真実と透さんは部屋で呑み始めたらしく、今日は真実の声が聞こえてきた。


 …真実が声を出して笑うなんて…上機嫌なんだな…。


 透さんと一緒にいれる真実が羨ましくなった。




 ★



 「んんっ…透さんっ…。」


 思わず透さんとのエッチを思い出してしまう。


 じんわり濡れ始めてしまったそこに指先を這わせる。


 …透さんの指…気持ちよかった…。


 



 「泉ちゃん、ちょっといい?」


 ドアがノックされ、透さんの声がした。


 「んんっ…ちょっと…。」


 慌てて毛布を掛けて体を隠す。


 「…大丈夫?」


 少し慌てた様子の透さんが部屋に入ってくる。


 「顔赤いけど…調子悪いの?」

 

 透さんは寝ていた私の額に手を乗せる。


 「熱は…無いようだけど、少し体温高いね?」


 「ん…あのっ…。」


 一人でしてたなんて言えずに黙る。


 

 「このまま寝てて?少し話がしたくって来ただけだから。」


 透さんが小さな紙を渡してくる。


 「これ俺の携帯番号。この前連絡先交換できなかったでしょ?嫌じゃなかったらこのまま俺と付き合って欲しいんだ。」

 

 「透さん…。」

 

 透さんを見上げる。


 「…もう透ッて呼んでよ。真実にもさっき…泉と付き合いたいって言ったから」


 透さんが照れたように笑った。


 「真実ったら凄い喜んでくれたよ。いい兄貴だね。」


 


 他愛ない話を少しする。


 「じゃあ、そろそろ戻るね。」


 優しく頭を撫でられて…透さんは部屋に戻ろうとする。


 …行っちゃうのか…。まあ真実と呑んでるんだし仕方ないか…。


 少し寂しかったが連絡先も教えて貰ったし…。


 …でもやっぱり…。


 「行かないでっ?」

 

 思わず透さんの手を掴んでしまっていた。


 「…泉…。」

 

 困ったように笑いながらも優しく抱きしめてくれる。


 


 途中で一人エッチを止めたせいで体の奥がじんじんと疼いている…。


 透さんに抱きしめられているとどうしても…エッチしたくなってしまう。


 「透さん…」


 透さんの首に腕を回してキスをする。


 「んっ…泉…。今日はまだ…真実起きてるし、それに毎回泉とエッチしに来てるみたいで泉に悪いっ…。」


 そう言う透さんの唇を塞ぐ。


 …我慢なんて出来なかった。


 「透さん…お願いっ…。」


 体を離そうとする透さんにキスをする。


 

 キスをするうちに毛布が捲れてしまったようで、何も身に着けていない下半身を透さんに見つかってしまう。


 「泉…どうして…?」

 

 「透さんとのこと…想いだしちゃったら…我慢できなくなって…一人で…。」


 透さんは私の下半身をみてごくりと唾を飲み込んだ。


 


 「真実に…言い訳考えなきゃな…。」


 ぼそっと透さんがつぶやいた。




 照れたように笑った透さんが私のそこに手を伸ばす。


 



 ★




 「泉…ごめん…結局エッチしちゃった。」


 「ううん…エッチしたかったのは私だし…。」

 

 透さんに抱きしめられてキスをされる。


 「今度こそエッチじゃなくてデートしようね?」


 透さんはそう言って笑った。



 

 

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