第7話 文武両道だね、先輩。
先輩って二年間生徒会長だったって本当なの? え、やっぱり本当だったんだ。いや、ね、信じてなかったわけじゃないけれど、改めて凄いなって。学校にウォータークーラーが設置されたのも、一人一台タブレット端末が貸出できるようになったのもさ。全部先輩のおかげだって事でしょ? ……ほんとに、凄いや。
それに先輩、勉強も出来るし、スポーツもできるもんね。まさに万能、というか。成績は必ず一位から三位以内。特に理数系は九十五点以下を見たことがなくて、人に教えることも上手だし。スポーツはなんでも出来るけど、バスケなんかも上手でさ。私、元々バスケ部だったけど、先輩と良い勝負だったんだよね、ちょっと自信無くしちゃったりね。……あ、今の笑いどころだよ? 私しか笑ってないじゃんか。
あー。でも欠点もあるっけ。確か実技科目が致命的、って聞いたことある。家庭科実習とか、音楽とかの芸術面とかだっけ。裁縫の時、これでもかってくらい絆創膏が指に巻きついてたよね。あの時期、先輩の代わりに私が碁石とか置いてたよ。触るだけでも痛かったらしくって。それと、先輩はちょっと、というかだいぶというか。音痴なんだよね。これでも優しい表現した方だよ。失礼だけどね。はは……。勇気があるなら一回聞いてみると良いよ。
でもやっぱり私が好きなのは盤面に向かう姿、かなぁ。才色兼備っていうの? 先輩の顔立ちは整ってるし。囲碁も将棋も、努力とはいえ、一種の才能だよね。
先輩の腰より少し上の下された髪の毛、いつもツヤツヤでサラサラなんだよね。一回だけ先輩の髪の毛、触らせてもらったんだけど、指がするっ、てなるんだよね。それくらいサラサラ。あと、めっちゃまつ毛細いし、目がきりっとしてる。目つき悪いってよく言われてるけど、別にそんなことないんだよなぁ。
え? 「ちょっと喋り過ぎ」だって? あはは……ごめんごめん。仕方ないよ、先輩の事だもん。いっぱい話したくなっちゃう。まだ話し足りないもん。五時間は余裕で話せちゃう。
もうちょっとしかないもんね、時間。分かったよ、この辺でやめとく。でも、プライベートの時間で聞いてもらいたいから、時間空けといてね。強制はしないけど、まだまだ魅力は沢山だから、先輩は。
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