最高の男
目が覚めると寝室のベットで寝かされていた。
一瞬状況が理解できなかったが徐々に何が起きたかを思い出し急いで蹴られた腹を見る。
そこには抉られて見るも耐えない傷があったはずがまるで何もなかったかのように綺麗さっぱり治っていた。
どういうことだ??
困惑しているとさっき助けてくれた男が扉を開けて入ってきた。
「起きたな。自分の名前は思い出せるか?」
「…リオです。」
とりあえず助けてもらった礼を言うために頭を下げる。
「先程は助けていただきありがとうございます。」
「あ〜やめろやめろ!助けようと思って助けたわけじゃねぇし。あと喋りづらいからその言葉遣いもやめろ。」
鬱陶しそうに手を振りながら男が言う。
「わかりました。けど敬語はやめません!!絶対に!!」
なぜなら師匠になってもらうからな!
「そ、そうか?まあ、別にいいが…
それよりも、だ。なんでお前はこの島に来たんだ?」
若干引き気味だった表情を一変させ真剣な表情で男は聞いてきた。
一瞬隠した方がいいかと思ったが嘘をつくなんて助けてもらった恩人に失礼だし、それに転生者は全員英雄になっていたはずだから悪いイメージもないだろうと思い正直に話すことにした。
何よりもこの人になら話してもいい、むしろ話したいとさえ思わせるほどの安心感があった。
「実は…」
前世で死んでから鬼に殺されかけるところまでの出来事を全て包み隠さず語った。
「なるほどな…お前さん転生者だったのか。それでシセルギア帝国に行こうとしたが魂がデカすぎてこんな危険極まりない地帯に飛ばされたと…なるほど、お前めちゃめちゃ面白いな!」
「何も面白くないですよ!!何回死ぬかと思った事か…」
男は腹抱えて笑いながら膝を叩いている。
人の苦労も知らずに大笑いしてやがるこの人…
少しイラッとしていると突然頭を撫でてきて、
「まあ、まだガキンチョだししょうがねぇから帝国まで送っていってやるよ!今日は一日泊まっていけ!」
優しい笑顔でそう告げる。
「ありがとうございます!あの!あなたの名前は?」
「俺の名前か?ルドラ・アマテラスだ!恩人の名前として一生覚ておけ!」
ケラケラと笑いながらそう言う男は、世界一かっこよく今まで見てきたどの人よりも輝いて見えた。
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まだまだ拙い文章をここまで読んでくださり本当にありがとうございます!今回は短くなってしまったので、次を早めに出したいと思います!
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