万年筆の日
~ 九月二十三日(木、平日?)
万年筆の日 ~
※
恨みが深い
『何度言わせる気だ、このガキ! あの浮いてるやつを引き摺り下ろせ!』
『……聞いての通りだ。お前達は軍規を犯している。直ちに我のところに降りて来い』
亮ちゃんの頼みでも、そうは問屋が卸さない。破壊の嵐となっているドーム中心部から遥かに離れた広場に陣取る正規軍は、その場から一歩も動かずにただ黒煙が上る様子を眺めているだけだ。なぜ彼らが動かないのか。それは、理由を隠す気すらない厚顔無恥のがなり声でなんとなくは理解が出来た。
『くそっ! 女は面倒だなおい! 一週間メシ送るのが遅くなったくらいでここまでやるか?』
この戦場の指揮を担う男、グスタフ・カーン。彼から警戒態勢という名目で待機を命じられたものの、俺たちはお前の手飼いじゃない。勝手に状況を確認するために飛び回り、そして再三、亮ちゃんのヘッドギア越しに怒鳴られ続けてる。
まあ、そこまで大事にはならないだろ。だって軍の皆さん揃って俺たちに光学データ横流ししてくれてるし。それに見ろよ、今にも指揮官を殴り飛ばして現場に駆け付けたいって顔してる。
『大佐! 本部から、再三突入要請が入っているのですが……』
『良いんだよほっとけ! 見せしめのつもりだろう。すぐに終わる』
権力を、当たり前と思ってる者の発想。自分が一枚噛んでることを隠しもしない。そんな奴に任せられるわけねえ。俺は、ちびらびに教えてもらったことでそれなり使い方を覚えたこの『赤い瞳』で、遥か彼方の様子を目視していた。
しかし、俺、羅弥兎人ハーフだったなんて気づかなかった。だから普通の人間なら耐えられない加速にも平気だし、やたら遠くまで見えるし、目も時々赤くなるし……?
「よく今まで気づかなかったな、俺」
『ぶつぶつ独り言言ってないで早く探しなさい! 民間人が残ってるんでしょ!?』
おっとそうだった。この地に来て最初に耳にした情報。未だあの中に、三百人もの民間人がいるらしい。……親父もお袋も知らないけど、どっちが羅弥兎人だったか知りようもないけど。今は有難くこの力を使わせてもらおう。
「……お! 見えた! こっちに向かってきてる!」
『でかした! すぐに行くわよ!』
『ダメだ! 行くな、桜子! お前にそんな権限はない!』
亮ちゃんの悲痛な叫び声に、赤い機体ごと振り返るタッキー。その表情は見えないけど、簡単に想像がつく。
『ごめんね亮子ちゃん。……ありがとう』
『剣! 命令だ! 桜子を止めてくれ!』
「そうはいかないよ。だって、命令違反した俺をタッキーが追っかけてくるわけだし」
彼らを助けたところで命令違反はまぬかれまい。だったら俺一人が罪を被ればいい。タッキーには、ちびらびと幸せに暮らしてもらわなきゃならないんだから。
「……って思ってんだから! 俺より前を飛んでどうすんのさ!」
『相変わらず遅いわねあんた。先に行くわよ!』
重いからね、俺の機体。アレを使えば一瞬で亜音速だけど。限界までスロットルを引き絞ってるのにどんどん小さくなっていくタッキーの姿を見つめながら、俺は、まるで負け犬の遠吠えのような返事をする。
「しょうがねえじゃねえか。俺の、防御特化型なんだから」
すると、ヘッドギアから、予想に反した言葉が返って来た。
『そうね、頼りにしてるから! ちゃんとみんなの事護るのよ!』
初めて聞いたよそんな言葉。じゃあ、ちゃんと信頼に応えないと。俺は気合を入れ直し、左手に力を込める。すると、もう限界までスロットルを引き絞っていたというのに、こいつは少しだけ速度を上げたような気がしたんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
悪を貫いてでも、だれかを護るために戦うのは苦しいものだ。正規軍にいた間に、こんな気持ちは散々体験してきた。仲間を殺され、反撃に向かおうとする兵に撤退を命じ、そいつらに掴みかかられたこともあった。一人の下士官の足を宇宙服ごと銃で撃ち抜き、無理やり退却の列に放り込んだこともあった。その時、隊の皆は涙を流して我に敬礼をくれたものだが、二人は絶対に違う。二人は今頃、我を非難していることだろう。……それが羨ましい。二人が掲げる正義が我にはとても眩しくて、いつも羨んでいたんだ。
本当は、我だってそうやって真っ直ぐに生きたい。だが、それが出来ない程度には、戦場というものが、軍隊というものが身に沁みついてしまっているのだ。
「おい! どういうことだ! 貴様ら命令にも従えないウジ虫か! とっとと引き返すように言え!」
汚らしく唾を撒き散らしながら、歩くことすら億劫だと言わんばかりに脾肉を揺らしながら近づいてくる、グスタフ・カーン。例えばこいつを殺したところで、罪は『指揮官に命令違反の上で殺害』となる以上、半分を同調していたあいつらは不利になる。どうすればあいつらを護れるだろう。そんなことも分からずに、何が英雄だ。
「こら聞いてんのか!」
ここでこいつの罪状を声高に謳っても、軍人である以上、皆、こいつに従う。
「てめえ!」
……グスタフ・カーンの拳を食らって、我は地に伏せる。驚いた。こんなに痛くも痒くも無い拳は初めてだ。
「おら! あいつらに言え!」
「……我が命じました」
「ああん?」
「あいつらは、我の命令で行きました!」
「バカかてめえは! おい、通信兵! あの二人を打ち落とすよう全軍に伝えろ!」
「駄目っ!」
軍の中には、グスタフ・カーンのシンパがいる! 一人が命令に従えば、不条理と感じつつも、周りも必ず追従する! 自分の全てを消すほどの気持ちで、声をからしてあたしは叫んだ。
「じゃあどうすればいいのよ! ここで脱げばいいの!? あんたの奴隷になればいいの!? 死ねばいいの!?」
「契約がパーになるじゃねえか! あのクソ共、皆殺しにしてやる! マイクをよこせ!」
「二人に手を出さないでーーーーーーー!」
「……うるせぇなぁ。まずはてめえからだ」
小さな金属音が鼻先で鳴る。だが、それと同時に、巨大な影が一帯を覆い尽くした。グスタフ・カーンの拳銃はあたしに向いているが、そのトリガーが引かれる事は無い。彼の醜悪な顔を飲み込んで余りあるほどの口径を持つ巨大な銃が、グスタフ・カーンへと突きつけられていたからだ。
空中から剣呑な銃を構える巨大なMFA。それは、我らが集めたデータを元に、常に変化し続ける、新兵器開発部長専用機。
「このブタやろう。あたしの友達にいつまでそんなもの突きつけてんの? とっととそいつを捨てろ!」
そんな、上腕、前腕、腰部、腹部、頭部、体の各パーツが完全に独立して宙に浮いているMFAの中央。無数のフローティングポイントに護られつつも剥き出しになったコックピットに腰掛ける愛染柚歌。
「なな……っ!? 何をやっておるか! ここっ! こいつを殺せ!」
あたしの友達。
戦争を平和裏に終わらせたいという同じ夢を持つ仲間。
彼女が、助けに来てくれたんだ。
「……グスタフ・カーン『元』大佐。あなた以外の全員に、二つの緊急通信が文面で届いているのよ。五秒前くらいに」
「なんだと?」
近隣のMFAも歩兵も、銃口を下に降ろしてこちらの顛末を見ている。あたしも彼らと同じように、グスタフ・カーンへと目を向けた。
「内通、収賄、扇動、ルナマテリアの横領、都市破壊、殺人容疑、そして、あたしの亮子に銃を突きつけた罪で」
「ま……」
「死刑よ」
柚歌が、胸に抱いた子供の目を左手で隠しながら右手を空中に滑らせる。すると巨大な銃口の下部から飛び出した剣が、グスタフ・カーンの体を刺し貫いた。
呆然としたままのあたし。その目の前に、二つの浮遊ウインドウが強制的に開く。それはどちらも月面議会議長のサインが入っており、一つは、グスタフ・カーンの処遇を新兵器開発部へ任せるというもの。もう一つは、グスタフ・カーンの指揮する部隊の指揮権を……。
「こ、これは……」
『デス・サイズ』に委ねるというものだった。
「ほら、こう書いた方が、軍の皆さんには分かりやすいでしょ?」
「で、でも、あたし……」
「あははははっ! どうしたのよ亮子? 『あたし』って、なに!?」
剣の機体より二回りも大きいMFAの上から、昔から変わらないふざけた調子の声が響く。得体のしれない陰謀を企てているということに気付いて探りを入れ始めて以来か、久しぶりに聞いたな、柚歌の笑い声。
……そうだ。もう一度、信じてみよう。
いつまで続くのか、出口も見えない最前線で戦う指揮官に。夢のような未来を語ってくれたあなたのことを。
「助かった」
あたしは友に一言残し、コマンドルームへと足を踏み入れる。司令部要員は、ほとんどが不安気で疑いを持った目をしている。そりゃあそうだ、この中の半分以上がヤツのシンパだ。そして各部隊にも、結構な数のシンパがいることだろう。
さて、そんな連中を指揮することになるわけだ。ああ、本当に懐かしい。もっとも、あと一握りの慈愛の目と、もっと大量の嘲りの目と、ほとんどの兵士が向けてくる憤懣に満ちた目が、あそこにはあった。ジュニアハイスクールのガキが死ねと命じるんだ。まともに戦ってくれるやつなどいやしない。そりゃあ大変だった。あの頃と比べたら、こんな連中を掌握するなんて他愛も無い。
慣れ親しんだキャプテン用のコンソールを操作して情報ウィンドウを立ち上げる。そして我は、月面軍第三大隊の全兵士に映像付きで音声を繋いだ。
「……何人かは知った顔もあったな。見えるか、諸君。そうだ、お前らの大好きな我が、地獄へ帰って来てやった。今から我が、貴様らの指揮官だ。きっちり命令に従ってもらう。まあそう怯えるな、やることは簡単だ」
そして目を薄く瞑り、さらに続けた。
「ただ、思い出すだけでいい。仲の良かったアイツをぶっ殺された怒りを。お前を助けてくれた上官をぶっ殺された怒りを。自分を慕ってくれた部下をぶっ殺された怒りを。すべてはどいつにやられたんだ? ……そうだろう! あの亀ヤロウだ!」
いずこからも声どころか衣擦れの音一つ上がらなかった。だが逆に、それは胸の内に燻るどす黒い炎に薪を重ねたせいで見えなくなっただけだ。大量の風を送り込んでやれば、炎は瞬く間に燃え上がる。
「全軍! 叫べ! キル! ゼム! オール!」
『キル! ゼム! オール!』
「キル! ゼム! オール!」
『キル! ゼム! オール! うおーーーーーーーっ!』
繰り返すうち、インカムからは怒涛のレスポンスが挙がり、最後にはドームの各所から地鳴りのような叫びが響いてきた。あたしはグスタフ・カーンの罪状に『扇動』というものがあったのを思い出して、自嘲した。
そして、かつては亀ヤロウのあと、兎ヤロウとも言っていたなと思い出してもいた。
「いいか? 我のアーバンネームは『デス・サイズ』。逃げる
あたしは芝居がかった仕草でたっぷりのブロンドを掻き揚げ、口元だけにやりと歪めながら言葉を結んだ。
「貴様らの目の前にあるのは、我の唇だ」
コマンドルームでの反応はともかく、各地では大歓声が挙がったようだ。インカムからは盛大に武器を叩きつけ合う音も聞こえる。どす黒かった炎が健全な赤い色に変わったことを肌で感じ、ひとまず胸を撫で下ろす。これでこの部隊も、ちゃんと動いてくれるだろう。そうすれば、無駄な死者を出さずに済むだろう。
……さて、行くか、仲間達よ。
「まずは三百人の民間人をなんとしてでも確保する! 我らの剣が一片の悪も許さないことをやつらに教えてやるぞ!」
インカムなど無くても伝わってくる。今、ドームの各所からは怒涛となった正義が立ち上がった。
……反撃だ。いままで燻った分、熨斗つけて返してやる。
~´∀`~´∀`~´∀`~
異常気象と耳にする度。
誰の判断により『異常』としたのか。
それを問いたいといつも感じていた。
そんなあたしでも。
これは異常と称したい。
今年は、急に。
春分の日が十月一日になったのだ。
いつまでも暑いから。
そう言った理屈なのだろうか。
……暑い時には。
ぬるめのお湯が気持ちいい。
ヒグラシと水の音が耳をくすぐり。
木の葉と土の香りが日差しに温められて鼻に届く。
露天の内湯から臨む景色は。
それでも暦通りに色づき始めた葉がぽつりぽつりと見え隠れ。
秋との隔てを感じるならば。
今日が最適と思わなくは無い。
「なのに、なぜ秋分の日が一週間ずれたのかしら」
「……副反応のせいらしい」
「誰の?」
「……さあ」
秋の恒例、温泉旅行。
決まった宿、決まった日取り、決まった部屋。
部屋に据えられた庭に豪華な露天風呂。
既に小さな頃から聡明だった春姫が。
こんな贅沢な部屋などもったいないと。
何度かお父様へ話したことを覚えている。
何が贅沢なのだろう。
春姫の指摘を聞いても何もわからない程。
あたしは世間知らずな子供だった。
そう。
彼が、いつも言う。
あたしは世間を知らない。
宿に入るとき、フロントで。
お父様がポケットから取り出した万年筆。
十年くらい前、お父様のお誕生日にあたしがプレゼントした物。
そう信じて過ごしてきたほどに。
小学校二年生だったあたしからのプレゼント。
誰がお金を出したのか。
まさか、自分で仕事をするまでそのことに気が付かないなんて。
世間知らずも甚だしい。
高級な品とは言え。
明るかった柄が飴色に艶を湛えた今。
さすがにくたびれて見えるようになった。
そんな万年筆を見つめるあたしの視線に気づくと。
お父様は、ばつが悪そうにポケットへ戻す。
お金を出したのはご自分なのに。
あたしが、これをあげたいと言った、ただそれだけの品を。
そんなにも大事になさっているのですね。
――いつからでしょう。
恒例の温泉旅行。
家族風呂の端と端。
一番離れて入るようになったお父様。
今日も間に、春姫とお母様を挟んで。
ぬるめの湯船からのぼる煙を見上げながらお話をしていました。
そう。
いつも通り。
これは、いつも通りの。
家族の会話。
「アイドル活動だの、ロボットだの……。お前は、高校に入って全く変わってしまったな」
「もともと好きなものだった……、よ?」
「家名に、いくつ傷をつければ気が済むのだ」
「その程度で揺らぐ家ではないはずです……、よね?」
「屁理屈は良い。ことごとく私の意向を邪魔して、お前は楽しいのか?」
隣で俯く春姫の手を。
ぎゅっと握る。
これは、離れたくないからという意味ではなく。
想いを預ける、そんな行為。
「…………お前は、私のことが嫌いなのか?」
「大好きですよ?」
安堵のため息を耳にして。
あたしも幸せに感じるほど、大好きです。
でも。
もっとそのため息を長く聞いていたいのですが。
ここでそれを止めなければ。
機会は一生無い。
「大好きですけど、もっと好きなものができました」
ああ。
どうしても伝わらないのですね。
お父様は、まるでご自分が嫌われているかのような。
そんな苛立ちを口の端に乗せ始めます。
「…………お前には、言っておいたはずだ。舞浜は四人にあらずと」
「はい。おうちが支える数千人、そしてその家族を合わせて数万人」
「お前の人生は、みなを幸せにするためにある」
「いいえ。あたしは、あたしと春姫を心から幸せにしてくれた人を笑顔にしたい」
「今回のことは私の癇癪だが、お前には従う義務があったはずだ」
「はい、結局あたしは、その使命に縛られて何もできませんでした。でも、その人を通して広がった人の輪が、お父様の癇癪に打ち勝ったのです」
ぬるめのお湯を鳴らして、石の上に置いていた手ぬぐいの一つを取ったお父様。
ゆっくりと顔を拭って。
ゆっくりと立ち上がる。
「…………人の輪、か。それは望んで手に入るものではない。お前は、素晴らしいものを手に入れたのだな」
「はい。秋乃は、幸せです」
「ふむ。では、秋乃」
「はい」
「勘当だ」
「……はい」
そう。
いつも通り。
これは、いつも通りの。
家族の会話。
いつもと違うのは。
ずっと、お母様と春姫が。
涙を流し続けていた事だけ。
あたしは、部屋へ戻っていくお父様の背中へ。
お湯から出て、頭を下げる。
そして、ふと。
お父様が二枚持って入っていた手ぬぐい。
そのうち一本が、折りたたまれたまま石にかけてあるのが目に入る。
何かの柄が見える、この手ぬぐい。
あたしに伝えたい事があるのだろうか。
勝手な想像だ。
それは理解している。
でも、どんな柄が現れたとて。
きっとあたしは、一生その柄を愛することになるだろうし。
柄の意味を調べて、あたしへのメッセージなのだと勝手に解釈することだろう。
お母様と春姫に抱き着かれたまま。
あたしは、手ぬぐいを手に取る。
そう。
これが、お父様からあたしに宛てた。
最後の言葉になるのだ。
全ての思い出を噛み締めるように。
ゆっくり開く。
するとそこには。
藍の文字で、三つだけ。
『ぴえん』
「あはははははははははははははははははははははははは!!!」
お部屋の窓越しに、滅多に見ないふくれっ面がこっちをにらむ。
下着くらい穿いてくださいお父様。
あと。
その手に握る手ぬぐいに『逆転勝訴!!!』って。
「長い間、お世話になりました。次にお会いするのは来月のお誕生日会ですよね? その時は、あたしが自分で働いたお金で、新しい万年筆をお渡しします」
……まるでこのお湯のよう。
ぬるめの勘当を経て。
あたしは思う。
どうしてあの二人の仲は。
どんどん悪くなるようにできているのだろう。
ひょっとしたら。
月に住む神様が仕組んでいるのではないかしら?
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