第15話 更に先へ
そうして時はたち、6ヶ月後ーー
「
試験場には、慣れない環境にだんだんと馴染んできた初等部の少年、少女達が、この6ヶ月間で学んだ事を教師に披露すべく集まっていた。
「ふむ...中々の集中力と精度だ...よし、次!」
試験の内容としては簡単。10メートル程離れた的に、杖から放つ
「簡単と言われれば簡単だよなー...」
「まあ普通にやれば大丈夫ですよ!」
コードとティアは席が隣同士なため、順番に試験をする事になる。
「...どっちが先生に言い出すか、じゃんけんで決めようか」
「望むところです...!」
「「じゃん、けん、ほい!」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「次、コード!」
(結局負けた...)
少し緊張しながら、コードは教師に話し始める。
「先生、頼みがあるのですが...」
「ん、何だ」
「初等部の学習範囲は『魔法の形質変化の基礎』、までですよね?」
「そうだが、何が言いたい?」
(よし、言うぞ...!)
コードは意を決して、話す。
「その『魔法の形質変化の基礎』までをこれから私コード、ティア・アルカトラ、ジード・コーネリアス、テトラ・コーネリアスが使う魔法を見て、学習を完了していると感じたら、初等部の授業を免除し、中等部の授業への参加権をいただきたいのです」
試験場が、ざわつく。
「...本気か?ふざけているのなら、止めるべきだぞ?」
「いえ、本気ですよ。もちろん、彼らも」
教師はため息を吐くと、呆れたように言う。
「...はぁ、ならやってみろ。恥をかいても知らんぞ...」
「!ありがとうございます!」
(よし!チャンスゲットだ!身長の低さは騎士になるのに関係ない事を見せてやる!)
コードは前に出て、的の直線上に立つ。
「よし...」
「?杖はどうした?まさか忘れたのか?」
「必要ありません」
「何をーー」
コードは隠していた手袋を着けて、言う。
(見せてやる。ティア達にも見せたことのないーー)
「では行きます!」
(魔法を!)
それを2階にある渡り廊下から見る、2つの影があった。
「国王、あれが今年の新入生です」
「ふむ、悪くない才能達だ。あの子達がこの老ぼれの代わりにこの国を守る騎士となるのを祈るばかりよ......む?」
「何か?」
「見ろシェフィ、何かやるようだ」
「はッ!」
(右の掌を左拳で叩き、アクショントリガーを起動!)
「手で魔法...?!」
教師が驚愕する。
(掌から構築された
「行け!」
(速い速度で投げる!これがーー)
コードの新しい魔法。名をーー
(
投げられた
(よし!)
「どうですか!?合格ですか!?」
「...あ、ああ、たしかに『魔法の形質変化の基礎』の内容を完了している者しか扱えないような魔法だ」
(よし!!)
「じゃあ...!」
教師はまたため息を吐き、言う。
「認めるしかあるまい...コード、君の初等部の間の授業を免除し、中等部の授業に参加する権利を与えよう...」
「やったーー!!」
「だがまだあと3人は免除していない、アルカトラ!コーネリアス!他の生徒より先にやりなさい」
そう言われると、ティアは飛び出てきて元気よく、
「はい!是非やらせていただきます!」
と言う。
「頑張れー!ティア、ジード、テトラー!」
「頑張りまーす!」「「おー!」」
(ーーまあ、結果として、ティアもテトラもジードも、『魔法の形質変化』を披露。4人全員で中等部の授業に参加できるようになった!)
一方、2階の渡り廊下ーー
「あの歳であそこまで魔法を知るとは...今年の新入生は、かなりの才能を持っておるのぅ...もしかしたら...」
「もしかしたら?」
「
「期待、させていただきます。ではそろそろ...」
「うむ...」
「「「「やったー!!!!」」」」
「ティア!これで...」
「
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日ーー
初等部、入学して6ヶ月の4人が『魔法の形質変化』どころか、高等部で学ぶ『魔法の性質変化』を試験で見せ、初等部授業の免除を受けた事は学校中に知れ渡った。
だがそれは、後に世界を揺るがす『
(作ってやる!)
(作ってみせます!)
(俺だけのーー)
(私だけのーー)
((
そしてまた、3年が過ぎる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「...さて、と...」
男が目を開き、立ち上がる。
(コードにも護りたい者が出来て、本当に良かった。でも観れる
「まあ念の為に聖獣にも仕掛けをやっておいたし、大丈夫かな...」
扉が開かれ、兵士が呼ぶ。
「アワリティアさん、作戦実行時間です」
「ああ、今行くよ。君は先に行っててくれ」
(ルクスリアや俺たち、『クリミナル・シリーズ』を終わらせ、この世界を守れるのはコードやティアちゃんしかいない。)
「なーんて、背負わせすぎかなぁ?!」
男は笑う。
「...まあでも本当に、コードには頑張って欲しいね」
「この僕、『
「ーーだから、この世界を、救ってくれ.!」
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