第9話 被害予想は甘過ぎた!!

入口を開けると電話の音で溢れていた!

電話機50台が鳴りっぱなしだ!!


当日勤務の警備員2名が国会議員の到着を待ち侘びていた、

井草の顔を見るなり、他の8名は議事堂に救助に向かっていますと報告をした。


「ご苦労様」


井草は右手を上げてねぎらおうとしたが手が思うように動かない、

どうやら右手も怪我をしている様子だ


「釈迦力君、手分けして救助を頼もうか!」

わかりました、一平も夢中で電話対応を行った、


その間も少しずつ、

敗残兵が陣地に引き上げる様に怪我の浅い者が重症者を支えながら

チラホラ国会議員が血だらけでシェルターに避難してきている。


一平と井草は、鳴り止まない電話に、救助依頼、被害状況の情報収集、知事への指示と緊急時対応に忙殺された。


5時間ほど経った頃ふと周りを見ると

総理大臣含む国会議員10名と官僚8名

合計18名が集まっていた!


いや、生き残ったのが18名だけなのか、それもわからない?!。


被害状況を群馬県知事がヘリコプターを飛ばし電話で知らせてくれた、


新宿駅や、東京駅では、群衆雪崩が発生し、人々が将棋倒しとなり死者多数発生


墨田区や木造住宅が密集する、杉並区、世田谷区など、西部の環状7号線と8号線


の間を中心とする地域や、東部の荒川沿いの地域で、火災などで住宅が全壊している。


約130カ所から出火し燃え続けている様子だ、死者・行方不明者はどのくらいなのか想像もつかない、


又群馬、長野、新潟、山形、富山等の被害が及ばなかった地域の消防、自衛隊、警察総動員で関東の被災地へ駆けつけてくれ救助活動に当たってくれていることを報告してくれた、


地震による倒壊した建物が道路を塞いでおり、道路の瓦礫が撤去され次第国会議事堂に、一刻も早く救助に向かう旨を報告してくれている。


東京都心部の住居は全壊、道路も歩けない、橋も流れ落ち、スーパーも粉々、コンビニも押し潰されている、


着の身着のまま、下着も服も無い、水も無い!電気も無い、


さらに悪い情報がどんどん入ってくる今度は津波だ、


発生した津波は、神奈川県の江ノ島や鎌倉など相模湾の沿岸を襲い、

東京湾にも侵入した。


横浜や川崎、千葉の海沿いにある石油タンクは激しい炎を上げて燃え上がり、

その火が“津波火災”となって街を地獄絵図に変えていた。


津波火災は沿岸部をのみ込むだけでなく、東京湾にそそぐ河川を逆流し始めた。


東京の下町エリアは、隅田川が津波で氾濫して水没した。

山の手でも目黒川や善福寺川流域など狭い谷で大きな被害が出ている様だ、。


街では水につかった車の電気系がショートして、ガソリンに引火。

車が引火物となって、さらに津波火災が連鎖していく。


海が見えない地域でも被害が発生している。


津波の浸水想定範囲に入っていない地域で、自宅にいた方が安全と思っているところへも近くの河川から津波が遡上してきて、被害を受けているのだ。

津波は銀座や丸の内、新宿や渋谷に到達し、


水が地下に侵入、


地下鉄のホームは水浸しになり、地下街の水かさがみるみるうちに増していく。


階段を流れ落ちる水の深さは10cmほどもないが、高齢者は手すりに掴まっても上がることができず、


階段の途中で立ち止まるのがやっとの状態。


地下鉄車両のドアの内側からは、ドアが開かない。助けてくれ!

と懸命に叫ぶ声が聞こえるが、膝まで達した水の重みで、大人が束になってもドアはピクリとも動かない。


地下にある変電施設がことごとく水没し、送電線も甚大な被害を受けているため、電気の復旧も思うように進まない。


タワーマンションでは、住民が水や食糧などの救援物資を受け取るために、

延々と非常階段を上り下りする姿が目撃されている、


交通網の被害も深刻で、東海道新幹線も、東名、名神の高速道路も、甚大な被害を受けている。


死者はおよそ100万人にのぼるだろう、津波や火災や建物の崩落が

主な原因となるのだ。


けが人は100万人、救助が必要な人は50万人、

避難者数は1000万人に上るだろう。


その日、2人目の悪魔が舞い降りた、


関西圏でスーパー南海大地震が連動して発生していた!!

ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界線である南海トラフを震源として、地震の連鎖がおきた。


これらが連動するのが、スーパー南海地震で、被害は関東から沖縄まで広範囲におよび推定死者数は約100万人規模と言われている、


紀伊半島沖から遠州灘西部を震源域とする巨大地震。

被害は静岡・愛知・三重の3県で大きく、

岐阜・大阪・和歌山の3県がそれに次ぎ、


山梨・石川・福井・滋賀・兵庫の4県でも多数の全壊家屋が生じた。


地震による被害は御前崎から濃尾平野に至る沿岸部・平野部で大きく、


熊野灘沿岸では津波の被害が大きかった。


津波が伊豆半島から紀伊半島まで襲った。


まるで日本がつぶれるかの大地震の連鎖だ!!


日本が地獄絵図そのものになった。


首都直下型地震、南海トラフ地震という2つの

悪魔の襲来が来た!!


地震発生当日に最大430万人が避難所へ、

270万人が親族・知人宅などへ避難。


家庭内と公的備蓄で食料が計6340万食、飲料水は計13億3千万リットル備蓄しているが、


不足量は1週間で食料が9600万食、飲料水は1億4500万リットルに達する。


被災地内外での買い占め、道路の渋滞や寸断で配送が困難になること、保管スペースの不足、物資が届いても適切な管理や効率的な配分ができないことも想定していた。


しかし、避難所も倒壊し、親族・知人宅などへの避難も不可能になった!!

そして備蓄食料、飲料水も悪魔は飲み込んだ!津波で流れた!!


連動地震で200万人は死亡し、2000万人は帰る家も避難場所も無く

路頭に迷う!!

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