第3話 感染を恐れたら医者は患者を治せない火災から逃げたら消防士では無い!

「パンデミィック、パンデミィックですよ!


消防士が火災の爆発を恐れ火を消しに行かなかったら火災は収まらない、


医者も看護師も感染を怖がれば患者を治せない!


警察官も刃物を持った凶暴犯人を我が身を棄てて、捕まえなければ市民が安心して暮らせない。


皆んな命がけで仕事しているんだ!!


国会議員も同じでしょう、国民の生命と暮らしを守る為、現地視察は大切な大切な仕事ですよ!!!


命がけで視察に行くのが本筋でしょう!!!!


コロナは戦争に匹敵する大災害ですよ、

日本が崩壊するかもしれない事態です、

現状をしっかり把握して、陣頭指揮を執るのがトップの役目です!!


総理、感染を恐れてはダメですよ!

総理!


忙しいのは、わかります、

視察は、無理なのは理解しました、しかし

これだけは、これだけは、お願い致します。


再度の特別給付金を配って下さい!!


明日のご飯が食べれないんです!


総理いかがですか、お答え下さい!」


総理大臣、深入忠雄(ふかいりただお)は、

団塊の世代(昭和22年)に生まれ、東京の中学校を卒業しており、

ひとクラスは40人で22組あり、


中学校1.2.3学年で2400人のマンモス学校を卒業している。

当然高校、大学も凄まじい競争の世界であり、子供の頃から

競争に勝たないと、親や、兄弟、学校の先生に、自分の存在を認めて貰えない

時代に育っていた。


深入からすると、競争に勝つ努力が足りないから、落ちこぼれると言う考え方を持っていた。

人を押しのけた数だけ眉間にシワを作り、冷たい表情で答弁した。


「多くの事業者に必要な資金繰り、人件費に関する支援を重点的に行っており、

こうした支援によって雇用や事業、暮らしを守っていきたい、2回目の特別給付金を支給することは考えていません。」


「総理~~」!!!一平は絶叫した。

「視察にも行かない、支援金も出さない、2回目の特別給付金も支給しない!

飢え死にするんですよ!


自殺者が増えてもいいんですか?!

このまま、ほっとくんですか??何とかしてくださいよ!!

総理、総理お答え下さい!」


突然、

厚生労働大臣が立ち上がり、勢いよく小走りで答弁席に立ち、喋りだした!


「違う、違う総理に聞いてるんです」と一平は総理大臣を指差して議長に抗議したが一平の抗議にも関わらず厚生労働大臣が答弁した。


「収入が激減している生活困窮者に、生活保護を受ける権利があるということを記者会見で申し上げてきたが、なかなか伝わらないところがある。


SNSやグーグルの検索機能、ツイッター、バナー広告なども使いながら、生活保護に関してPRしている」と述べた。


忖度答弁が始まった。

一平は、他の閣僚が自ら答弁を行うのは、国会でよく見られる光景で、それを忖度答弁と呼んでいた。


一平は、再度議長に言った、

「総理のご答弁をお願いしています」


議長は総理大臣を指名した。


深入は無表情に答弁席に歩み寄り、相変わらず眉間にシワをよせながら無愛想に答えた。


「雇用を守り、暮らしをしっかり支えていく。

できる限りのことは対応してきている、いろんな見方があり、

いろんな対応策がある。

政府には、最終的には生活保護という、そうした仕組みもある、

しっかりとセーフティネットをつくっていくそれが大事だと思っています」


総理大臣の深入は官房長官を5年間勤め、官僚人事の大部分を押さえていた。

異論を唱える官僚を露骨に更迭し、官僚にとって深入は、恐怖の対象になっていた。


江坂第1次政権で深入は総務大臣に就いた。

着任早々、総務省幹部にこう尋ねたという

「事務次官のトップ人事は、誰が決めているんだ」と、「うちはOBが決めていません」と答えると、


深入は即座に続けた。

「人事権を持っているのは誰だ」

幹部が「大臣です」、と答えると

深入は、「そうだよな、権限は使わないと意味がない」


省庁の人事権は閣僚が持つと法的に定められているのに、事実上は、各省の現職官僚、そしてOBが決める霞が関の体質を深入はひっくり返した。

自分の気にいる官僚ばかり周りに置き、イエスマンの勢揃いとなった。


深入政権は司法との関係も変えた。


最高裁の裁判官人事も官邸が握るようになり

検察官人事も握ろうとした剛腕である。


深入は自分を軽視する官僚は徹底的に許さず躊躇なく首をすげ替えたのである。

その為、官僚らは新たな政策を次第に出さなくなった。


そんな人物である深入総理が答弁を続けている。


「私が目指す社会像。それは自助、共助、公助、そして『絆』であります。

生活保護法による保護は、世帯を単位として行われ、 世帯員全員が、その利用し得る資産(預貯金、土地・家屋等)、能力(稼働能力等)その他あらゆるもの(年金、各種手当等)を、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われています。


国債発行が巨額となっている現状で、財政運営への信認が失われて国債・円の信認も消失し、インフレを含めて国民生活に多大な影響が及ぶことを懸念している次第です!」


冷たいな!!!

優しさのカケラも無い、考え方!!!信じられない冷酷さ!


つまり、


「溺れている者を助けると国が沈むから助けないという、

……人でなし政治ではないか!!


自分だけ生き延びればいいとゆう事ですね!!」


この時、自我党からヤジが飛んだ


「言葉をつつしめ!

失業率は世界に比べて低いんだ!株価も上がっているだろ!」

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