第11話 高等数学の理解力を高めるのは、論語が一番!!

懐かしい小学校の友達と話しをしている、

「光の速さは1秒で地球7周半回り、

二つの定理が存在する

(速さ=距離÷時間 三平方 C二乗=α二乗+b二乗である)

「動くものの時間は遅れ、動くものの長さは縮む」・・・・・・・


一平と友達何人かの、カン高い明るい声

が響き渡る淀川橋小学校の校庭の光景である

一平の父親の名前は、龍平(りゅうへい)と言い東京大学を首席で卒業し現在は

淀川橋小学校の校長先生をしていた。


「校長!校長! 一平君が相対性理論を講義しています!」

とすっとんきょうな声で、新任教頭の村山先生が走って来た。


龍平校長は校庭のグランド整備の手を止めて

「はいっ~な、誰が聴講しているの?」


「同級生の6歳児の3人です」


『数学遊び』を一平がしてるんですよ。

一平はこの遊びに、今夢中なんです、


数学が人を幸せにする唯一の方法だと

信じて疑わない不思議な子で、

日本が世界の強国になるには数学立国が絶対条件だそうです!?」


落ち着いた声で校長は応えた。


「まだ漢字もおぼつかない5人が高等数学ですか?しかも遊びですか」


「村山先生 数学に漢字は不要!

言葉と数字を知っていれば大丈夫なんだそうです、


一平は漢字よりも数学を先に勉強したほうが良いと言ってました・・・

それに、大声での読み合わせ遊びが相対性理論や数学を理解するのに

一番の早道だと教えて貰いましたよ。」


「高等数学を音読で理解できるんですかね・・・? まるで論語やね」


校長は心配する教頭にこうも続けた・・・

「意味不明でも毎日、毎日読んだら理解できるそうですよ、

この方法が一番手っ取り早いと!・・・」


「私の以前の学校では昔からそんな勉強方法をやってないですが?

一平君は斬新な勉強方法を編み出しますね」


「その通り、現在の日本の数学レベルが低いのは、

誤った勉強方法で学習しているからで、

我が国民の知能レベルが決して低い訳では無い、

先ずは僕の世代から教育レベルを世界一にするんだ!っと、

毎日、一平は張り切っているんですよ・・・

このままでは、

我が日本が発展途上国に成り下がってしまい、暗黒時代を迎えない為に、


数学遊びをするのは、今でしょう!と一平に指導されてますよ」


納得しがたい顔を向けている村山教頭に、龍平校長は次のような補足をした


「一平による説明を詳しくお話しときますよ教頭先生、

数学は、量、構造、空間、そして変化の研究です。

数学者はパターンを探して、新しい予想を定式化し、

適切に選ばれた公理と定義から厳格な推論により真理を確立します。

抽象概念と論理的推論を用いることにより、

数えること、計算、測定、そして物体の形と動作を組織的研究することだそうです。

そして、

数学は、基礎哲学、純粋数学、応用数学の大きく3つに分類され

数学を極めれば、民を貧乏生活から救えるんだと信じて疑わないんですよ。」


「ハア~、そんなに数学って言うのは役に立つんですか??・・」


「うなずかない教頭に校長はこうも付け加えた」


「数学というものは「ある事実」を基にして、新しい「ある事実」が生み出されるという特性があります。

例えば、a = bという事実に対し、b = cという事実が追加されたとします。

このとき、a = cという新しい事実が生み出されます。

一つ一つの事実を積み重ねた結果、a = cが成り立つことは理解できると思いますが、a = bという事実のみではa = cという事実を得ることはできません。


これを現実的な場面に置き換えてみましょう。


a = bを中学一年生で習い、b = cを中学二年生で習うものとします。

a = b は a = cであることを求めるために必要なんだよと説明されても、中学一年生のときにはb = c を知らないので、a = cであることを納得できません。


しかし、中学二年生になりb = c を習った時、中学一年生で習ったa = bという事実を併せると、a = cであることに納得できるはずです。

このように、新しい事実というものは、既存の事実の積み重ねでできています。

既存の事実を使って新しい事実を得るまでは、既存の事実を役に立たないものだと断言することはできないのです。


例えばここでいう新しい事実が非常に役に立つもの(例えばエネルギー問題を解決するような事実)だったとします。

新しい事実を産むためには既存の事実が必要なので、意味がなさそうに見えたかもしれない既存の事実は、結果的には非常に役に立つものだったということが後でわかるのです。


なので、皮肉な話ですが勉強中の身の人は、勉強することの意味はわからないということになります。


意味を考えても今はわからないのですから、意味は考えない方が良いのです。


一平の同級生も今は意味がまったく分からない高等数学の音読でいいんです。

論語の音読のように、学習することが無駄なく数学を理解できる学習

(数学遊び)を一平は実践しているんですよ。

龍平校長は教頭の村山先生にも一平の理解者になって欲しいと思っているので丁寧に説明した」


村山教頭が直ぐに質問した、

「発想の原点が数学とは、もう少し補足していただけませんか?」


龍平 校長は自分自身が白平に問い糾した同じ質問だなとほくそ笑んで答えた

「一平曰く、数学は社会で役に立つものを生み出しています。

先進資本主義社会の現状を注意深く観ると、

車や工場は社会に役に立っていますが、


これはニュートンの物理学・微積分学がバックにあります

他にも発明者の斬新な発想で、

電話、テレビ、電話等も電気や電波を使っていて、電磁気学、三角関数を使っています。

自分が日常で使わなくても、「社会でどう使われているか」はイメージできますし、できたほうが良いですよね


というか、

それが高等教育の目指すところのひとつですよね、

問うこと、学ぶことは、西洋のギリシャの頃から、

人が人らしく生きるための技術として、受け継がれてきました。

またその活動が学問としてまとまったがゆえに、

数学をベースとした物理、化学、生物学、経済学などの近代科学が起こり、

それが産業革命や情報革命という形で社会に大きく役に立ってきています。

言い換えると社会発展や国造り、人間の生活の向上は、数学が担っている事になりますよお父さん・・・

って細かく説明を受け

「なるほどっと、納得のいく説明を詳しく受けましたよ、村山先生」


やっと村山教頭は、一平の不思議な行動の疑問が解けたのか、

「それで論より証拠と言うんですね!」

そう言うと足早に自分の担当の教室に戻って行った。

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