第5話 勝ち組と上級市民は努力組?

「次に戦後最大の経済危機に際し、

日本政府としてどの様な具体策を持って国民の生命と暮らしを守るおつもりですか?


具体策をお聞かせください???」

一平は今迄の質問で最も大きい声で質問した。


議長が深入総理大臣を指名した。


「経済成長なくして財政再建はないと考えているが、

我が国の財政状況は、これまでの赤字国債の発行等によって、


国・地方を合わせた長期債務残高が先進国中最悪の水準にあるなど

極めて厳しい状況にある。


これを放置すれば、将来世代への負担の先送りという

世代間格差の問題を深刻化させる、


また、財政の持続可能性に対する疑念の高まりが経済成長自体を阻害するおそれもある。


我が国経済の持続的で安定した繁栄を目的とし、

財政再建に取り組んでまいりたい。


今回の総合対策を実施するに当たっては、こうしたこと等も踏まえ、

その財源については、


平成二十年度補正予算では赤字国債を発行しないことを前提に、

既定経費の削減等により確保することとしている」


「具体的には、


成長戦略会議を発足し、下記の政策を実現します。


① デジタル庁の創設、


② 携帯電話料金の引き下げ、


③ 地方銀行の再編、


④ 中小企業の再編、


⑤ 不妊治療の国民健康保険の適用、


⑥ コロナ禍での感染拡大防止と経済活動再開の両立


上記の速やかな政策実現が民需主導の経済を実現し、緩やかなインフレが期待されると考えています」


「総理達勝ち組は、この政策で経済危機が解消すると

本気で思われてるんですか?」


一平のこの質問に突然、財務大臣の井草が答弁した。


「国民全員がこの政策に不満や不安を持っている訳では無い!!


あのね~君


勝ち組ではない!努力組だ!

世の中、金がなきゃ何もできないし、金がモノを言うのは事実である、


そして貧困の結果、犯罪に走らざるを得ない羽目になることもある。


あなたも綺麗ごとなど言わずに、勉強してしっかり知識と能力を身につけて、


高い年収と地位を手に入れ、勝ち組になれるよう努力すればいいではないか?!


皆んな一生懸命その努力をしているんだ!?


政府は、中小企業の再編を図りグルーバルにダイナミックに

商活動を展開出来る様に


支援を行なっていき国民の暮らしを守って行くんだよ。


釈迦力君これが君に対する答弁だ!!」


と、威嚇する様に井草は答弁席を離れた。


井草さん!

「この政策は、ダメですよ、どう考えてもダメです。


企業や銀行の再編と言えば聞こえがいいが、


人員整理の血を流すと言ってるのと同義語ですよ、


再編したら必ずリストラが起きて職を失う人が多数出るんです。


コロナ不況の真っ只中に、


政府が率先して首切りの片棒を担いでどうするんですか!」


釈迦力君、

「力のない企業は、淘汰されるんだよ昔から資本主義はそういう仕組みだろ。」


井草さん、!


「今回は、総理大臣が緊急事態宣言を発出して、

仕事をしないでくれと政府がお願いしたんですよ!


政府が経済活動を止めたから、企業が弱るのは当たり前ですよ、


弱って潰れそうだから合併しなさいとは、


余りにも理不尽ですよ!


日本の経営者の事を優しく守れないんですか!


ろくでなし政策としか言いようがない」


「言葉に気おつけなさい釈迦力君、失礼じゃないか!


雇用調整助成金を1年半出し続けてその企業の従業員の給料を政府が払い続けているんだ。


政府の国債も底なしにある訳ではない!


国が潰れてもいいと言うのか?」


「財務大臣!

国が経済活動を止めたんだから、コロナ前の水準に戻るまで責任を持つのが筋ではないですか!


助成金の期間延長をしてくださいよ、これは絶対に譲れませんよ!


ここで再審議をやると約束してくださいよ!


やらないと内閣不信任決議になりますよ!」


井草は、一平を睨み


「専門家と相談し、再検討するかどうかの協議を提言するよ」と

曖昧な答弁をした」


一平は再度言った、


「これは譲れませんからね!!是非お願いします!!


そもそも、


50年間、国が潰れる破綻すると先生や、

マスコミ達が大騒ぎして国民の不安を煽り立てているが、


日本はいつ頃破綻するんですか?」


「大臣お答え下さい 」


「日本が財政破綻する可能性だが、私に言わせれば、


税金を払える生産年齢人口が減り続けている以上、


破綻確率は「100%」である。


すでに国の財政は破綻している状態だから、


いつ国債が暴落してデフォルト(債務不履行)になってもおかしくない。


ただ、それは1年後かもしれないし、

10年後かもしれない、という話である。


そういう事態が起きないように財政運営戦略を作っていくのが、

国を預かる私達がやるべきことだ」


「国が破綻しない為に、国民の破綻は仕方が無いという

答弁にしか聞こえないですね!


よくそんな見殺し政策を、答弁出来ますね!」


あのね~井草さん、


「国民にお金を配り続けて国民の生命と暮らしを守り続けた凄い人が過去にいた

ので教えて差し上げますよ!」



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