一章時点人物・魔物設定資料集

 

 登場人物


 新免玄一


 本作の主人公。十六歳。


 二刀流で戦う新人防人。養成機関において、本来必要な5年間の履修を彼の師匠の元1年に短縮したため知識面での遅れがある。元はタマガキから更に西、シラアシゲの出身で、三年前の大侵攻の折、奇跡的に生き残った。その時魔物に強い憎悪を抱き、普段隠してはいるが戦いの興奮でそれが漏れることがある。

 根は善人。しかしながら何かと好みの女性の前で格好つけたがる傾向がある。その場で後先考えずに見栄を張り、後日1人で悶絶している。


 髪の毛は青みがかった黒髪。身長は175cmほど。まだまだ成長期。

 小顔で美形といえば美形なのだが、本人はもっと屈強そうな面が良かったらしい。


 特殊霊技能 『五輪』

『火輪』『水輪』『風輪』『地輪』の4つの能力を内包している。彼は使えないとしているが、もう一つ能力がある模様。

 ある勘違いから本来の能力を理解していなかったが魔獣戦の際、そのそれぞれが司る事象を生み出し操るという能力の本質に気づく。

 この物語は、彼の能力の成長とともに進んでいくのだろう。


 武装

 打刀 朝鍛ちょうたん

 脇差 夕練せきれん


 名刀の部類に入る。丈夫で切れ味が抜群。彼の手に馴染んでいる。




 萩野御月


 本作メインヒロイン。十八歳。今世西部最強の名を冠するタマガキ最強の防人。その証として三体の魔獣を難なく仕留めた。三年前の戦で負傷した山名に成り代わる形で活躍し、その身の丈に合わぬ大太刀とその容姿から大太刀姫という二つ名で呼ばれることになる。本来二つ名が出来るのは名誉なことではあるが本人はこの二つ名をあまり好きではないそう。


 振る舞いは非常に大人びており、作中で最もマトモな常識人ポジ。その生真面目さ故に煽りすぎると即ブチギレる。あまりにも強すぎて男が寄り付かず、恋愛経験が皆無なため主人公の言動にいちいちキョドっていた。最近は黙るという対処法を覚えている。

 主人公がタマガキに訪れるまでタマガキの防人最年少であり、どちらかと言うと可愛がられる側の人間だったが年下の玄一が来たので年長者ぶれるのが楽しいらしい。



 初対面の玄一が好みの差はもちろんあれど見とれてしまったくらいには美人。身長は玄一より少し低いくらい。セミロングの黒髪で、普段は髪を下ろしている。容姿端麗と言えるがファッションセンスは壊滅的。本人もその自覚があったのか普段外套しか着ていなかった。彼女が選んだ可愛い服はほとんどアイリーンのアドバイスで購入したものである。


 特殊霊技能 『霊武装 月華』

 防人でも極小数しかその使い手がいない武器を具現化させる能力、霊武装の持ち主。

 重さを感じさせず、好きな時に生み出し、消すことが出来る。

 霊武装は特殊能力を内包しているが、一章時点では明かされていない。

 刀身の長さが変わることだけは分かっている。



 三代目山名


 タマガキの郷の長。50代。今は先代の郷長から襲名した山名を名乗っているがその正体は20年前の大戦の折八面六臂の活躍を見せたサキモリ五英傑のうちの一人。現在は、右腕と右目を失い、引退している。

 英雄クラスの功績と名声を持つにもかかわらず、他者に対し驕ることがない。兵士たちとも距離が近く部下からは理解ある上司として人気。

 実質的に西部の指揮を執る人間であり、人脈も広く、彼無くして、西部は立ち行かない。


 その容姿は190cmを超える偉丈夫。最近通りかかった子供に泣かれた。そのことですごく落ち込んでいる。


 特殊霊技能

 一章時点では不明。




 アイリーン


 タマガキの防人の1人。年齢は秘密。

 底抜けに明るいムードメーカー。語尾が特徴的。決して頭が良いわけではないが、人の機微を察するのに長けている。

 食べることと酒を飲むことが大好き。泥酔するとよく語尾が消失する。イタズラも大好きで、何かをやらかしては御月にいつもキレられ、逃走を試みるも毎回捕まっている。前回閑話で御月にイタズラを仕掛けた際、玄一と御月の微妙な空気を払拭したかったと供述。尚許されなかった模様。


 その金髪が目立ち、西では珍しくない異国の地出身の人間であることが分かる。残念美人。モテるにはモテるのだが、酒を飲む姿を見てドン引きされる模様。


 特殊霊技能 『熊虎ノ王』


 魔獣をも超える身の丈を持つ黄金の熊に変化する能力。変化の度合いを調整することが可能。やりようによってはあざとくなる。五感や身体能力が強化された熊に準じたものとなり、本来不可能である魔獣と防人の肉弾戦を可能とする。一章では真価を発揮しなかったが、彼女は部隊のタンク的立ち位置を取り味方に攻撃してもらうという戦術をとっている。アイリーンは一人だとしても戦略級ならば確実に仕留めれるが、幻想級なら分からないと述べていた。しかし、幻想級下位までであれば彼女の実力で確実に仕留めることが出来るだろう。



 甚内


 タマガキの防人の1人。本人はまだまだ若いと思っているが既におっさん。実は防人になってから長い精鋭。

 一章時点でカイト砦へ派遣されていた。忍び装束を纏い、様々な攻撃手段を有している。

 年長者として若者は導くべきだと考えており、勝手に人の話を飛躍させては相談を始め、諭してくる。その結果御月の回し蹴りをもろにくらい嘔吐した。


 忍び装束から覗かせる褐色肌が特徴的。彼もまた異国にルーツがあるのだろう。実はかなりの美形なのだが口を覆う布のせいでタマガキの女性からは忍ばないおっさん忍者として扱われている。不憫。


 特殊霊技能 『五忍』

 明確な情報はなかったがその能力を輪郭を察すことのできる描写はあった。

 広範囲の索敵が可能。利便性の高い能力であると言える。



 伏木


 タマガキ防戦隊二番隊隊長。30代。

 タマガキ防衛戦の折主人公と共に戦った。元々はダンジョンの攻略をも担う特務隊の隊員であり防戦隊へ異動。兵士としてはかなりのエリート。妻子持ちで家族はタマガキに住んでいる。

 その落ち着きようと屈強そうな外見から主人公に敬語で対応されていた。


 特殊霊技能は現時点では所有していないが、いつ発現してもおかしくないほど霊技能の練度が高い。


 テイラー


 まさかの最終話滑り込み初登場を果たした仕立物師。20代とまだ若い。デザインと性能の両立を目指した防人の装備を作成しており、西部の防人たちからは凄まじい人気がある。その分大金を稼いではいるのだが、その金を新しい装備の試作にぶち込み、溶かしている。センスはいいのだがいちいち奇抜なものに金をかける。ひよこチキン1式がその証拠だ。


 無精髭が目立つ低身長。黒髪に碧眼。


 民間人であるため霊技能は習得していないが、装備確認の際便利だとして霊力を装備に流すことはできる。




 師匠


 ちらほらと登場する主人公新免玄一の師匠。サキモリ五英傑の1人で現役ということ、識君とだけ呼ばれていたことだけがわかった。









 魔物・魔獣について


 人類に仇なす敵。その多様性から強さによる等級で分けられている。

 一章時点で登場した魔物


 空想級(レベリーズ)

 ”なし”


 幻想級(ファンタジーズ)

 ”名無し”(蠢く腕の集合体)


 戦略級(ストラテジーズ)

 ”猿猴”

 ”血浣熊”

 ”蛇足”


 戦術級(タクティックス)

 ”オーガ”

 ”ワイバーン”


 無冠級(アンクラウンド)

 ”オーク”

 ”ゴブリン”

 ”インプ”


 これら五等級の分類は単体での戦闘能力を評価したものである。戦略級以上の魔物のことを魔獣と呼称し、防人の必要性が認められた魔物がこれらに分類される。この五等級の中にも上位下位の細かい分類があり、例えばゴブリンは無冠級下位。オークは無冠級上位である。それぞれの魔物の等級を決定するのは帝都に本部を置く、魔物学会であるが、新種の魔物が確認された際は現場の判断で推定等級を定めることが推奨されている。また新種の魔物の名称は発見者が命名するか学会が決めることになっている。

 これらの振り分けを行う際、魔物の強さというものを評価する項目というのが細かくあるのだが、それはまた後に明らかになるだろう。



 おまけ 用語集


 霊技能

 スキル。身体強化など魔物と戦う全ての兵士が習得している。

 自分だけのスキルを発現させたものが防人となる。


 サキモリ五英傑

 二十年前の大侵攻の際、大活躍した五名の英雄。今現在も現役なのは三人だけ。二つ名で呼称される。


 識君しきくん

 さきがけ

 時の氏神マキナ

 剣聖剣の果て

 空の魔王そらのまおう


 これらの英雄がそう呼称されるようになった際、”魔王”という表現が帝をないがしろにし、魔とつく二つ名は英雄に失礼なのではないかと物議を醸したが、帝が許可を出したためことなきを得ている。



 帝都


 ヒノモト政府が置かれる首都。通称内地。帝居が構えられており、国の心臓部となっている。特殊霊技能養成機関サキモリも帝都にあり、帝都出身の防人は非常に多い。



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