第3話 灰坊主

 久慈市は、岩手県北東部に位置し、北上山地を背に太平洋に面する市。市の中心部は久慈湾の奥部にある。

 三陸復興国立公園の北部に位置し、国内最北端の海で漁をする「北限の海女」の町。また、世界有数かつ国内最大のコハクの採掘産地としても知られ、鉱山と加工場と博物館を備える。

 地名の由来だが、アイヌ語の「クシュ」もしくは「クジ」を語源として湾曲した砂丘を指すとする説がある。同様に茨城県の久慈や川崎市の久地も河川の蛇行域の砂地をアイヌ人がクジと呼んでいたことを語源と見る説もある。なお茨城県の久慈は久自国造に見えるように、古墳時代から存在する地名である。

 梅雨から夏にかけて吹く北東風「やませ」の影響を強く受ける地域として知られており、8月の平均気温は21.6℃と夏は非常に冷涼である。太平洋に面しているため、冬は雪が少なく日照時間が比較的長い。ケッペンの気候区分では西岸海洋性気候に属する。 一方、内陸にある旧山形村地区は1月の平均気温が-3.1℃と冬は寒さが厳しく、亜寒帯湿潤気候の中でも本州では珍しいDfbに属する。観測史上最低気温は2月が一番低く、次に3月、1月と続く。

 

 ❢妖怪を5匹倒すごとに好きな時代にタイムスリップ出来るようになった。

 

 一馬は縄文時代にタイムスリップした。

 縄文時代から平安時代の平沢I遺跡、中長内遺跡から多くの琥珀が出土し、竪穴式住居内からは玉の未成品や破片などが発見され琥珀玉工房を含む集落であることが明らかになった。また奈良県の平城京跡、藤原京跡等から久慈産の琥珀が出土していることから、久慈地方との交易があったことが推測される。

 

 8月29日の朝、小袖海岸を一馬は散歩した。

 久慈市の久慈湾南東部に位置する海岸および景勝地。三陸復興国立公園および久慈海岸平庭県立自然公園に指定されている。

 海岸段丘の段丘崖、花崗岩の岩礁、海食洞などと自然の植生が織り成す風景が観光客を呼び込んでおり、特につりがね洞が著名となっている。なお、かつてのつりがね洞は洞穴の中に釣鐘型の岩がぶら下がっていたが、1896年(明治29年)6月15日に発生した明治三陸地震に起因する三陸大津波で消失した。


 当地の漁業では、サケの定置網漁およびはえ縄漁、こうなごの敷き網漁などが行われている。漁業集落は、二子ふたご大尻おおじり、小袖が点在してあるが、漁港周辺に低地が少ないため、現在の各集落は海岸からやや離れた海岸段丘上に展開している。小袖漁村の東側に続く海岸一帯は三崎と呼ばれる地区で、小袖海岸と同様に同園の特別地域に指定されている。

 大尻・小袖・久喜の各漁村において素潜り漁が行われており、「北限の海女」の名称で広く知られている。

 

 当地の海女は、小袖海岸地区では、素潜り漁をしている様から「もぐり」と呼ばれているが、久慈市街地では、採捕した海産物を担いで山道を越えて来て「三・八まぢ市日」などで売っていた様から「かつぎ」と呼ばれている。


 1959年(昭和34年)11月27日に当地の海女を題材にしたラジオドラマ「北限の海女」が放送されたことにより、その題名が当地の海女を指す名称として用いられるようになった。


 一馬は女将から聞いた灰坊主あくぼうずって妖怪を思い出した。

 灰坊主は、秋田県や岩手県に伝わる正体不明の妖怪。秋田県仙北郡や雄勝郡では囲炉裏の灰の中に住んでいるとされ、灰をいじると現れるという。そのことから、古より囲炉裏の灰をいじっていると「灰坊主が出る」と言って戒められた。名称の「坊主」は僧を意味する坊主ではなく、怪物を意味している。

 また、岩手県九戸郡では、風呂に2回入ったり、仏壇に供えられたご飯を食べたり、裸で便所に入ると灰坊主が現れるとされ、同様に戒められていた。

 つりがね洞にやって来た。

 毎年6月の夏至を挟んだ約3週間のみ、日の出の光が穴を通る。

 夫婦で来世にいく際、この地で落ち合い、釣り鐘を鳴らしてから極楽浄土に行くと言い伝えられていた。つりがね洞に隣接し、浄土ヶ浜(岩手県宮古市の浄土ヶ浜とは別)がある。

 一馬は沙織のことを思い出していた。

 彼女の尻の右側に黒子があった。

 クンニが好きでビシャビシャに濡らした。

 死ぬときにここに来れば沙織に会えるかも知れない。

 一馬のぶっとい肉棒をしごきながら、「もっとぉ〜」と喘ぐ姿が忘れられない。


 後ろから灰坊主が迫りつつあった。

 通常はそれほど恐ろしい怪物ではないが、沙織に迫られたために一馬を殺すことにした。

 彼女と交わって子供を産めば妖怪人間を作ることが出来る。

 一馬は振り向きざまにマキリで灰坊主を斬りつけた。灰坊主は死んだ!

 残り4匹で異空間へ行ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る