第8話 首都直下型地震、南海トラフ地震2つの悪魔の同時襲来!!
井草は準備してきた答弁を無感情に棒読みした。
「財政運営の健全性を保つため、歳出と歳入の均衡を図ること。
日本は財政法で、国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、
その財源としなければならないとなっており、
歳入不足を補う赤字国債を発行するには特例法による裏付けが必要だとある」
と、相変わらず、ふてぶてしく答弁をした。
「その答弁だと私たちが支払っている税金の額がお国の総収入で有り
日本が使えるお金の総額だと思われていますね!???
大臣、均衡財政なんて意味が無いんです!
証拠がありますよ!
財務省が言う借金とやらは1300兆円に膨らんでいるんですが
2%の(物価安定)インフレ目標の達成も50年以上出来ていないんです。
逆にまだデフレですよ。
市場はまだお金の量が足らないと言ってる結果ですよ!
人を救う為にお金を使って下さいよ!
政府の仕事をして下さいよ!!!!?」
「それとも何かお金を出せない理由があるんですか?
補助金や交付金の支出を何故躊躇されるんですか?
もしかして国税庁からにらまれるからですか?
叩けばほこりが出る身体?
税金の警察である、国税庁を恐れているんですか、
日本は、国税庁の親分が財務省という位置付けになっており、
財務省に逆らえない図式が出来上がり、
財務省の言いなりで政治家も、NHKも、新聞社も与党も野党も、
173年間忖度まみれで日本丸を動かしてきたんですよ!
なんと情けない構図なんですか!
日本の最高の頭脳が集結している財務省が脅し、妬み、嫉みで、
日本を仕切っているなんて!
国民の為にというイノベーションのカケラも出てこない財務省だから、
50年間も緊縮財政に走り、その結果国民の給料が上がらず非正規社員を増やし
GDPがまったく上がらない暗黒の50年を過ごしてるんですよ。
政府は貸借対照表を平成15年度決算分より作成・公表しているが
財務省が大きく広報しないから、マスコミも財務省に忖度して、記事にもしない、
経済専門家も一部を除き、間違った貨幣論を流布し続けている。
先生、一体この国の誰を信用したらいいんですか?
兎に角、自殺者を無くす、貧困を撲滅させる、人口減少に歯止めをかける、
国民の暮らしを守る国の使命を果たすのは一体・誰・な・ん・・ですか????
一平が国会議事堂内に大声で訴えている最中!!!!
突然爆撃音が響き渡った
が・が・が・が・が・が・が~んん がシャン~ドンド・ン・ドン
バリバリ…バリバリ……キィーーーーーん?!「!「?
悲鳴が聞こえた!!!地震だ~~~~~~~~~~!!!!
身体がゆらゆらと横に揺れた、大きい揺れで、机が椅子が、マイクが、パソコンが一斉に吹っ飛んだ!
床がうねっているように思え、歩くことも、立つことさえおぼつかない。
照明機器が天井の壁を壊すかの様に、揺れに合わせて右にガシャン~左にドシャン
床が前後にも動き出した、横ばいにならざるをえない、
議事堂の建物がポキっと折れる恐怖がよぎって止まない!
国会議員、書記官、警察官、官僚、人間が道具や物と一緒に吹っ飛ばされた!
議事堂が前後左右に加え上下にもドン、ドドン、ド~ン-----
激しい雨音が聞こえた、しかしそれは雨ではなく、
天井から降り注ぐ瓦礫の音だ。
思わず両手でかばうと、小さなガラスの破片がその腕に突き刺さる……
地震の最中、一平の脳裏は、両親、子供、妻、友人の顔が次々と走馬燈の様に現れていた!!
何回かの揺り返しがあり、一瞬の間が訪れた時、手が何かに触れた。
必死にしがみついた、まだ揺れは続いている
応接セットだ、そのクッションに飛び込んだ!
議事堂内は、恐怖の悲鳴がこだましている、
一平は、額から鮮血が滲んで目に入り、右手でぬぐいながら、
左手両足を動かしてみた、命は助かったと思った。
3分が経ち4分近く揺れが続いている。
国会議事堂の窓に目をやると高層ビル群が大きく揺れている。
上層部の振り幅は、ゆうに10mを超えている。
上層階では勢いがついて人が窓ガラスを突き破り、外に放り出されている。
相変わらず、脳裏には、子供の顔、両親の顔、妻の顔、同僚の顔が浮かんで来る、
怪我をしていないか?無事でいるか?心配だ!!!
頭と心が混乱している、何かしら気が焦っているが、
茫然と立ち尽くすしか行動出来ない!
一平の耳に小さな声が入って来た、
「う~ン、う~ンうーん」
どうやら机や椅子が散乱しているその中から聞こえる。
大丈夫ですか!
一平は声をかけた。
「助けて下さい~老人のような、か細い苦しそうな声が返ってきた」
3〜4個散乱した机、椅子を取り除いている時、顔が見えた
「足が抜けないんだょ、」
足の方を指さしたのは井草財務大臣であった
曲がった椅子が絡みつき、抜けた時には血だらけの足が折れているかのようだった。
「有り難う、ありがとう、井草の声は涙でかすれていた」
「よかった、よかったです、大臣ご無事で嬉しいです、一平の声も涙声である」
井草の手と腕を持ち、丁寧に立ち上がらせた。
「足は痛くないですか?」
「何とか歩けるようだ」そういうと、井草は微笑みでお礼を返した、
どうやら足は折れていない様子だと一平は思った、
「早く皆んなを助けないと、死んでしまう」井草議員は、
率先して散乱した残骸を片付け出した。
暫くその作業を、一平も手伝っていたが、井草は、
何かを思い出したのか早口で言った、
「釈迦力君、北31番の出口に一緒に向かってくれないか」
井草に何か策があるようだ、
「はいわかりました、向かいます」素直に一平は従った。
井草の肩を抱き31番出口の前に有るエレベーターの所に着いた。
その横に扉が有り、井草は一平に扉を開けるよう声をかけた。
扉を開け入口を入り地下への階段を30m程ゆっくり一緒に歩いた、
「この中にホットラインシェルターがあるんだ、全国の知事、消防、警察にコンタクトが取れる所だ」
井草は丁寧な説明を一平にしてくれた。
井草は、かねてから地下シェルターの存在を知っており、内閣には緊急時に非難
場所としてここを利用する規定があるようだった。
その、核シェルターは、数ヵ月間生活するための水、燃料、食料を備蓄してる。
また食料には、缶詰のほか、チョコレート、ソーセージ、チーズ、等備蓄されている。
空調の電源は、蓄電池やガスオイル発電機を入れ、ノンストップでサーバを稼働できる仕様になっていた。
政府機能を維持する設備が備わっている、他の行政組織と連携するための幾つか
のテレビと電話、通信システムやパソコンも装備されている。
シェルター常駐の国会警備員10名がここを管理していると井草議員が歩きながら伝えてくれた。
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